大進展をとげた住宅制度改革

 

 兪正声建設部部長は二月二十三日、国務院新聞弁公室の記者会見で、ここ二年来の住宅制度改革と住宅建設の情況について、記者の質問に答えた。

 都市部の住宅制度改革の深化と住宅建設の一連の政策と措置を打ち出し実施するにつれて、中国の住宅制度改革は引き続き着実に進展し、特に一九九八年と一九九九年に、中国の住宅制度改革は実質的な進展をとげた。ここ二年間に、多くの面で大きな突破があり、主として住宅の貨幣化分配を推し進め、収入の異なった家庭に対する新たな住宅供給体制を確立し、住宅市場システムを改善したなどがそれである。住宅建設が急速な成長の勢いを引き続き維持していることは、住民の消費を始動させ、経済成長を促すうえで、一定の促進的役割を果たした。

 住宅分配の貨幣化

住宅の実物による分配は現在、すでに全国的範囲で停止し、圧倒的多数の省・自治区はすでに貨幣化の分配案を打ち出し、三十五の大中都市のうち、二十四の都市が分配案を打ち出した。江蘇、山東、河北、広東、湖南、広西、福建などの省・自治区のすべての市と県の分配案はすでに実施され始めている。「北京在住の中央と国家機関の住宅制度改革の実施計画をいっそう深化させる実施案」が昨年八月に打ち出され、全国の住宅分配の貨幣化に対しよりよい模範的役割を果たすことができた。

 住宅分配制度の改革は住民の住宅消費を始動させるうえで重要な役割を果たした。例えば、蘇州市は昨年二千六百七十四人の従業員に対し住宅補助金四千四百七十八万元を支給し、個人が住居を買うことを促し、四億二千五百万元を支出させた。これは住宅補助金の約九・五倍である。住宅分配制度改革の推進に従って、住民は日に日に住宅市場消費の主体になり、全国の都市部の分譲住宅を売り出す中で、個人が住居を買い入れる比率は七〇%以上に達し、江蘇省と広東省はすでに九〇%に近い。

 現有の公有住宅の改革を着実に促進

 各地は公有住宅の売り出し政策をいっそう規範化することを基礎として、確実かつ実行可能な措置をとって、従業員に向かって公有住宅を引き続き売り出している。一九九九年末までのところ、全国の圧倒的多数の省・直轄市で、売り出された公有住宅の販売比率は約六〇%に達し、重慶、浙江、河南、広西などの省・自治区・直轄市で売り出された公有住宅の販売比率は八〇%以上に達した。長年来、都市部住民に現有の公有住宅を売り出すことを通じて、都市部住宅の商品化を大きく促し、住民の自主財産権を主とする、いろいろな財産権の形態が共存する新たな枠組みが形成された。それと同時に、各地では従業員の経済能力に基づいて、従業員の収入を高めることと結びつけて、現有の公有住宅の賃貸の改革を引き続き着実に進めている。

 開放が加速される第二次市場

 テストを基礎として、現在、従業員の買い入れた公有住宅と安価で快適な住宅の販売管理制度、収益の分配制度、住民の住宅消費の増加を奨励する住宅取引の税収政策などを制定した。約半分の省、自治区、直轄市ではすでに住宅の第二次市場が開放され、また第二次市場を開放した市と県もしだいに増加し、一部の都市市場の取引は非常に盛んである。例えば、上海では昨年すでに買い入れた公有住宅一万九千七百七十一セットが市場に出され、昨年同期に比べ、九五%伸びた。九〇%のものは買い入れた公有住宅を売ってからまた新しい住居を買ったので、一セット当たりの住宅面積は四十一平方米増加し、買い入れのための支出は十七万元増加した。住宅分配の貨幣化と買い入れた公有住宅が市場に出されることは、個人が部屋を買うことを動か促し、分譲住宅の販売は昨年同時期に比べ、六二%伸びた。

