偽造人民元を一掃

 一九九九年四月のある日、四川省遂寧市の王貴と言う人が成都双流国際空港から慌ただしく広州に飛んだ。翌日、よく包装された小包がある貨物輸送会社の長距離貨物輸送倉庫に送り込まれた。数日後、この神秘的な小包を成都に急ぎ戻った王貴が家に持って帰った。五月、王貴とその子分の七人からなるグループは法の網にかかった。関係方面の調査の結果、四重に包装された小包の中に四十数万元にのぼる偽造人民元が隠されていることが分かった。このグループは数年前から、広東省から偽造紙幣を購入して成都で売りさばき、これまでに、売りさばかれた偽造人民元は少なくとも二百万元にのぼった。

 傷ついた人民元のイメージ

 ひところまえ、ある専門家が実験を行った。本物の人民元と偽造人民元をそれぞれ一枚持って、九人に鑑別してもらったところ、真偽をはっきり鑑別したのは二人だけで、その他の人たちはそれを見抜けなかったそうである。

 国務院偽造紙幣一掃合同会議弁公室の責任者によると、経済活動の中での現金取引額が絶えず増えるにつれ、偽造紙幣を製造、販売する犯罪活動は正常な金融秩序をゆゆしく撹乱し、国や人々の根本的利益と人民元のイメージに損害を与えた。

 公安部が摘発した偽造紙幣事件から見ると、偽造人民元の中には台湾版、アメリカ版のほかに、広州版、北京版、河南版、浙江版がある。

 中国人民銀行の関係筋によると、現在、九〇%以上の偽造紙幣はオフセット印刷で、異なった版は百七十以上に達する。

 偽造紙幣の量、種類がだんだん増え、偽造紙幣製造がますます隠ぺい化され、製造技術も絶えず向上しているため、偽造紙幣の取り締まりは困難になっている。一九九九年一月、広州市天河区で行われた中国福祉宝くじの発行期間に、わずか二日のうちに八千万元にのぼる宝くじを売れたが、受け取った紙幣の中の六万元は偽造紙幣であった。そのうちほとんどの偽造紙幣は本物そっくりで、すかし模様、金属の線、蛍光反応が皆そろっていたため、普通の偽造紙幣判定機ではこれを鑑別することはできなかった。その結果、銀行は百名の専門技術者を繰り出して現場で人民元の真偽を鑑別させざるを得なくなった。

 一九九六年、台湾の警察が摘発した人民元偽造事件で、押収された偽造紙幣は普通の偽造紙幣判定機でさえ鑑別できず、ほとんど本物と見分けがつかず、高い度数の虫めがねを使って人物の絵の目玉の部位を観察することでやっと見分けつくのであった。

 紙幣偽造の犯罪

 近年、一部の犯罪者は農民が穀物を売る時、高値と現金をむさぼり求めることを利用して、農民の収穫が終えると、お急ぎで大型トラックを運転して、昼間は調べて没収する人がいることが恐いと偽わって、夜の物をはっきりと判別できな時に、詐欺行為を働いているのである。この人たちはすべて大きな金額の人民元(ニセ札)で支払い、穀物を売る農民に小さな額の本物の人民元でつり銭を払わせた。その結果、高値で穀物を売りたい農民は犯罪者に穀物だけでなく、本物の人民元までもだまし取られることになったのだ。

 関係筋によると、当面の中国における偽造紙幣犯罪は金額が大きく、手段が悪質で、損害もひどくて人々ははらはらしている。紙幣偽造・販売事件の大事件、重大事件が急増し、押収された偽造紙幣の額もきわめて大きくなっている。

 関係データが示しているように、各地の公安部門は一九九〇年、偽造人民元を計千七百四十万元も押収し、一九九二年には、全国で八千三百万元を押収し、一九九八年に押収された千万元以上の特大級偽造紙幣事件は五件もあり、一九九八年十月から一九九九年三月にかけて、広東、北京、上海、武漢、ハルビンなど五つの省・直轄市のみで摘発された巨額紙幣偽造事件は百六十件に達し、偽造紙幣総額は一億元を上回った。

 伝えられるところによると、偽造紙幣の主な製造地は台湾にあり、台湾を源とし、東南沿海地帯が集散地となり、河南省、江西省、安徽省、湖南省、湖北省、四川省などの中継地を経て、全国各地に流入している。

