ハイテク産業の発展を促す中国国際ハイテク成果交易会
小 雨
対外貿易経済合作部、科学技術部、情報産業部、中国科学院、深せん市人民政府共催の第一回中国国際ハイテク成果交易会が、十月五日から十日まで深せん市で開かれた。これはハイテク成果の展示とハイテク製品の輸出を主な内容とする、最初の国家クラス交易会である。
同交易会の組織委員会主任である深せん市市長李子彬氏によると、六日間の同交易会は素晴らしい成果をあげた。三十一の省、自治区、直轄市、香港・澳門・台湾地区、四つの部・委員会及び北京大学、清華大学など二十二の一流大学の代表団が同交易会に参加した。このほか、アメリカ、カナダ、ドイツ、オーストラリア、日本、イギリス、フランス、イタリア、スウェーデン、韓国など二十六カ国の四百二のハイテク企業、大学、研究所、金融機構と一部の国際ベンチャー投資機構の人たちが同交易会に参加し、そのうち政府機構の代表団として交易会に参加したのは、カナダ、オーストラリア、イタリア、フィンランドなどである。
同交易会の組織委員会の統計データによると、前後して提出された内外からの交易会参加申請プロジェクトは二万余件に達し、専門家組織の厳選に経て、一万五千件が交易会のプロジェクトとして確定され、そのうち九千余件はインターネットに入力され、四千百五十九件は交易会で展示されることになった。これらのプロジェクトは電子情報、バイオテクノロジー、新素材、新エネルギー、機械電子一体化、環境保全、宇宙航空など八大分野をカバーするものであり、ほとんどはそれぞれの分野における先進的なレベルと最新の成果を代表するものであった。
交易会の内容はハイテク成果取引、ハイテク製品展示と取引、ハイテクフォーラムの三つの部分からなるものであった。
おおまかな統計によると、同交易会の成約総額は六十四億九千四百万ドルに達し、そのうち、ハイテクプロジェクトの成約件数は千三十で、成約金額は四十二億七千八百万ドル(契約ベース金額は三十億四千四百万ドル、協議ベース金額は十二億三千四百万ドル)に達し、成約総金額の六五・九%を占め、その他のプロジェクトは四百二十九件成約し、成約金額は二十二億千六百万ドルとなった。
交易会はノベール賞獲得者、内外の著名な科学者、企業家、経済学者、ベンチャー投資・金融専門家三十八人を招き、特色に富む「ハイテクフォーラム」を三十六回開催した。特別演説会、報告会で、異なる分野から来た内外の著名な学者と専門家が素晴らしい講演を行った。
同交易会は取引方式の面では大胆な模索と試行を行い、ベンチャー投資メカニズムとハイテク成果取引との結合、ハイテク成果取引とハイテク製品の展示・取引との結合、会議期間の交易会と会議後の交易会との結合を積極的に促し、科学技術成果の取引における政府と仲介組織の役割を発揮させ、ベンチャー投資者、証券経営者を交易会に招いて著しい成果をあげ、ハイテクプロジェクトと成果の成約を促した。
李子彬氏は、同交易会は大規模、ハイレベル、国際化の既定の目標を達成し、内外で大きな注目を集めたと語った。
。。科学技術意識の強化
九〇年代に入ってから、科学技術の急速な発展によって、企業の生産と人々の生活は大きく変わり、科学技術は経済社会発展の促進の面でますます大きな役割を果たすようになった。
朱鎔基総理はハイテク成果交易会の開幕式で、次のように述べた。今日の世界では、知識が絶えず革新され、科学技術が日進月歩し、科学技術の成果の商品化と産業化が日増しに加速し、グローバル経済の急速な発展を促し、世界の産業構造の大きな調整を促し、国際貿易と協力の全面な強化を促している。新しい時期における知識経済の発展の新たな情勢にいかに適応し、国際科学技術競争の新たな挑戦に対応するかは、すでに世界各国が直面する共通の課題となっている。
