一九九九年度国民経済・社会発展に関する統計公報

中華人民共和国国家統計局

2000年2月28日

 一九九九年、複雑な内外の政治・経済環境を前にして、全国各民族人民は党中央、国務院の正しい指導のもとで、内需拡大を主とする一連の方針と政策を真剣に貫徹、実行し、数々の困難を克服し、精力を集中して経済建設をりっぱに進め、精神文明建設の強化に努めて、経済・社会発展の新たな成果をあげ、発展と改革の諸目標を実現した。

 一、総合

 国民経済は安定成長を保った。年間の国内総生産(GDP)は八兆二〇五四億元で、前年より七・一%伸びた。そのうち、第一次産業増加値は二・八%増の一兆四二一二億元、第二次産業増加値は八・一%増の四兆八〇六億元、第三次産業増加値は七・五%増の二兆七〇三六億元であった。年間の社会労働生産性は一万一六七七元で、前年より六・三%向上した。

 市場価格の総水準は引き続き低下した。年間の住民消費価格の総水準は前年より一・四%低下し、多くの商品の価格は前年より下がった。そのうち、食品は四・二%、衣類は二・七%、家庭用設備と用品は二・三%、交通と通信手段は五・五%それぞれ下がったが、サービス項目の価格は一〇・六%上がった。年間の社会商品小売価格の総水準は前年より三%低下した。

 労働就職活動はさらに強化された。年末現在の全国従業者数は七億五八六万人で、前年末より六二九万人増えた。そのうち、都市部の従業者数は二億一〇一四万人で、三三六万人増えた(都市部の私営・個人経営の従業者数は三九四〇万人で、七〇八万人増えた)。再就職プロジェクトは新たな進展を遂げた。年間の国有企業一時帰休者は五六四万人新規増加し、さまざまな方途を通じて再就職を実現した一時帰休者は四九二万人に達し、定年退職および自然死亡などで三二万人減少した。年末現在の国有企業の一時帰休者は六五〇万人で、前年末より四〇万人増えた。年末現在の都市部の登録失業率は三・一%で、前年とほぼ同じである。

 人民元の為替レートは安定し、外貨準備高は引き続き増加した。年末現在の国の外貨準備高は一五四七億ドルで、前年末より九七億ドル増えた。年末現在の為替レートは一ドル=八・二七九三元で、前年末より四ポイント低下した。

 国民経済と社会発展に存在した主な問題は、社会の有効需要が不足したこと、経済構造の不合理な矛盾が依然として突出したこと、社会の就職圧力が大きくなったこと、農民の収入増がスローダウンしたことである。

 二、農業

 一九九九年、農業生産は引き続き全面的に発展し、農作物栽培業の構造がいくらか調整された。

 食糧総収量は大体安定が保たれた。年間の食糧総収量は五億八〇〇万トンで、前年より三九七万トン減産し、〇・八%低下した。そのうち、夏季取り入れ食糧と早稲は五七〇万トン増産したが、秋季取り入れ食糧は秋になってから、北部地区がひどい干ばつに見舞われたため、かなり減産した。

 主な工芸作物のうち、綿花、製糖原料、黄・紅麻は減産し、その他はすべて増産した。作付面積が調整後減少した要素の影響を受けて、年間の綿花生産量は三八三万トンで、前年より一四・九%減産し、製糖原料生産量は八四〇〇万トンで、一四・二%減少した。搾油原料、果物、茶の生産量は引き続き増加した。年間の搾油原料生産量は二六〇〇万トンで前年より一二・四%伸び、果物生産量は六一〇〇万トンで一一・九%伸び、茶の生産量は六八万トンで二・三%伸びた。野菜の栽培面積は持続的に増加し、年間の実際栽培面積は一三一一万ヘクタールで、前年より七%増えた。

 牧畜業と漁業は引き続き発展を遂げた。年間の肉類総生産量は五九五三万トンで前年より四%伸び、水産物総水揚げ量は四一〇〇万トンで五%伸びた。

 植樹造林は新たな進展を遂げた。年間に完成した造林面積は四八〇万ヘクタールで、農地を樹林と草原に戻す活動はいっそう重視された。

 農地水利建設はいちだんと強化され、大きな河川の整備プロジェクトは順調に進み、農業の洪水防止と干害抵抗能力は増強された。

 三、工業と建築業

 一九九九年、各方面が国有企業の改革と発展に関する中央の一連の政策と措置を真剣に貫徹、実行した結果、国有企業の改革と調整はかなり大きな一歩を踏み出し、工業生産の運営の質もいくらか向上した。

