電子ビジネスの時代を迎える

李栄霞

 二十世紀九〇年代、人類は情報革命という空前の革命を経歴している。情報革命の到来につれて、専用ネットワークとインターネットを基礎としての電子ビジネスは速やかに全世界に広がって、現代の情報革命の重要な指標および構成部分となっている。

 専門家によると、電子ビジネスは未来の商業、貿易の発展方向を代表し、来世紀のグローバルな経済成長の主な原動力の一つとなる。二〇〇二年には、全世界の電子ビジネス貿易総額は一兆ドルを超え、二〇〇三年には一兆五千億ドルに達し、二〇〇四年には全世界のすべての企業がインターネット企業となるものと見られる。

電子ビジネス・プロジェクト

 今年九月北京展覧館で開催された一九九九年中国国際電子ビジネス応用博覧会は、中国政府が初めて開催した全面的な電子ビジネス技術と応用成果の大型展示会であった。この展示会は中外企業と関係機構の呼応を得、全世界の多くの情報産業の著名な多国籍企業が勇躍参加した。一九九八年十一月十八日、江沢民国家主席はクアラルンプールで行われたアジア太平洋経済協力会議第六回非公式首脳会議で、「電子ビジネスを発展させる面で、われわれは私営企業と商工企業の推進的役割を重視するばかりではなく、同時に政府部門も電子ビジネスの発展に良好な法律環境を提供すべきである」と述べた。

 政府のサポートと各企業の参与により、中国の電子ビジネスの発展は有利な政策保障と実施の原動力を得た。現在、中国の電子ビジネスはまだ始動の段階にあるが、発展の勢いは良好なものである。一九九八年末現在の中国のインターネット・ユーザーは二百十万人であったが、今年六月三十日には、四百万人に急増した。急増したインターネット・ユーザーは電子ビジネスの応用に基礎を提供し、企業と経済に空前の発展空間をもたらした。

 この貿易革命を前にして、対外貿易経済合作部は終始全世界の電子ビジネスの発展の勢いに注目し、中国の電子ビジネス・プロジェクトの基本的な枠組みと応用環境の建設を二十一世紀における中国貿易の持続的で健全な安定した発展を確保する重要な戦略的課題としている。一九九六年二月、同部は、中国国際電子ビジネス・プロジェクトの研究、建設、運営を担当する中国国際電子ビジネス・センターを設立した。

 三年来、中国の国際電子ビジネス・プロジェクトは順調に実施され、突破的な成果をあげ、電子ビジネス・プロジェクトのネットワークの枠組みと基本的な技術環境と応用規模が初歩的に形成された。通信プラットホーム、データ交換プラットホーム、情報プラットホームからなるネットワーク・プラットホームがすでに完成し、全国の六十都市でドットが開通し、企業ユーザー群が一定の規模に達し、全国をカバーし、世界とオンラインで結ばれた国の貿易経済専用ネットワークが初歩的に形成され、中国の対外貿易経済発展の重要な構成部分となっている。

 これは主として次のいくつかの方面で具現されている。

 政府クラスの電子ビジネスの総体的枠組みが基本的に確立された。政府クラス電子ビジネスは、基準化システム、安全システム、政府管理システム、対外経済貿易情報システムからなっている。現在までのところ、この四大システムの建設は一応の規模に達し、実際の応用段階に入った。来年対外貿易経済合作部は、一月一日から輸出商品の入札、輸出入シェアライセンスの発給、輸出入ライセンスの申請、加工貿易の審査・認可などすべての対外経済貿易活動をインターネットで行うことを要求した。これは発展途上国では初めてのことである。

 企業クラス電子ビジネスの発展案が初歩的にまとめられた。企業クラス電子ビジネスは、企業がコンピューター技術とネットワーク技術を利用して、その他の企業、ユーザーとの商業活動を実現することを指す。これには企業内部、企業と企業の間、企業と政府間の貿易運営と管理の電子化、ネットワーク化の実現が含まれる。中国国際電子ビジネス・センターの努力の下で、一部の大型運輸企業は企業クラス電子ビジネスの実験に成功した。多くの中小企業、ひいては一部の民営企業は、すでに電子ビジネスを通じて新たな市場を開拓し、新たなユーザーと知り合い、インターネットでの取引を実現した。

 このほか、対外貿易経済合作部はまたインターネットに対外貿易経済合作部のウェブ、中国商品取引市場、中国技術輸出交易会、オンライン中国輸出商品交易会などのウェブを設立し、中国の国際電子ビジネスの発展と対外交流を促進した。

 人々はインターネットを通じて、時間と力をはぶくショッビングの方法を発見した。オンライン・ショッピングがますます盛んにより、十月二十二日、中国の最大のインターネット・スーパーマット  チョモランマ・ウェブは同ウェブの第2・四半期の売上データ分析報告を公表した。

 七月一日零時から九月三十日零時まで、オンライン売上高は八百二十万元に達した。そのうち、七月は百八十万元、八月は二百六十万元、九月は三百八十万元である。この四半期の広告収入は三十七万元で、第1・四半期の四・七倍であった。製品販売量は第1・四半期の十一倍であり、その中に、ソフトウエア二万余種、書籍十万種、録音映像一万種、コンピューター数百種および周辺部品、さらに一部の電器、オフィス用品、消費品、草花があった。会員は十万人に達し、三倍増えた。一日の取引は六千口で、取引量は三・四倍増えた。オンライン消費は好奇心を持つ消費から正常な消費と周期的な消費に変わり、また何回も購入するユーザーが多く現れた。上海、広州地区のユーザーはそれぞれ二・三%、〇・二%から一八%と一五%へと大幅に増えた。

