開放されたラサ
ラサ市人民政府市長 ロサンギャンツン
ラサ市はチベット自治区の首府であり、チベットの政治、経済、文化の中心地である。千三百余年の歴史を持つ高原の町ラサは標高が三千六百五十メートル、世界において最高の標高都市の一つである。悠久な歴史、さんぜんと輝く文化、美しい景観、独特な風俗、多くの名勝旧跡という特色で世界に名をはせている。チベットは、国務院が最初に公表した二十四の歴史文化都市の一つである。ラサは一九六〇年に正式に市政を敷き、現在は、七つの県と一つの区を管轄してあり、総面積は二万九千平方キロ、市街区面積は五百四十四平方キロで、市全体はチベット族、漢族、回族など三十一の民族の四十余万の人口を擁し、そのうちチベット族人口が八九・七%を占めている。
チベットの民主改革四十年来、特に改革開放二十年来、山々の頂上に雪を頂くこの高原の町には天地を覆すような変化が生じた。発展途上にあるラサ市は、中国共産党中央の深い配慮と全国人民の無私の援助と協力の下で、同市の実情と結び付け、首府としての町の特徴にふさわしい経済発展戦略を確定し、経済建設を中心として、思想を絶えず解放し、開拓・進取し、二つの根本的転換の推進をめぐって、経済発展の中で直面した突出した問題と矛盾の解決に気を配り、農業の基盤としての地位を強化し、国有企業の改革を深化し、構造調整に大いに力を入れ、新たな経済成長スポットを積極的に育て上げ、農業の豊作、工業の成長、財政の増収、改革の深化、市場の繁栄、社会の安定といった素晴らしい局面を引き続き保ち、国民経済と社会諸事業には空前の発展の勢いが現れた。 素晴らしい成果をあげた経済建設 一九九八年、ラサ市のGDPは二十四億二千三百万元に達し、民主改革以前の四十九倍、一九七八年の九・八二倍であった。農業生産は十一年間連続して豊作を収めた。郷鎮企業と多種類の経営はスタートから現在までに、強大な発展の勢いを見せている。工業生産は着実な足取りで発展し、地方の特色を持つ、一定の規模のある工業システムが初歩的に形成された。商業貿易、観光などの第三次産業が急速に発展している。市場が繁栄し、物価が安定し、都市・農村人民の生活水準が目に見えて向上し、改善され、一九九八年、都市住民の一人当たりの所得は六千四百五十元で、農民・牧畜民の一人当たりの収入は千三百六十一元に達した。
都市・農村の様相の日進月歩の変化 改革開放以来、ラサ市は都市建設に大いに力を入れ、都市・農村一本化過程を積極的に推し進めた。特に、第八次五カ年計画期以来、インフラ建設への投入はラサ市の歴史の中で規模最大、投資最多の時期であり、毎年、都市建設・管理・保守に使われる費用が千万元確保された。現在、ラサ市で建設された市街区の道路は百三十三キロに達し、県・郷の道路開通総距離数は三千三百三十二キロに達し、水道の普及率は八〇%に達し、都市緑地面積は一三五九・八八ヘクタールで、カバー率は三二・六%で、都市の一人当たり緑地面積は十二平方メートルに達し、全国でも前列にある。ラサ市からはすでに世界のほとんどの地域に向けて国際衛星通信電話が通じ、ラサ市の郵便・通信事業は世界先進諸国に肩を並べるようになった。ラサ市は国と全国人民、特に首都人民と江蘇省人民がチベットの発展を援助しているプロジェクト四十三件、六十二件の建設プロジェクトと窓口を決めての同じ分野への支援という有利なタイミングをつかんで、相継いで北郊浄水場の拡充とパイプ・ネットワークの改造およびポタラ宮広場、郵便ビル、自動電話通信ネットワーク、市街区江蘇路通り、中千渠路通り、バルク路通りなど十本の主要道路の都市インフラ建設を完成し、歩行者天国、緑地の設置、照明の増加、路面の改善などの措置の実施を通じて、都市の様相が大いに改善された。ここ数年、都市の様相、環境衛生、交通秩序に対して専門的な整とんを行い、現代的市民、首府都市のイメージを確立するための一連の活動を展開し、都市全体の精神文明をさらに向上させた。われわれはまた歴史的古跡への保護と修繕に力を入れ、現在のラサが広くて美しい町の両側に、ずらりと並んでいる現代的建築物が、悠久な歴史をもつ宮殿、寺とよいコントラストを描いている。ラサ市はさらに由緒ある町の風格を示すようになった。
対外開放で大きな成果 改革・開放の中でラサ市は独特な地理、資源条件と優遇政策を利用して、外国との横の連携と経済技術協力をたえず強化し、外資の誘致、対外貿易・観光、交流などの面から着手し、「窓口」の設置、プロジェクトの公表、投資環境の改善、経済貿易商談会の開催、優遇政策の制定、専門的な機構の設置などのルートを通じて、積極的に対外開放を行って素晴らしい成果を挙げ、前後して国内外の十五の都市(地域)と「友好都市」の関係を樹立し、北京、成都、海口など国内の他の都市と経済特別区に事務所を設置し、重要な対外の窓口を切り開いた。
目覚ましい発展を遂げた観光業 ラサ市は昔から「日光の町」と称えられ、世界の屋根に位置し、山や河川が壮大で美しく、悠久な歴史とさんぜんと輝く文化があり、観賞に値する自然景観と人文景観が多く、雄大なスケールの山峰、見渡す限り果てしなく広がる大草原、荘厳な宮殿建築、悠久な歴史を持つ名勝旧跡、世界でも数少ない貴重な文化財など、独特な風格を持っている。ラサ市街区に位置するポタラ宮はすでに世界歴史文化遺産に登録され、市内には名所としてチョカン寺、ガンデン寺、レプン寺、セラ寺、ロプリンカなど国の重要文化財と、ラモチェ寺、ラジン寺、ツォプ寺など自治区の重要文化財がある。現在、チベットで対外開放された山は三十二で、自治区内の八千メートル以上の山はいずれも対外的に開放された。また、チベットは中国で湖沼の最も多いところである。おおまかな統計によると、区全体には湖沼が千五百余あり、そのうち、ラサ市内に位置するナム湖はチベットで最大の面積の塩水湖である。よく知られているヤンバジェン地熱地帯はラサ市ダムション県内に位置し、広さは七千余平方メートルで、世界で最高の標高の地熱発電所がある。このほかに、見渡す限りはてしなく広がるダクション草原の景観、メゾクンガル県の神秘なデズォン温泉がある。チベットの観光資源の特色と内外の観光客の需要を結び付け、われわれは現在、ラサ文化観光、ラサ聖地参拝、世界の屋根風景観光、積雪地帯探険観光、科学視察観光、山や湖の観光、草原観光、リゾート観光など特色のある観光商品を開発し、プレゼンテーションしている。ラサ市観光業の展望は非常に明るく、観光産業は一定の規模が形成され、観光客受け入れ施設、観光ガイドはさまざま観光客の需要を満たすことができる。
現在、ラサ市は国家観光局の呼びかけに積極的にこたえ、中国のすぐれた観光都市に築き上げることに努めている。われわれは内外の観光客がラサへ観光に来ることを歓迎する。