 国有企業の戦略的再編は初歩的な成果をあげた。重点業種では多くの大型企業グループが設立され、軍需産業では核工業、宇宙飛行、航空、船舶、兵器などを含む十大企業グループが設立され、非鉄金属工業ではアルミニウム、銅・鉛・亜鉛、希有金属の三大企業グループが設立され、情報産業の四大グループは目下設立中である。繊維、石炭、冶金、軍需産業など業種の構造調整と再編が加速され、条件にかなった一部の企業は債権から株主権への転化を実行し始め、資産負債構造は改善された。

 工業生産は持続的安定成長を遂げた。年間の工業増加値総額は三兆五三五七億元で、前年より八・五%伸びた。そのうち、国有工業企業および年間の製品売上高が五〇〇万元以上の非国有工業企業(規模以上の工業企業と略称、以下同じ)の増加値は二兆三〇七億元で、八・九%伸びた。規模以上の工業企業のうち、国有企業および国有持株企業は一兆一六〇三億元で七・四%伸び、集団企業は三四六二億元で七%伸び、株式制企業は二九八六億元で一一・二%伸び、外資企業と香港・澳門・台湾資本企業は四二〇一億元で一二・九%伸び、その他の経済類型の企業は七七五億元で一三・三%伸びた。重工業と軽工業を分けて見ると、年間の軽工業増加値は八六九〇億元で八・三%伸び、重工業増加値は一兆一六一七億元で九・三%伸びた。

 工業の構造調整は積極的な進展を遂げた。石炭業種は炭鉱を閉鎖して石炭生産量を抑える面で成果をあげた。年間に閉鎖された不法と不合理な小炭鉱は三万一〇〇〇カ所に達し、郷鎮企業が経営する炭鉱の生産量を二億五〇〇〇万トン減少し、年初に打ち出した炭鉱を閉鎖して石炭生産量を抑えるという目標を達成した。繊維業種は綿紡錘を累計九〇六万錘削減し、一年を繰り上げて紡錘削減の目標をほぼ達成した。冶金、建材、非鉄金属、石油化学などの業種は設備が旧く、技術が立ち遅れ、製品の質が悪く、汚染がひどく、エネルギーの消費量が高い小型企業を閉鎖した。市場で供給過剰の一般消費財、一部の機械・電子製品の生産の伸びがいくらかスローダウンした。同時に、国内では一部の品不足製品を発展させ、増産し、特にハイテク産業の発展は明らかに速くなった。マイクロ・コンピューター、移動通信設備、プロセス制御電話交換機などの生産は前年より一二ないし四三・六%伸びた。

 生産と販売の接続状況はいくらか改善された。年間の規模以上の工業製品販売率は九七・一六%で、前年より〇・五六ポイント上昇した。工業新製品生産額は前年より一二・一%伸びた。

 工業の経済効果は著しく改善された。価格が持続的に低下する状況の下で、規模以上の工業企業が年間に達成した売上高は六兆七五三五億元で前年より一〇・二%伸び、企業の損益を差し引いて創出した利潤は二二〇二億元で五二%伸びた。欠損企業の欠損額は一三〇〇億元で、一五・二%下がった。工業企業の経済収益の総合指数は九九・三%で、前年より八・四ポイント上昇した。国有工業企業は赤字を黒字に変える仕事に転換的変化が起こり、多くの大中型欠損国有企業は苦境から抜け出し、繊維、建材、非鉄金属、鉄道、民間航空などの業種は赤字から黒字に転じ、東北三省などの一部の旧い工業基地の大中型国有工業企業は長年続いた欠損状態から抜け出した。一九九九年、全国の国有企業および国有持株企業の損益を差し引いて創出した利潤は九六七億元に達し、前年より七七・七%伸びたが、これはここ五年来の最高水準である。欠損企業の欠損額は八五一億元で、一五・九%下がった。年末現在の完成品在庫量は三四四一億元で、前年末より二・二%増えた。しかし、一九九九年の工業企業の経済効果の改善はある程度回復の性質を帯びたもので、一部企業の収益はまだ理想的ではなく、欠損企業の欠損額は相変わらず大きい。