 現在、電子ビジネスの物理ネットワークとその他のインフラが基本的に完備し、中国で電子ビジネスを発展させるチャンスが到着しつつある。数千年続けられてきた伝統的な貿易方式と経済活動方式が、二十一世紀の最初の十年間に革命的な改変が生ずることが期待できる。

障害と対策

 電子ビジネスは金融、税関、税務、法律、市場進入(電信インフラ、情報技術、技術基準)など貿易活動と密接な関係のある多くの面に及んでいる。電子ビジネスの時間と空間に跨る特性は、世界的範囲から考慮することを決定づけ、そのうちの関税、知的所有権、電子支払い、技術基準などの重要な問題に対しては、国際間で協調を行う必要がある。

 電子ビジネスを発展させる過程で、発展途上国と先進諸国の間に存在している主な差は技術水準、応用水準、管理水準の差であり、これは観念と法律意識の差でもある。現在、中国の電子ビジネスの発展に影響する最大の障害は技術問題ではなくて、観念の認識、組織の企画、法律の基準、応用の規模、普及と養成など応用を推し広める問題である。

 国務院発展研究センター技術経済部研究員のケ寿鵬氏は、中国が電子ビジネスを大規模に発展させることが少なくとも七つの方面に障害があると見ている。

 一、ショッピングの観念と方式が遅れている。中国では、伝統的な買物の習慣は「目で見て、手で触り、耳で聞き、口で味を試す」ことであり、ネットワーク利用のショッピングは直観的ではなく、安全ではないと考えられている。最新の調査によると、ネットワークで金融取引をしないと表明した者は八六%、ネットワークを利用してショッピングする考えがないと表明した者は八八%に達した。

 二、電子ビジネスの商業環境がない。現在、中国の商業活動は基本的には手作業で、商店の取引の頻度は高いが、一口当たりの取引額は小さく、ネットワークで取引をする必要がないようである。

 三、ネットワークのインフラが完備されていない。電子ビジネスの基礎は商業と金融の電子化である。現在、全国的な金融ネットワークはまだ形成されていない状態で、金融業自体の電子化がまだ実現されておらず、商業の電子化が金融の電子化に遅れ、電子ビジネスの生存と発展の空間を制約している。

 四、インタネットの質の向上が待たれている。電子ビジネス普及の技術的障害は、主としてネットワークの伝送速度と信頼性に表れている。現在の中国のインタネットの伝送速度が低く、しばしばネットワークがふさがる現象が現れる。同時に、ソフトウエア、線路、システムなどの面でさまざまな不確実要素が存在している。

 五、ネットワークの安全と秘密保持は、まだ整備が必要である。ネットワークを利用して電子ビジネスの価格問い合わせ、成約、契約締結を行う場合、多くの商業的秘密と公衆のプライバシーにかかわってくる。普通の技術手段で商業ウェブからクレジットカードのナンバーと暗号を簡単に手に入れた者もいる。

 六、管理体制と運営メカニズムがスムーズではない。現行の情報産業管理体制にまだ計画経済の烙印がはっきり残っており、過度の集中と独占は市場の競争を制約し、電子ビジネスを全社会に普及し、応用するのを妨げている。

 七、公衆に電子ビジネスの知識と技能が欠如している。中国は発展途上国であり、多数の人の文化素質が高くない。近代的な通信とネットワーク技術が日進月歩し、多くの人は知識と技術の発展についていけない。

 一九九八年七月、中国の対外経済貿易企業の電子ビジネス応用状況に対しサンプリング調査を行ったが、その結果によると、七〇%の企業は、現在電子ビジネスの展開を妨げる最大の障害が電子ビジネスに対する系統だった理解が足りないことであると表明した。多くの企業は、電子ビジネスの真の意味が分からず、それが新たな貿易方式として企業の経営者と管理方式にどのような変革をもたらすかを知らない。

 ケ寿鵬氏は、政府は電子ビジネスの応用を推進する中で、取って代わることのできない重要な役割を果たしていると見ている。当面、政府は電子ビジネスの発展を正しく導くべきであり、地元の条件に合わせなければならず、発達した地域が一歩先行し、発達していない地域が適時についていくようにする。実際の効果を重視し、大きく起伏して、国と社会資源に浪費をもたらすのを避けなければならない。

 呉基伝情報産業部部長は次のように述べた。

 中国の電子ビジネスの発展を加速するため、情報産業部の当面の急務は、総体的戦略、発展企画、発展措置、技術体制の基準および関係法律・法規を含む電子ビジネスの発展の総体的枠組みの研究、制定を急ぎ、電子ビジネスを始めから規範化した、秩序ある発展の軌道に乗せることである。伝統的観念の影響と科学文化素質の制約は、当面中国における電子ビジネスの普及、応用を妨げる重要な要素である。このため、社会宣伝に大いに力を入れ、政府の垂範と指導を強化しなければならない。

 現在実施している「政府ネットワーク・プロジェクト」は、事務費用を減らし、政府活動の効率と透明度を高めるのに役立つと同時に、電子ビジネスの中国での普及と応用に対し重要な垂範の効果を挙げ、中国がネットワーク社会に入る幸先のよい第一歩となると思われる。

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