 個人への住宅ローンの発展を加速

 「住宅公共積立金管理条例」の実施は、住宅公共積立金の管理の規範化と法制化を促した。昨年十二月末までに、全国の住宅公共積立金制度に参加した従業員は六千九百万人に達し、住宅公共積立金の集金残高は千四百九億元に達し、前年より三百九十八億元増加した。昨年、国は住宅公共積立金と分譲住宅貸付政策を重点的に調整した。貸付政策の調整と住宅制度改革の推進は、個人の住宅貸付金額がより大きく増加することを促した。昨年一月から十二月末までに、個人住宅公共積立金の貸付は百五十八億元となり、年末までに住宅公共積立金の貸t残高は二百八十三億元に達し、貸付残高は一九九八年より百二十七億元増えた。商業銀行の住宅ローンはより速い発展をとげ、昨年の一月から十二月末までの商工銀行、農業銀行、中国銀行、建設銀行の四つの商業銀行の個人向け住宅ローンは七百四十六億元、個人向け住宅ローンの貸出残高は千二百六十億元となり、貸出残高は一九九八年より七百六十九億元増加した。

 急速に発展する住宅建設

 安価で快適な住宅を主とした多段階の都市部住宅の供給体制が確立され始め、不動産開発はよい発展の勢いを引き続き呈している。国家統計局の一月から十二月末までの統計レポートによると、全国では不動産開発の面で四千十億二千万元の投資が行われ、昨年同期より一一%増え、そのうち分譲住宅は二千六百三十七億六千万元の投資をおこない、二四・五%伸び、分譲住宅の施工面積は一九・六%増の四億千平方メートル、竣工面積は二九・八%増の一億六千二百万平方メートル、販売面積は二四・九%増の一億千九百万平方メートル、新たに着工される面積は一七・九%増の一億八千万平方メートルである。個人が分譲住宅の買い入れた比率は七九・六%に達し、昨年同期より六ポイント増えた。同時に、住宅団地の建設の全体的レベルは次第に向上し、多くの高品質の住宅団地が現れている。

 国は安価で快適な住宅建設を力強く推進し、住宅の投資構成は次第に合理化し、安価で快適な住宅は次第に住宅供給の重点になっている。全国の安価で快適な住宅の竣工面積は九千百六十三万平方メートルに達し、一九九八年より六六%伸びた。最低収入層の住民の住宅問題を解決し、住宅の保障制度を確立するために、山東省、天津市、広州市などでは安い家賃の住宅建設がスタートした。

 遊休分譲住宅を全面的に売却しはじめる

 目標を明確にし、分類して処置し、活性化させることに立脚し、売却に努め、政策を着実に実行し、法律に従って処理する国務院の要求に照らして、各地はきちんと整理し、財産権を確認し、借金の返済を求め、競売にかけて返済し、税金・費用を減免するなどの措置をとって、多ルートを通じて遊休分譲住宅の売却の度合いを増大させ、一定の成果をあげた。昨年、海南省は九十八万平方メートルの分譲住宅を売り出し、販売収入は十億元近くになり、そのうちの住宅は八十八万平方メートルであった。寧波市ではその年に新しく竣工した、まだ売り出していない分譲住宅のほか、遊休分譲住宅は大体売却された。

 住宅産業の現代化が進展

 住宅産業の現代化はより大きな進展をとげた。昨年、国は住宅産業の現代化を推し進め、住宅の品質を高める関連文書を発布し、住宅建設の中で立ち遅れた物件を淘汰する意見を提出し、住宅建設の品質管理を強化し、国の「健康住宅モデル・プロジェクト」などの措置をスタートさせることを通じて、住宅建設の品質問題を解決するよう努めた。上海市は東西南北の四つの方角に四つの住宅モデル区を提示し、新技術を強制的に導入し、中空粘土質れんが、鉄鋼製の窓、鋳鉄排水管の使用を制限し、それを淘汰することで、住宅全体の品質の向上を促した。

 不動産管理の市場を規範化し育成する。昨年、不動産管理企業を規範化し、不動産管理の市場の健全な発展を促す一連の文書を発表したことは、不動産管理行為を規範化するうえで、よりよい役割を果たした。深せん、北京、南京、杭州、瀋陽などの都市は、市場メカニズムの役割を十分に発揮し、不動産管理の入札制を実行し、不動産の管理レベルを絶えず高めることを促した。