 建築業の生産は安定して伸び、経済効果はいっそう好転した。全社会の建築業の完成した増加値は五四五〇億元で、前年より四・六%伸びた。全国の四級とそれ以上の建築業企業の創出した利潤は一二一億元で三・四%伸び、納税総額は三二二億元で六・七%伸びた。建物施工面積は一四億一〇〇〇万平方メートルで、前年より三八七七万平方メートル増えた。建物の竣工面積は六億七〇〇〇万平方メートルで、一五〇一万平方メートル増加した。建築業の欠損企業は九二二一社で、前年より三九一社減少した。

 地質探査はわりによい成績を収めた。年間の一対五万区域地質調査は一一万三〇〇〇平方キロ完成した。新たに発見された鉱床は一八五カ所であった。四一種の鉱産物の確認済み埋蔵量は新規増加したが、そのうち、石油は六億六〇〇〇万トン、天然ガスは九二七億立方メートル、原炭は四億トンであった。地質探査は機械コア・ボーリング作業量を三三五万メートル完成した。

 四、固定資産投資

 一九九九年、国の積極的財政政策の継続実行、長期国債の増発、投入の増加の推進の下で、固定資産投資は全般的に増加の趨勢を引き続き保った。年間の全社会固定資産投資額は前年比五・二%増の二兆九八七六億元に達した。経済類型から見れば、国有とその他の経済類型の投資は二兆一七一九億元で六・一%伸び、集団経済の投資は四一九〇億元で前年並みであり、住民の個人投資は三九六七億元で六%伸びた。投資管理ルートから見れば、基本建設投資は一兆二六一九億元で五・九%増え、更新・改造投資は四四一九億元で二・二%減り、不動産開発投資は四〇一〇億元で一一%増えた。都市のインフラと住民の住宅建設はともに新たな発展を見せ、農村の送電網改造は積極的成果をあげた。

 投資構造は引き続き改善された。国有とその他の経済類型の投資のうち、第一次産業(水利業を含む)への投資は八〇四億元で、前年比二二・六%増え、第二次産業への投資は七一六七億元で、〇・九%減り、第三次産業への投資額は一兆三七四八億元で、九・三%増えた。

 全国の基本建設投資で新規増加した主な生産能力は、採炭年間二〇七〇万トン、大中型発電ユニット容量一七〇三万キロワット、一一万ボルト以上の変電設備能力(一一万ボルトを含む)六六四六万キロボルトアンペア、そのうち、都市・農村の送電網改造は三二三四万キロボルトアンペア、採油能力年間一六一八万トン、天然ガス採掘年間二四億立方メートル、新規建設した鉄道幹線の運行距離一〇四〇キロ、新規建設した鉄道複線の運行距離一二九三キロ、電化鉄道の運行距離六〇七キロ、新規建設した高速道路二六七二キロ、新規建設(拡張)した万トン級埠頭の年間荷役能力一八六九万トンであり、全国で二〇〇二の県(市)で農村送電網の改造が行われ、送電を始めた線路は三五万七〇〇〇キロである。

 五、教育と科学技術

 一九九九年、各級各種の教育事業は大きな発展を遂げた。高等教育の学生募集数は大幅に増え、大学の管理体制改革は重要な進展を見せた。高等職業教育は発展に向かって一歩を踏み出し、普通高校の生徒募集数はわりに多く増加した。同時に、資質教育、義務教育、識字教育などは着実に推し進められ、学齢前教育、特殊教育は重視を受けた。各級各種の職業技術教育は好ましく発展し、社会の力による学校運営は引き続き発展している。

 年間に普通大学は一六〇万人の学生を募集し、前年より五一万人増え、在学生は四一三万人であった。成人大学は学生を一一六万人募集し、在学生は三〇六万人であった。全国の大学院生の育成機構は学生を二万人増の九万人募集し、在学生は二三万人であった。全国の普通高校は生徒を三七万人増の三九六万人募集し、在校生は一〇五〇万人であった。各種の中等職業技術教育学校は生徒を四八一万人募集し、在校生は一四四三万人であった。全国の中学校は二一八三万人の生徒を募集し、在校生は五八一二万人で、中学の入学率は八八・五%に達した。小学校は生徒を二〇三〇万人募集し、在校生は一億三五四八万人で、適齢児童の入学率は九九・一%に達した。特殊教育学校は生徒を五万人募集し、在校生は三七万人であった。幼稚園の園児は二三二六万人であった。全国の各種成人技術訓練学校は学生を延べ一億一五七万人育成した。全国で二九九万人が読み書きできるようになった。