 このほか、内陸部の紙幣偽造のアジトも年を追って増えており、偽造犯罪活動はだんだんグループ化している。一九九五年から現在までに、計二十以上の特大級ニセ札製造のアジトが捜査され、摘発された額も日増しに増えている。これらのアジトのほとんどには設備と一部専門要員がおり、グループでやっているのである。

 一九九六年、台中市の警察は特大級の人民元偽造事件を摘発し、犯罪者四人は合わせて百元札の偽造人民元を百十二億元も製造し、その場で押収された偽造紙幣は一億元に達し、関係方面は約二千万余元が大陸部に流入したものと推定している。

 一九九九年一月十八日、広東省の警察は台湾からきた漁船の中から七千四百万元の偽造人民元を押収した。これはこれまでのところ全国最大の紙幣偽造事件である。

 公安部門は偽造紙幣であるとはっきり知っていながらも、運を試して見ようと使うことが偽造人民元がはん濫する原因の一つであると指摘している。一部の個人経営者は事後に、顧客から偽造人民元を受け取ったことに気が付いても、いつも機会を見て他の場所でどさくさまぎれにうま味を吸おうとその偽造紙幣を使おうとしている。これは金融秩序に影響を及ぼすだけでなく、偽造紙幣を販売するゆがんだ風習を助長することになった。

 偽造紙幣を一掃

 中国人民銀行の関係責任者によると、同銀行は早くも十二年前に、偽造紙幣一掃指導グループを設置した。一九九四年における国務院の偽造紙幣一掃合同会議第一回会議が開かれてから、国務院偽造紙幣一掃合同会議制度も確立され、全国の三十一の省・自治区・直轄市でも偽造紙幣一掃指導グループが設置された。現在、中国人民銀行は国務院の委託を受けて、国務院偽造紙幣一掃合同会議の召集者として、各地区、各部門の偽造紙幣一掃の責任を担っている。

 法律上、一九九七年に実施され始めた新しい「刑法」では、紙幣を偽造、販売する行為に対して規定を行い、密輸と偽造紙幣であることをはっきり知っていながら依然としてそれを使うなどの行為に対して厳しく罰し、犯罪の額が極めて大きく、犯罪の情状が重大である犯罪者に対しては、死刑に処すると規定している。

 北京市は人民元偽造グループの重要な拠点の一つで、近年、偽造紙幣の一掃は北京市公安局の重要な任務となっている。一九九八年から一九九九年四月にかけて、北京市公安局は人民元偽造・販売事件を計二百二十一件も摘発し、容疑者を四百四人逮捕し、偽造人民元千五十五万余元を押収した。

 一九九九年、人口の流動がかなり大きな北京西駅で摘発された紙幣偽造事件は十件にのぼった。一九九九年一月一日から十五日にかけて、北京市鉄道局はその管轄下の北京、天津、河北、山西など四つの省・直轄市を貫く八千キロに及ぶ沿線地帯で紙幣偽造事件を十四件摘発し、偽造紙幣二百五十万元を押収した。

 偽造紙幣一掃の技能を高めるため、近年、国家紙幣印刷部門は前後して五色の印刷用蛍光インク、縮写された安全線(糸)とホログラフィー像の紋様など世界の先進的なニセ物防止技術を研究・開発、導入し、また前の二種類の技術を一九九〇年版の五十元札、百元札の人民元に応用してかなりよい偽造物防止の効果が現われた。それと同時に、偽造物防止判定機の研究・開発、生産、運用の面で突破的進展を遂げた。一九九八年七月一日、中国人民銀行と国家技術監督局がともに「偽造人民元の偽造紙幣判定機に関する国家基準」を制定、公布し、偽造物防止判定機の生産を規範化し、品質の向上を促した。

 紙幣偽造犯罪を取り締まることに力を入れると同時に、市場における現金流通量を減らし、市場での偽造紙幣の流通量を最低限に減らすため、銀行部門は現金取引からキャッシュレスへの転換を展開することに力を入れている。

 その他、公安部門は偽造紙幣一掃はすべての人が自分自身から始めるべきだと呼びかけている。関係筋は偽造人民元を手に入れた際、中国人民銀行の規定に基づいてそれを処理すべきで、金融部門と公安機関以外のいかなる部門と個人も偽造人民元を没収するかまたは廃棄する権利はないと注意を与えた。各商業機構とその他の部門は銀行に協力して偽造紙幣を追及、押収する義務を担っている。日常の現金収支業務を取り扱う部門は、金融機構の委託を受ける状況の下で銀行に代わって偽造紙幣を没収することができる。

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