中国が発展途上国として現代化を実現する歴史過程において、科学技術の進歩に頼り、経済発展を加速する任務は非常に重い。今年八月、中国共産党中央、国務院は全国科学技術革新会議を開き、「科学革新の強化、ハイテクの発展、産業化実現に関する決定」を行い、新しい情勢の下で科学技術進歩を促し、ハイテク産業を発展させることに対して具体的な計画を立てた。中国は知的所有権保護に関する一連の法律体系および科学革新を奨励しハイテクを発展させる一連の政策・法規を制定した。それによって、中国の経済社会発展における科学技術の役割は引き続き大いに強化されるようになった。
経済のグローバル化が急速に進んでいる情勢の下で、国際経済技術協力を鋭意展開するのは、各国の科学技術の進歩とハイテク産業の発展を加速する上で重要な意義を持つ。それゆえに、中国と世界各国との経済技術協力を促すため、中国政府は毎年深せんで中国国際ハイテク成果交易会を開催することになった。
対外貿易経済合作部の関係筋によると、各国・各地域の経済発展状況について言えば、ハイテク産業とその成果の輸出状況はすでに各国・各地域の国際競争を図る重要な指標となり、経済技術発展のために必ず争奪しなければならない分野となった。
将来における、世界のハイテクにおける競争はいっそう激しくなり、ハイテク産業は盛んに発展する勢いを呈するものと思われる。中国はすでに七〇年代末と八〇年代末に入ってからの世界の産業構造調整と転換のチャンスをつかみ、同時に、ハイテク製品加工貿易を大いに発展させ、自主的に技術革新を行うことを通じて、ハイテク産業を振興し、在来産業のグレードアップを促す能力を持っている。
ハイテク成果交易会では多くの世界の先端科学技術製品が展示され、それによって、人々はハイテクの魅力を見て取ることができた。また、交易会で成約額と成約件数が最も多かったのは科学技術要素が高いプロジェクトである。これによって、知識・知恵の資本の凝集したハイテク産業は富を作り出す大きな力であると、人々は考えるようになった。ハイテクを大いに発展させる意識は、この上なく深く人びとの心にしみ込むようになった。
。。ハイテク製品の集散地
ハイテク成果交易会の展示センターに入ると、あちこちでいろいろなハイテク製品が目に入ってくる。
展示面積の一番大きな場所はA館で、一万千平方メートルもある。A館は交易会の専門展示区として、「国際コンピューター・通信・ネットワーク製品展」をテーマとするものであった。ここにはマイクロ・ソフト、IBM、エリクソン、イプセン社、ランシュンなど世界各地から来た百三十余社のコンピューター、通信、ネットワークの開発企業と生産メーカーが集められている。ランシュンの責任者である中国南部市場担当社長が語ったように、これらの世界の大手企業が交易会に参加したのは、より多くの同業者と交流を行い、より多くの協力パートナーを探すためである。
これらの大手企業と匹敵する中国ITグループでは、中国長城コンピューターグループ公司、中興通信、上海ベル、聯想、方正、四通などが交易会に参加した。中興通信の二層からなる展示コーナーにはさまざまなデジタル移動通信システム、ICチップなど通信分野の新製品と新たな成果が置かれていた。深せん黎明コンピューターネットワーク有限公司の自らの知的所有権を持つ戦略的製品であるネットワークビジネスも交易会に展示された。上海ベルの展示場所は広場のようであった。国内のこれらの展示品とその勢いから、中国のIT業が発展のテンポを加速し、世界の流れに追いついていることが分かる。
「ナショナルチーム」と称されている対外貿易経済合作部、科学技術部、情報産業部、農業部、中国科学院の科学成果がB館で展示され、展示品の多くは中国の科学技術発展の一番高いレベルを示すものであった。