 新たな経済成長点と なった住宅建設

 今年の住宅制度の改革と住宅建設は、住民の住宅消費を始動させる中心をめぐって、さまざまな制度の整備の加速を重点とする。改革を深め、需要を広く開拓し、供給を改善し、市場を活性化し、ローンを拡大することから始め、都市部住民の住居購入の意欲をさらに引き出し、住宅建設の持続的発展を確保し、住宅建設を新たな経済成長点として育成する。

 そのためには主として次のような五つの具体的な項目がある。

 一つは、住宅分配の貨幣化制度を確立し、充実させる。住宅の貨幣化分配は一つの地区の住宅消費水準に影響を及ぼすものである。今年は住宅分配貨幣化の諸政策の実行にしっかり取り組み、住宅の貨幣化分配制度を確立に着手し、住民の現実的な住宅への支払い能力を形成させる。企業・事業体の住宅貨幣化分配を促進することを重点とする。原則的に、企業・事業体は国の関連政策を貫徹し執行する前提の下で、さまざまなやり方で、自由に案を選び、民主的に政策を決定する原則を堅持すべきである。

 二つは、市場環境を最適化し、市場システムを充実させ、不動産市場を活性化させる。今年は、まだ第二次市場を開放していない地区は全部開放しなければならず、同時に適切な措置をとって市場を活性化させる。国が打ち出したさまざまな税金と費用の減免政策を着実に実施し、仲介、流通、サービス組織、情報システムの建設を促進し、積極的にブローカー市場を育成し、規範化し、仲介サービスの従業員の行為を規範化し、仲介サービス・システムを規範化し、充実させる。同時に、仕事のやり方を改善し、取引の場合の名義書き換え、財産権の所属についてのチェックイン・プログラム、家屋面積の測量を規範化し、費用の種類を減らし、費用の比率を引き下げ、事務効率を高め、サービスの品質を全面的に高める。

 三つは、住宅公共積立金の集金への取り組みを強化し、住宅公共積立金の管理を規範化する基礎の上で、力強い措置をとって、ローンの料金の環を減らし、住宅ローンの中間費用を引き下げる。同時に、銀行などの部門を組み合わせて、住宅金融の手段の多様化と返済仕方を多様化させ、住宅消費者ローンの発展を促進する。

 四つは、安価で快適な住宅建設を主として住宅の投資規模を拡大し、住宅の供給を改善し、住宅の品質を高め、住宅建設をいっそう加速する。住宅の品質を高めることは住民の住宅消費を拡大する重要な側面である。それ以外に、遊休分譲住宅の売却への取り組みに引き続き力を入れ、二〇〇〇年末までに、遊休分譲住宅のより大幅な減少のために努力する。

 五つは、賃貸市場を活性化させる。都市化過程の加速につれて、家屋の賃貸は非常に潜在力をもつ市場となる。管理の強化を通じて、賃貸取引の税金・費用面のサポートに力を入れ、家屋の賃貸業務に適当な融資サポートを提供し、賃貸市場を活性化させ、住宅の賃貸においては守るルールもあれば、利益もあるようにして、住民と機構を引き付けて住宅の賃貸市場に投資させる。

 展望の明るい不動産業

 兪正声氏は、住宅建設と不動産業の開発の国民経済に対する促進的役割は主に次のいくつかの面に現れていると見ている。@住宅建設と不動産開発の国民経済に対する直接的牽引の役割である。ここ二年間における中国の住宅と不動産業への投資は毎年約二〇%逓増し、住宅建設と不動産業の牽引には鋼材、セメントなどの建築材料に対する牽引も含まれる。A新しい住宅が完成した後、内装を必要とするほか、住民の引っ越し後には家具と家電製品の更新も必要となる。ここ二年間における住宅建設と不動産業の国民経済成長に対する牽引は、GDPに換算すると、国民経済に対する寄与は一・五ないし二ポイントである。

 兪正声氏は、住宅建設と不動産業の中国での発展の展望は間違いなく楽観的であり、現在、中国の都市部住民の居住レベルは先進国の平均的水準のわずか半分に相当するもので、人々の生活水準の向上、都市化過程の加速に従って、かなり長い期間にわたって、住宅業は依然として国民経済発展の巨大な原動力となろう、と語っている。

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