中欧経済貿易関係の発展をめざす
EUは現在、中国の四番目の貿易パートナーである。経済貿易関係はずっと中欧関係の重要な部分である。中欧貿易総額は一九八九年に二百三十五億ドルであったが、三年の回復を経て、一九九二年は二百六十一億ドルとなり、一九九八年は四百八十八億ドルに達した。一九九九年一月〜八月の中欧貿易総額は三百四十六億ドルで、昨年同期より一五・八%増えた。一九九九年の中国の対外貿易の中で、EUの占める比重は一九九七年の一三・二%と一九九八年の一五・一%を上回るものと見られている。
一九九九年の中欧関係で、例えばユーロの始動と中国のWTO加盟についての中国・EU交渉の進展などいくつかの重要な積極的要素が現れている。ユーロの始動は中欧関係の発展に役立つ。ユーロの始動はEUの重要性に対するアジアと中国の認識を高めることになるからである。ユーロの成功の可能性は大きく、ユーロ始動の一年目は対ドルの相場が相対的に下がったが、ユーロの前途には余り影響しないだろう。
このほか、ユーロの始動によってEUの全体としての役割がいっそう大きくなる。同時に、ユーロの始動はアジアと中国の重要性に対するヨーロッパとEUの認識をも高めることになる。ユーロはちょうど東アジア経済危機の時に始動したので、もしアジア諸国、特に中国の積極的、責任感のある態度と行動がなければ、始動したばかりのユーロにマイナスの影響を及ぼす。ユーロが世界の信頼を得るには、アジアと中国の支持を得なければならない。世界の外貨準備高約一兆五千億ドルの中で、アジアは四四%占め、そのうち中国は九%を占めている。ユーロに対して、中国は「欧州貨幣同盟を支持する」と「ユーロを適度に持つ」という態度をとっている。
中国のWTO加盟についての中国・EU交渉は今年初めに妥結する見込みで、これは中欧関係に積極的な影響を与えることになる。中米はすでに昨年十一月十五日に中国のWTO加盟について合意に達した。中米合意の八〇%の内容がEUの目標と一致しており、残りの二〇%がEUと食い違いがある。第一、関税面で食い違いが存在している。具体的にはEUは三百〜四百種の製品に対し、アメリカより多い要求を出している。これらの製品には陶磁器芸術品、ガラス製品、化粧品、毛皮類、靴および一部の農業用機械が含まれている。第二、EUは労務面で特殊な要求を出し、生命保険面で中国に全額外資企業を設立し、電気通信業面で最終的に五一%以上の株式を持つなどを望んでいる。第三、EUは「横向き」の面でいくつかの問題に関心を示し、例えば輸出面で中国側が外資会社に七〇%の製品を輸出することを求めている問題などがそれである。中国とEUの中国のWTO加盟交渉はまもなく合意に達することができる。ヨーロッパの経済構造は中国と比較的に接近しており、中国がWTOに正式に加盟すれば、ヨーロッパはおそらく最大の利益者となるであろう。
今年の経済貿易関係は間違いなく去年より良くなるだろう。これは、第一にEUの経済が回復しつつあり、今年の経済成長が二・九%〜三・〇%の間であると予想されていること、同時に一九九九年の下半期から中国の輸出が好転し始め、二〇〇〇年の成長速度が一九九九年のレベルより低くならないこと、第二にユーロが今年第2・四半期から安定しながら上昇する可能性があり、投資の自信を強めるのに有利であるからである。