 一九九九年、国は科学教育による国家振興の戦略実施にいちだんと力を入れ、新技術開発を推し進め、ハイテクを発展させて、科学技術の産業化を加速した。

 科学研究と新技術開発は新たな進展を遂げた。年末現在全国では科学技術活動に従事する人数は二七一万人で、そのうち科学者と技師は一五〇万人であった。全国の科学技術活動経費の支出総額は一二五〇億元で、前年より一〇・八%伸びた。国は年間に六六三件の重点新技術開発プロジェクトと一三二九件の新製品テスト生産を組織し、二六件の重要的な技術装備の開発と鑑定・検収を完成した。年間に省・部クラス以上の重要な科学技術成果を二万九五〇〇件あげ、国の奨励を獲得した成果は六〇二件であった。年間に衛星打ち上げに四回成功した。とりわけ独自に開発した初めての宇宙船「神舟」号の打ち上げに成功したことは、中国の有人宇宙飛行事業の発展が重要な一歩を踏み出したことを示している。年間に受理した内外の特許出願は一三万四二四〇件で、権利を授けられた特許は一〇万一五四件で、それぞれ前年より一〇%と四七・五%増えた。

 品質、基準化、計量作業、天気予報などのサービスはいちだんと強化された。全国の製品品質検査機構は五五〇〇カ所に達し、そのうち、国家検査センターは二二九カ所であった。法定計量技術機構は四三九三カ所あり、年間に二一六八万台(件)の計量器具を強制的に検定した。国家基準は九〇〇件制定、改正され、そのうち、強制的国家基準は一七二件、新規制定した基準は四七七件であった。全国の都市・農村に天気予報・警報サービス網と送信所が一一一八カ所あり、衛星雲図受信所が二七七カ所あった。全国に地震観測所が一二八五カ所あり、遠隔測量所網が二八カ所あった。海洋観測モニタステーションは六七二カ所あり、二〇八六万件の海洋データを獲得した。測量製図部門は一三四四種の地図と三一〇種の図書を公開出版した。

 六、交通と郵便・電信・電話業

 交通運輸と郵便・電信・電話は引き続き安定成長を遂げた。一九九九年の交通運輸と郵便・電信・電話業の達成した増加値は四四六〇億元で、前年より九・三%伸びた。

 年間の各種輸送手段の完成した貨物輸送量は四兆一一七〇億トンキロで、前年より八・二%伸びた。そのうち、鉄道は一兆二八四一億トンキロで二・六%増、自動車道路は五七九三億トンキロで五・六%増、水運は二兆一八五七億トンキロで一二・六%増、民間航空は四二億三〇〇〇万トンキロで二六・五%増であった。完成した旅客輸送量は延べ一兆一二五〇億人キロで、前年より五・七%伸びた。そのうち、鉄道は四一三一億人キロで九・三%増、自動車道路は六一四五億人キロで三・四%増、水運は一一七億二〇〇〇万人キロで二・五%減、民間航空は八五七億人キロで七・一%増であった。沿海主要港の完成した荷役量は一〇億四〇〇〇万トンで前年より一三%伸び、そのうち、貿易商品荷役量は三億八〇〇〇万トンで前年より一一・八%伸びた。

 郵便・電信・電話業務総量は三三一一億元で、前年より三二・一%伸びた。年間に新規増加した電話局用交換機は二三〇〇万回線で、総容量は一億六〇〇〇万回線に達した。全国の電話普及率は百人当たり一三台に達し、前年より二・五台増え、そのうち、都市部の電話普及率は百人当たり二八・四台に達し、農村の七九・八%の行政村に電話が通じるようになった。移動電話ユーザーは百人当たり三・五台に達した。全国のインターネットユーザーは八九〇万戸に達した。

