解振華国家環境保全総局局長、中国の環境問題を語る

 四月二十六日、解振華国家環境保全総局局長は、中国科学院創新戦略フォーラムの席で、中国の生態環境がいま直面している問題とその対策について次のように講演した。

 汚染排出に一応の歯止め

 昨年末現在、中国は十二種の主な工業汚染物質の総排出量を、基本的に一九九五年の水準に抑えている。経済の持続的な安定した発展を保つ状況の下、一部の主要汚染物質の排出量を一九九五年より一五ないし二〇%減らした。

 環境保全総局が実際に測定した結果は次のことを顕示している。

 汚染の構成に変化

 都市では自動車の排気ガスによる汚染が増え、特に北京、上海、武漢、広州などの大都市では汚染が際立っている。北京では窒素酸化物汚染物質の五〇%が自動車の排気ガスによるものである。

 水汚染については、工業汚染の比重が低下する一方、生活汚染の比重が上昇し、かなり多くのところで、生活汚染はすでに工業汚染と同レベルに達している。また農業による水源汚染の比率は二〇%に達し、とりわけリン、窒素による湖の汚染はいっそう深刻になり、減少あるいは除去することが困難な有毒・有害物質による水源汚染がいっそうひどくなり、一部の大都市の飲料水の水源を測定したところ、発癌性物質はなんと二十余種類もあることが発見された。

 ますます悪化する生態環境

 土地の退化が深刻化している。一九四九年の建国以来、全国の水土流失面積は国土面積の三八%を占める三百六十七万平方キロに達し、しかも毎年一万平方キロの速さで増えている。毎年新たに砂漠化する面積が二千四百六十平方キロに達し、一年間に一つの県が呑み込まれていることになる。また、砂あらしによる植生破壊が深刻で、砂漠化、アルカリ化した草地の面積は三分の一に達した。

 水生態系がアンバランスになる。洪水・冠水災害が頻繁に発生して、川の流れが絶たれ、湖が干上がり、湿地が破壊され、地下水位が下降した。

 生物の多様性が破壊された。絶滅の危機に瀕している高等植物は一五ないし二〇%を占め、世界の平均水準である一〇%を上回った。

 近い将来の環境保全の重点

 経済の安定した発展を保つ前提の下で、汚染物質の総排出量を二〇〇〇年末のレベルから更に一〇%減らす。

 水資源保護の面では、長江(特に三峡ダム区とそれより上流の流域)と黄河(特に小浪底ダムとそれより上流の流域)流域の環境生態保護を重視しなければならない。

 向こう五年以内に環境保全重点都市を百都市に拡大する。

 二酸化硫黄抑制地区の二酸化硫黄含有量を二〇〇〇年の実績を基礎としてさらに二〇%減らす。

 海洋汚染については渤海海域を重点的に整備する。

 生態脆弱区、資源開発区、自然保護区の環境保全対策を強化する。

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