ASEANとの協力をいちだんと強化する


 以下は唐せん外交部長が、七月二十七日の中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)との対話会議で行った演説である。

 世紀の変わり目に、われわれは二十世紀の中国・ASEAN関係史の最後の一ページをめくり去り、二十一世紀の中国・ASEAN関係史の斬新な一ページを開けようとしている。

 これまでとりわけここ十年間に中国・ASEAN関係がたどってきた過程を顧みると、中国がわずか数年で、ASEANの協議対話国から全面的な対話パートナーとなり、江沢民主席とASEANの指導者が最初の会談を行い「共同声明」を発表して、二十一世紀に向けての善隣相互信頼パートナーシップの構築を定め、双方の関係の全面的な深化発展のために方向を指し示し、枠組みを構築したことを目にして、喜びを覚えている。

 過去一年の間に、われわれの友好協力関係は良好な発展の勢いを保ってきた。政治分野では、双方の各クラスの交流が頻繁に行われた。中国とASEANの全面的な対話と協力という枠組みを踏まえて、中国はタイ、マレーシアとそれぞれ二十一世紀に向けての協力計画に調印し、中国とベトナムは「共同声明」を発表して、中国とASEANの善隣相互信頼パートナーシップの内包を充実させた。経済と科学技術などの分野では互恵協力が絶えず拡大され、双方の貿易額が目に見えて増加した。安全保障の分野では、われわれはASEAN地域フォーラムなど多国間の対話ルートを通じて互いに協調、支持し合うだけでなく、最近は中国とASEAN諸国の二国間の安全保障協議を成功裏に開始した。

 中国・ASEAN関係の発展の過程は、理解と友情を増進し、信頼と協力を強化し、善隣友好を拡大する過程であるとはっきり言うことができる。

 平和共存五原則を踏まえて樹立された中国とASEANの友好協力関係には、しっかりした土台、広い共通の認識、巨大な潜在力、明るい見通しがあることを事実がすでに立証されているが、今後はさらにはっきりと示されていくはずである。国には大小があり、各国の歴史的背景、社会制度、発展レベル、文化的伝統、価値観は必ずしも同じではないが、互いに尊重し合い、平等に相対し、相違点を残して共通点を求め、互恵協力を行えば、睦まじく付き合いともに発展することは可能である。これは中国とASEANの関係が絶えず前進するためにも有益な経験であり、各国人民の根本的利益に合致するものであり、同地域の平和と安定の維持にもプラスとなり、また公正で合理的な平和と協力の新秩序の確立にも役立つものである。平和共存五原則、「国連憲章」の趣旨と精神および「東南アジア友好協力条約」の原則を順守することは、中国・ASEAN関係の魂であるばかりでなく、二十一世紀の国際関係と国際秩序に対しても非常に重要な意義がある。

 先人の事業を受け継ぎ、未来を切り開くことは、われわれがこの対話会議に出席した主な願望である。長年の共同の努力と絶え間ない模索を経て、われわれは双方の友好協力の強固と発展に対し、一層明確な方向、一層はっきりした考えの筋道を持つようになったと私は思う。これをまとめてみれば、主に以下のいくつかの方面がある。

 第一、善隣相互信頼パートナーシップの内包をいちだんと充実させる。これには双方の全面的な対話と協力メカニズムを強化し、各段階、各分野、各ルートにおける友好往来を保持し、相互信頼と友情を増進すること、善隣相互信頼パートナーシップという大きな枠組みの中で、中国とASEAN諸国の二国間関係の具体的特徴に基づいて、二国間の新世紀に向けての協力の構想を引き続き探究し、確定することが含まれる。

 第二、経済貿易、科学技術の協力を重点とし、同時に多種のルートを切り開き、さまざまな方式をとって、各分野における互恵協力を深化させ、拡大する。中国とASEAN諸国の経済は、かなり強い相互補完性があり、双方の市場開発には非常に大きな潜在力がある。中国は「平等互恵、実効重視、長期協力、共同発展」の原則にのっとって、経済貿易、科学技術、資源、金融、情報、農業、観光、民間商工企業、労働力資源開発、人員交流などの分野でASEANとの協力を強化するであろう。

 第三、地域協力と国際協力を拡大する。これには、東アジアの対話と協力、メコン川流域開発協力など区域と準区域の経済協力を強化すること、国際金融と経済秩序改革の中の協調と協力を強化すること、域内の多国間と二国間の安全対話と協力を強化し、国連などの国際機構における相互支持を強化することが含まれる。ここでわたしは、中国の朱鎔基国務院総理が招きに応じて今年十一月マニラで開催されるASEANと中国、日本、韓国の指導者の第三回非公式会談に出席し、東アジアの協力強化について東アジア諸国の国家元首、政府首脳と意見や主張を交換することを、喜びをもって通報した。私は、中国が具体的な行動を取って、東南アジア諸国の非核地帯設置の努力を支持することをも重ねて表明したい。

 第四、地域の平和と安定という大局から出発し、中国・ASEAN首脳の達した政治面の共通認識を守り、あくまで相違点を残して共通点を求めるようにし、友好的協議を通じ、平和な方式で双方の間に存在するいくつかの食い違いと争議を処理し、これらの食い違いを双方の善隣友好という大局に影響させないようにする。

 長年来の成功した実践が示しているように、われわれ双方の友好協力についての考えの筋道と構想は、時代の要求に順応するものであり、人民の願いに合致するものである。われわれが引き続きあふれるばかりの熱情と着実な行動で、中国とASEANの「共同声明」が確定した目標、原則、任務を実行に移しさえすれば、各分野におけるわれわれの協力は必ず互恵・互利と相互補完の方向に沿って絶えず深化し、われわれの善隣相互信頼パートナーシップは必ずいっそう着実、健全に発展していくに違いない。

 ASEANの良き隣国、良き友人、良きパートナーとして、中国人民は喜びと敬服の気持ちを抱いて、ASEANが最終的にその創始者の抱いていた「ASEAN十カ国」という宿願を実現させ、アジア金融危機の影響を克服し、経済発展を回復させる面で積極的な進展をとげたことを見て取った。ASEANはまだ数々の困難と挑戦に直面しているとは言え、三十余年の努力を経て、すでにアジア太平洋地域ないし国際舞台における重要な力となった。ASEANの拡大が世界の多極化の発展の潮流に合致するものとわれわれは考える。連帯、自疆、繁栄のASEANは、アジア太平洋地域の長久の平和と発展に有利である。中国はいままで通りに、ASEANが地域事務と国際事務の中で積極的な役割を発揮するのを支持する。

 今年は中国にとって、建国五十周年と澳門の祖国復帰を迎える特殊な意義を持つ年である。五十年来の発展の過程を振り返てわれわれは、中国がアジアと世界の最大の発展途上国としてアジアないし世界の平和と発展になした最大の貢献はほかでもなく、中国自身の政治的安定を保ち、中国を分裂させようとするいかなる勢力をも抑止し、絶えず経済の発展と社会の進歩を推し進めていることを身にしみて感じた。国際情勢がどう変わろうとも、中国政府と人民は確固として変わることなく自国の主権と独立を守り、改革・開放の既定政策を堅持し、平和共存五原則を踏まえてすべての国、特に周辺諸国と友好協力を発展させていくであろう。中国は昨日も、今日も、将来も、世界の平和と安定を擁護するしっかりした力である。

 

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