 七、商業

 一九九九年、国が都市部の低所得の住民の収入を増やし、消費ローンを拡大し、若干の消費制限政策を廃止し、銀行が連続して利率を引き下げたなどさまざまな要素に促されて、国内市場の商品販売は安定を保ちながら活況を呈した。年間の社会消費財小売り総額は前年比六・八%増の三兆一一三五億元に達し、値下げの要因を考慮に入れると実質的に一〇・一%の伸びであった。都市・農村別で見ると、都市部の消費財小売り額は一兆九〇九億元で七・一%増、県および県以下の消費財小売り額は一兆二〇四三億元で六・三%増であった。業種別で見ると、卸し・小売り貿易業は七・一%増、飲食業は一三・六%増、その他の業種は三・三%増であった。生産財市場の取引はやや上昇し、全国の制限額以上の卸し・小売り業の生産財販売総額は前年比七・八%増の九三九二億元に達した。各種類商品取引市場は活況を呈した。

 重点的な卸し・小売り企業の経済効果は依然として低下した。全国の千三百社の重点的な卸し・小売り企業の正味売上高は前年比一%増の三三五六億元で、年間の利潤総額は前年比四〇%減の一二億元であった。

 八、対外経済

 一九九九年、国が輸出戻し税率の引き上げを含む一連の輸出奨励政策をとり、その上アジア金融危機が発生した国と地域の経済がちくじ回復に向かったため、中国の輸出は減少から増加に転じた。年間の輸出入総額三六〇七億ドルで、前年より一一・三%伸びた。輸出総額は一九四九億ドルで六・一%伸び、そのうち一般貿易の輸出は六・六%伸び、加工貿易の輸出は六・ 一%伸びた。輸入総額は一六五八億ドルで一八・二%伸びた。輸出入額を相殺すると、二九一億ドルの黒字であった。輸出商品構成はいくらか調整され、機械・電子製品の輸出は一四・七%伸び、輸出総額に占めるシェアは前年の三六・五%から三九・五%に上昇した。地域別で見ると、対アフリカ対アジアの輸出はそれぞれ一・三%、四・五%伸び、対ヨーロッパ、対北アメリカ、対オセアニアの輸出はそれぞれ六・一%、一〇・八%、一六%伸び、対中南美輸出は一%減った。

 外国直接投資は減少した。年間に認可した外国直接投資プロジェクトは一万七一〇〇件で、前年より一三・八%減少した。外国直接投資の実際払い込み額は四〇四億ドルで、一一・四%減少した。

 対外工事請負、労務協力、設計コンサンティング業務は引き続き増加した。年間に結ばれた契約額は一三〇億ドルで前年より一〇・四%増えた。完成した営業額は一一二億ドルで一〇・九%増え、年末現在の在外労務者は三十八万人で、前年末より三万人増えた。

 国際観光業はかなり速い発展を遂げた。年間に中国を訪れた海外観光客は延べ七二八〇万人で、前年より一四・七%増えた。そのうち一日以上の観光客は八%増の延べ二七〇四万人に達した。海外観光客のうち、外国人観光客は一八・六%増の延べ八四三万人で、香港・澳門・台湾同胞は一四・二%増の延べ六四二六万人であった。国際観光による外貨収入は一四一億ドルで、一一・九%増えた。

 九、金融、証券と保険業

 一九九九年、中国人民銀行は通貨政策の役割発揮に力を入れ、利率の引き下げと預金準備金率の引き下げといった措置をとって、通貨発行量を適度に増やし、年初に定められた金融規制目標を達成し、国民経済の発展を積極的に支持した。

 通貨発行量は適度に増加し、貨幣の流動性はいくらか向上した。国内の金融機構が人民幣を基準として行った統計によると、年末の広義通貨(m2)は一一兆九八九八億元で前年末より一四・七%伸び、狭義通貨(m1)は四兆五八三七億元で一七・七%伸び、市場の現金流通量(m0)は一兆三四五六億元で二二五一億元増え、二〇・一%伸びた。預金・貸付は安定して増加した。すべての金融機構の各種預金残高は一〇兆八七七九億元で、前年末より一兆三一六二億元増え、一三・七%伸びた。そのうち、企業の預金残高は一四・五%増の三兆七一八二億元に達し、都市・農村住民の貯蓄預金残高は一一・六%増の五兆九六二二億元に達した。預金の分流はいくらか速くなった。各種貸付残高は九兆三七三四億元で、比較可能な基準で計算すると、一二・五%伸びた。そのうち、中長期貸付残高は一五・七%増の二兆三九六八億元に達した。