人類と自然の対話を表す大きな造型は、人々の注目を集めている。それは高く掛けられている空飛ぶ円盤と、ピラミッドによって構成されるものである。つまり、科学技術によって造られたピラミッドは人類が未来への発展をめざす唯一のルートであり、この過程において、情報技術が重要な役割を果たすことを示す。ピラミッドの周りには二〇〇〇I型曙光高性能コンピューター、浪潮サーバーなどのハイテク製品が展示されている。宇宙・航空展示区では長城シリーズロケット模型と国産の風雲一号、風雲二号人工衛星および回収式人工衛星などの模型が展示されている。
光学・機械・電子製品展示区ではさまざまなロボットが展示され、その中には、深さ六千メートルまで潜ることができる潜水ロボット(これをつくれる国は現在二つしかない)、サッカーロボット、彫刻ロボット、ミニロボットなどがある。
B二館では、北京市、天津市、上海市、重慶市、広東省、深せん市および留学生の展示コーナーがある。留学生展示コーナーには海外からきた九十四人の博士号取得者、三十一人の修士号取得者の百二十余点の製品が置かれている。
B三館では、主として北京大学、清華大学など一流大学の最高レベルの科学技術成果と製品が展示されている。
。。科学技術成果の転化を促す
長年にわたって、中国の科学技術体制は科学技術と経済とが切り離された現象が存在し、多くの科学研究の成果は認知された後には、死蔵されたままとなっていた。科学研究成果の生産力への転化のレベルは低い。ハイテク成果交易会はこの面で大きな突破を見せた。
かつての教授、学者は、今では展覧会の主催者となり、科学技術成果の商品への転化という意識はすでに多くの学者の共通のものとなった。
中国科学院、科学技術部、情報産業部、農業部などいくつかの部・委員会の研究機構の成果が展示されたほか、二十七の一流大学も代表団を組織して交易会に参加した。そしてプロジェクトの成約率はかなり高かった。「ハイテク成果交易会」は科学研究成果の商品への転化のために舞台を提供した。しかも、広範な科学技術成果の製造者と需要者にとってはこの舞台はより大きな舞台にのぼるためのステップにすぎなかった。交易会の後、ハイテク成果の転化の高揚がさらに出現することになろう。
説明によると、二〇〇六年から二〇一〇年にかけて、中国の知識革新システムが一応形成され、中国科学院は試行する機構の一つとなる。科学研究成果は市場を始点とし、市場に帰属し、科学研究において市場発展志向を重視し、技術普及において市場における特徴を重視することは、すでに大勢の赴くところになった。
。。閉幕することのないハイテク成果交易会
ハイテク成果交易会は、閉幕することのない交易会である。現在、インターネット取引システムがすでに確立され、無料で技術保有者にプロジェクト入力の場とその他の関連情報を提供するとともに、投資家のために関連のある情報を提供している。
五月一日にハイテク成果交易会のインターネットが開設されてから、多くの使用者を引き付けており、内外の関係機構はこのインターネット・ゾーンをひんぱんに使用し、アメリカ、カナダ、日本、シンガポールなどの投資家もこのサイトを通じて主催者と連絡を取り合っている。十月十二日までに、使用者は延べ五十万人に達した。インターネット取引ゾーンが開通してから、九千余件のプロジェクトがインターネット取引システムを通じて、世界に明らかにされた。
このほか、同ハイテク成果交易会組織委員会は、年中に内外のハイテク成果取引と成果の産業化のためにサービスを提供するべく、二千平方メートルの常設取引場を設立した。
閉幕することのない交易会はすでに大学、科学研究機構がその科学研究成果を展示し、普及させる大きな舞台となっている。
李子彬氏によると、交易会は閉幕したが、ハイテク成果交易会は永遠に閉幕することのない交易会であり、インターネット取引システムはいつでも国際間のハイテク成果の交流と国際技術貿易の発展を促し、科学技術成果の産業化、国際化を促進し、中国のハイテク産業の発展を加速するためにサービスを提供することができるのである。