呉邦国副総理、世界経済フォーラムで演説
呉邦国国務院副総理は一月二十九日ダボスにて開かれた世界経済フォーラムで、「二十一世紀に邁進する中国経済」と題する演説を発表し、中国の経済発展の情勢を紹介し、次のように述べた。
中国の当面の経済情勢は素晴らしいものである。一九九九年の経済成長率は一九九八年よりやや低かったとはいえ、経済構造はさらに最適化に向かい、経済収益は明らかに向上した。人民元の為替レートは安定し、国の外貨準備高は千五百億ドル余りに達し、都市・農村住民の生活レベルは引き続き改善されている。
(二十一世紀における中国経済の発展戦略について)中国は八〇年代の初めに三つの段階に分けて進むという発展戦略を定めた。前の二つの段階の戦略的目標はすでに繰り上げて達成された。中国は今から第三段階の戦略的目標、つまり次の世紀の中期までに一人当たりの国内総生産(GDP)が中進国のレベルに達し、基本的に現代化を実現し、富強、民主、文明の社会主義国を築き上げるという目標に向かって歩み出した。第三段階の戦略的目標は、次の世紀の前十年にGDPが二〇〇〇年の倍増になるようにし、年平均成長率は約七%を保つことである。
これからの経済発展の戦略的重点は、経済構造に対し戦略的調整を行い、国内外の市場の需要によってけん引し、科学技術の進歩とイノベーションに頼って産業の最適化とグレードアップを促すこと、交通、エネルギーと水利などのインフラ建設を引き続き強化すること、農村の経済構造を調整し、最適化させ、農産物・副業生産物加工をめぐって農村商工業の発展と向上を速めること、小都市を積極的に発展させ、機能がよく、配置が合理で、規模が調和する都市体系を逐次形成させること、西部地区大開発の戦略を実施し、西部地区の発展を速めるだけでなく、中国の東部地区と中部地区に大きな市場を提供し、発展の前途を明るくし、全国経済のより大きな繁栄を促進することである。
改革・開放は中国の長期にわたる基本国策である。中国は確固として改革を推進し、開放を拡大していく。中国の経済改革の目標は社会主義市場経済体制を確立することであり、経済改革の中心としての環は現代企業制度の確立を目標とする国有企業の改革である。中国は経済グローバル化の趨勢に順応し、国際経済の協力と交流により積極的に参加し、全方位、多段階、広い分野の対外開放の枠組をさらに完全なものにし、国内外の二つの市場、二つの資源をよりよく利用して国民経済の発展を促していく。
中国の発展は世界を離れることができず、世界の繁栄も中国を必要としている。今後の十年間、中国は引き続き大規模な現代化建設をすすめ、固定資産投資は年平均一〇%以上伸び、輸入の累計総規模は二兆ドルを上回り、世界経済成長の最も速い国と潜在力の最も大きい市場の一つとなるであろう。
中国がWTOに加盟すれば、権利を享受すると同時に、相応の義務を負う。中国はエネルギー、交通、通信などのインフラの開放をいっそう拡大し、段どりを追って、外国業者が金融、保険、観光、商業小売、対外貿易、法律コンサルタントなどの分野に投資することにより多くの機会を与えるように努めていく。
中国の発展と改革開放の推進は必ず世界各国と中国との経済貿易と経済協力の発展に明るい見通しをもたらすであろう。中国の今後の大きなビジネス・チャンスは中国の企業家たちに属するだけでなく、先見性と気迫を持ち、中国に投資して企業を経営することを志す企業家にも属するものである。