通貨緊縮整備対策
中国の物価指数は二十二カ月連続してマイナス成長が現れた。これは通貨緊縮の重要な指標である。国民経済の安定した運行と健全な発展を保つため、通貨緊縮整備を重視しなければならない。本文は通貨緊縮対策を次の十種にまとめた。
一、利率引き下げ。拡張的金融政策を実行し、利率を引き下げれば貯蓄を減らし、住民の消費と企業の投資の増加を刺激し、市場の需要を効果的に促すことができる。中国の銀行の預金と貸付の利率はずっと高めであり、何回も引き下げたにもかかわらず、依然として需要を刺激する目的を完全に達することができない。
二、金融緩和。マクロ通貨政策において、通貨緊縮に対処するもっとも直接的な方法は金融を緩和することである。よく取られる金融緩和の方法は、中央銀行の割引率(即ち商業銀行が中央銀行に又貸しする利率)、法定準備金率(即ち中央銀行における商業銀行の法定預金の比率)を引き下げ、市場業務を公開する(中央銀行が商業銀行の有価証券を買い取り、市場に貨幣を供給する)ことではあるが、その効果は限られている。原因は次の二つある。一つは中国の法定準備金率と中央銀行の割引率が高めであることであり、もう一つは体制改革がまだ徹底的でなく、中央銀行の政策・措置に対する銀行と企業の反応が敏感でないことである。
三、赤字拡大。国債発行を通じて政府の財政支出を拡大し、それを公共工事とインフラ建設に用いれば、国内市場の需要を効果的に促すことができる。一九九八年下半期、中国政府が一千億元の国債を増発し、これに合わせて基本建設融資も一千億元増加し、それを国内市場の需要拡大に用いて、国内総生産(GDP)の七・八%増を確保した。現在、この種の積極的な財政政策は依然として実施可能な空間がある。
四、投資誘致。民間投資がなければ、政府の投資は通貨緊縮整備で望ましい効果をあげることができない。民間投資の始動は、一方では各種経済構成要素の企業の投資拡大を奨励する必要があり、他方では政府が企業に融資するルートを疎通させる必要がある。
五、株式市場始動。資金供給の面では、投資の理念を樹立するように住民を導く必要がある。株式市場を始動させれば、住民が投資するように積極的に導くことができる。事実が示しているように、健全に発展する株式市場は企業の直接融資のために望ましいルートを切り開き、企業と住民の市場に対する期待を効果的に高めることができる。
六、利子税徴収。住民の消費を促すには、住民の貯蓄の傾向を弱めなければならない。利子税の徴収を通じて、住民のわりに高い貯蓄の傾向を適度に弱め、消費を刺激する目的を達することができる。
七、所得増加。低所得階層、特にサラリーマン階層の所得を増加すれば、社会の有効需要を増大することができる。当面、一時帰休者の増加は住民の所得に対する期待を著しく弱め、金があっても敢えて使わないことは普遍的な心理状態となっている。このような心理状態は市場の消費需要を大きく弱めている。現在、低所得階層の実質的所得と予期所得を効果的に増加し、彼らの基本生活費を効果的に増加すれば、社会の有効需要を拡大する目的を達することができる。
八、構造調整。企業の新製品開発を奨励すべきであり、割引貸付けを通じて企業の新製品、ニューテクの開発を奨励することができる。こうすれば、製品の構成を調整し、有効供給を増やすと同時に、市場の需要を拡大し、価格の下落を抑える一方、製品構成と産業構造のグレードアップを促すこともできる。
九、改革深化。総供給の面から企業の生産性を向上させ、コストを引き下げ、国有企業の経済収益を改善するには、改革を深化させ、国有企業の資産の再編を速め、欠損をなくせない企業に生産を停止させ、資産の最適化の組み合わせを実現しなければならない。こうしてこそはじめて構造的問題を根本から解決し、経済に通貨緊縮による制約から脱却させると同時に、質的向上を実現させることができる。
十、保険健全。国有企業改革の深化、政府機構改革のクラスごとの推進、経済構造調整の深化につれ、都市部の一時帰休者はいっそう多くなり、それに農村の余剰労働力の都市流入を加えて、中国は空前の失業問題に直面してしまう。社会保障体系が健全でなければ、人々がその面の支出を考えて、市場の需要を弱めることになる。したがって、社会保障体系の建設を速めるべきである。この種の制度的インフラ建設は一般のインフラ建設と比べていっそう重要かつ緊迫である。
企業と住民に国の政策の目指す方が彼らの投資と消費行為に有利であることをはっきりと意識させれば、根本から通貨緊縮整備の目標を達することができる。事実上、国の経済における通貨緊縮は単なる通貨現象ではない。したがって、通貨緊縮整備に対しては、多くの方面で同時に着手し、総需要と総供給という二つの側面から枝葉の問題と根本問題を同時に解決しなければならない。こうしてこそはじめて市場を始動させ、国民経済の安定した運行と健全な発展を保つことができるのである。 (『経済日報』)