 証券市場はいちだんと規範化され、発展した。年間に上海と深せんの証券取引所で九八銘柄のA株と一一七銘柄の端株を発行して、合計八七七億元を調達し、前年より一〇三億元増えた。B株とH株の発行を通じて外資を六億一〇〇〇万ドル導入した。A株の発行は一五億元の債券に転換することができる。年間に株の発行、売り出しを通じて九四一億元の資金を調達し、前年より一二%増えた。年末の国内上場公司(A、B、H株)の数量は前年末の八七六社から九七六社に増え、市価総額は二兆六四七一億元に達し、前年末より三六%伸びた。年間に国債を合計三七一五億元発行し、前年より四〇四億元増えた。

 保険事業は絶えず発展した。年間の保険料収入は一三九三億元(外資機構を含む)に達し、前年より一〇・二%伸びた。そのうち、財産保険の保険料収入は五二一億元、生命保険の保険料収入は七六八億元、健康保険と意外傷害保険の保険料収入は一〇四億元であった。各種保険金の支払額は五一〇億元に達し、そのうち、財産保険と短期生命保険の保険金支払額は三一八億元で、生命保険の保険金支払額は一九二億元であった。

 十、文化、医療衛生、スポーツ

 文化事業は比較的速く発展した。一九九九年末現在、全国に芸術公演団体が二六一四団体、文化館が二八九九カ所、公共図書館が二七六五カ所、博物館が一三七一カ所あった。放送の人口カバー率は九〇・四%、テレビの人口カバー率は九一・六%であった。全国の有線テレビ利用者は七七〇〇万戸に達した。年間に出版された全国紙、省紙は二〇一億部、各種雑誌は二九億冊、書籍は七三億冊(枚)であった。年末現在、全国に公文書保存館が三七三三カ所あり、開放された各種保存書類は四〇〇九万巻(件)に達した。

 医療衛生事業は絶えず発展した。年末現在、全国に医療衛生機構(診療所を含む)が三一万カ所、ベッド数が三一六万床あり、医療衛生要員が四四六万人であった。全国に衛生防疫と伝染病予防治療機構が五九〇〇カ所あり、衛生技術要員は二二万人であった。婦人幼児保健機構が二六三〇カ所あり、衛生技術要員は七万三〇〇〇人であった。農村では、診療所のある村は村総数の九〇%を占め、郷と村の医師と衛生員は一三三万人に達した。

 スポーツ事業は着実に発展した。内外の各種競技で、中国の選手は九二の世界チャンピオンを獲得し、一六人が二四種目の世界記録を五〇回更新した。一〇人が七種目のアジア記録を一六回更新し、四三人と三チームが五二種目の全国記録を六八回更新した。全国民保健活動がいちだんと展開された。

 十一、環境保全

 一九九九年、環境保全活動はいちだんと強化され、環境保全事業は加速的に発展した。

 年末現在、全国の環境保全分野で働く人は一一万六〇〇〇人おり、各級の環境モニタステーションは二一一一カ所、モニタ要員は三万六〇〇〇人に達した。自然保護作業は新たな成果をあげ、生態モデル区建設の試行部門総数は一五四に達した。全国に自然保護区は一一四六カ所あり、そのうち、国家クラス自然保護区は一三七カ所ある。自然保護区の総面積は八八一三万ヘクタールで、国土総面積の八・八%を占めた。環境法制建設は新たな進展を遂げ、法律の施行がいっそう強化された。年末現在、制定された各種の環境保全基準は四二六件に達した。年間に確立された建設プロジェクト環境影響評価制度の実行率は九〇・五%に達した。当年に稼働を始めた建設プロジェクトのうち、汚染防除施設のあるものは九五%を占めた。年間に環境汚染の期限付き防除プロジェクトを一万二〇一〇件完成し、総投資は七一億元に達した。全国の五三六都市に二三六四カ所の煙塵制御区が設けられ、面積は一万六〇〇〇平方キロに達した。四三一都市に環境騒音規制区が二〇四〇カ所設けられ、面積は八九七五平方キロに達した。

 重要な流域と区域の汚染防除作業が引き続き進められた。しん池流域にある一日当たり汚水排出量一〇〇トン以上の一四四社の汚水排出企業に対し期限付きで整備を行い、全流域に三億元近くの整備資金を投入した。巣湖流域にある一日当たり汚水排出量一〇〇トン以上の一〇九社の汚水排出企業に対し期限付きで整備を行い、全流域に二億二三〇〇万元の整備資金を投入した。しん池全流域と巣湖全流域の工業汚染物質の排出がほぼ基準に達し、水質がいくらか良くなった。

 汚染物総量抑制計画と世紀に跨るグリーンプロジェクト企画は秩序だって実施された。一九九九年一一月末現在、五二五件のプロジェクトが完工し、投資額は六八〇億四〇〇〇万元に達した。

 しかし、全国の環境情勢は依然として厳しいものである。ゴミ、農薬、化学肥料による汚染が比較的にひどく、生態系悪化の範囲が引き続き拡大され、一部地区の悪化状況がひどくなった。

 十二、人口と人民生活

 人口自然増加率は引き続き低下した。一九九九年の全国の出生人口は一九〇九万人、出生率は一・五二三%で、死亡人口は八一〇万人、死亡率は〇・六四六%であった。年間に実際に増加した人口は一〇九九万人、自然増加率は〇・八七七%で、前年より〇・〇七六ポイント低下した。年末現在の全国総人口は一二億五九〇九万人であった。そのうち、都市部の人口は三億八八九二万人で、三〇・九%を占め、農村人口は八億七〇一七万人で、六九・一%を占めた。〇歳から十四歳までの人口比例は二五・四%、十五歳から六十四歳までの人口比例は六七・七%、六十五歳以上の老齢人口の比例は六・九%、老齢人口は八六八七万人に達した。家庭人口は一戸当たり三・五八人であった。

 都市・農村住民の生活水準は引き続き向上した。国が国有企業の一時帰休者の基本的生活保障制度、失業保険制度、都市部住民の最低生活保障制度という三つの保障基準のレベルを高め、行政・事業体の従業員の賃金を適切に増やしたため、都市部住民の所得レベルは明らかに向上した。年間の全国都市部住民の一人当たり可処分所得は五八五四元、値下げの要因を考慮に入れると、前年に比べて実質的に九・三%伸びた。農村の貧困脱却扶助の難関突破活動は新しい成果を上げ、年間にまた八〇〇万人が貧困から脱却した。需給関係に変化が生じ、農産物の売れ行きがよくなく、価格が持続的に下落し、それに郷鎮企業の経済的収益が低下したことを加えて、農民の収入増がスローダウンした。年間の農村住民の一人当たり純収入は二二一〇元(そのうち、現金収入は一五三八元であった)で、値下げの要因を考慮に入れると、実質的に三・八%伸び、伸び幅は前年より〇・五ポイント低下した。住民の住宅条件は引き続き改善された。年間に都市部で完工した住宅面積は五億平方メートル、農村で完工した住宅面積は八億七〇〇〇万平方メートルであった。観光は住民の新しい消費のホットスポットとなり、年間の全国観光人数は延べ七億一九〇〇万人に達し、前年より三・六%増え、一人当たりの観光支出は二二七元であった。

 社会保障事業は強固になり、向上した。年末現在、九三%の国有企業の一時帰休従業員は再就職サービス・センターに入り、そのうち、九〇%の従業員は基本的生活費を受け取った。全国で九四三三万人の従業員と二九〇〇余万人の離職休養・定年退職者が基本養老保険に加入し、九九一二万人が失業保険に参加し、二一〇〇万人の従業員と離職休養・定年退職者が重病医療費の社会的プールと離職休養・定年退職者の医療費の社会的プールに参加した。一部の地区は基本医療保険制度を改革した。

 社会福祉事業は新たな発展を遂げた。年末現在、全国の各種社会福祉院のベッド数は一〇八万床で、八一万人を収容した。都市部で各種の地域社会サービス施設が一八万カ所建設され、そのうち地域社会サービス・センターが六五七二カ所あった。全国の六六七都市、一六八二県はすべて最低生活保障制度を確立し、合計五二五万七〇〇〇人が最低生活保障救済を受けている。年間に社会福祉宝くじを九一億元売って、社会福祉資金を二〇億元調達し、社会の寄付金を六億元受け取った。

 注

 1、本公報は初歩的な統計データである。

 2、香港と澳門特別行政区の統計データは本公報に含まれておらず、それぞれ香港と澳門特別行政区政府が公布する。

 3、各項の統計データには台湾省が含まれていない。

 4、GDP、各産業の増加値の絶対数は現行価格に基づいて計算し、伸び率は不変価格に基づいて計算した。

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