宗教界は「法輪功」をカルトと見ている
政府が「法輪功」取り締まりを発表して以来、宗教界にも強烈な反響が巻き起こっている。仏教、道教、キリスト教カトリック、キリスト教プロテスタント、イスラム教など五大宗教の責任者は、「法輪功」が宗教をねじ曲げて利用し、社会の平穏および安定・団結を破壊しようとしている本質を次々に指摘して批判し、共産党と政府の「法輪功」問題に対する処理、解決策を断固支持するとともに、「法輪功」と断固徹底して闘いぬき、社会の安定と民族の団結を擁護すると表明した。
現在入院中である全国政治協商会議副主席・中国仏教協会会長の趙朴初氏は、「法輪功」問題に対する中央政府の断固たる処置を非常に喜び、次のように語った。
わたしは中国共産党中央の、「法輪功」という非合法団体の処置についての決定を断固として支持する。この決定は絶対必要なことであり、時を得た正しいもので、それによって胸のつかえが下りたような思いだ。この決定は災いを取り除き、国にとっての潜在的危険を一掃し、社会の悪の根源を断ち、科学に対する障害を打ち破り、また仏教にとっても最大最悪の邪道を排除したことになる。
「法輪功」は仏教を隠れみのにし、仏教用語を盗用して社会を欺き、人々をペテンにかけてきた。仏教の立場から見れば、「法輪功」は一種のカルト教団であり、邪道である。中国仏教協会が発行する「法音」誌および各地の仏教関係の雑誌は、いずれも次々に「法輪功」批判を発表し、また李洪志とその非合法団体「法輪功」から恐喝を受け、ぶ告されてきた。「法輪功」は仏教でもなく、正式な宗教でもなく、さらに真の気功でもなくて、全くのでたらめであり、仏教とも、宗教界とも、また共産党と国の宗教信仰の自由という政策とも根本的に対立するものである。こういったでたらめに対し、われわれ宗教界は特に警戒心を高めている。「法輪功」の悪影響が広まるのを許すことは絶対にできない。
同時に科学教育を強化して、国民全体の質を向上させる必要もある。「法輪功」のようなカルト的性質を伴う非合法組織の発展を許すようなことがあれば、国にとって潜在的な危険性が生じることになる。仏教界と宗教界はいずれも自身の確立を強化し、国を愛し宗教を愛する優れた伝統を発揚し、全国の人々と共に容易に得たものでない安定・団結という素晴らしい局面を自覚を持って維持していかなければならない。
全国人民代表大会常務委員・中国仏教協会副会長のチャムヤン・ロサン氏は、このほど「法輪功」を批判した際に、李洪志の仏教をねじ曲げ、おとしめた腹黒い魂胆をはっきりと認識し、宗教活動を法律と法規および政策が認可する道に乗せる必要があると強調し、次のように述べた。
「法輪」は仏教の専門用語であるが、李洪志はそれを自らの邪説のためのキーワードとして盗用し、多くの人々を確実に欺いた。社会では多くの人々が「法輪功」を仏教の一形態であると見ており、多くの誤解が生じている。しかし、実際のところ「法輪功」は単なる邪説にすぎず、根本的に宗教ではなく、ましてや仏教ではさらさらない。
宗教と封建的迷信とは一線を画されるべきものであるが、現在の社会には仏教の看板を掲げて封建的迷信活動を行う者がいて、その危害は非常に大きい。李洪志もまた仏教の看板を掲げて自らの邪説を広め、多くの人をだましてきた。仏教徒は物事を確かに見極め、是非曲直をはっきりさせて封建的迷信活動に断固反対し、「法輪功」のようなでたらめな邪説とは徹底的に闘うべきである。
共産党および政府の決定は全国の各民族の人々の共通の利益に完全に合致し、宗教界の利益とも合致する。中央は「法輪功」に対する処置の過程で、正常な宗教信仰および合法的宗教活動と、「法輪功」の組織の活動とをはっきり区別するよう強調した。これは全く正しいことで、宗教界の人々と信者たちに対するねんごろな配慮であり、大いなる励ましである。われわれは必ずや共産党の宗教政策を正しく貫き、自らの確立を強化し、宗教活動施設の管理を強化していかなければならない。
また、同じく中国仏教協会の副会長である浄慧師は、「法輪功」は仏教でないばかりでなく、仏教とは正反対で仏教を破壊するもので、気功を名目にして現れ、宗教を大々的にねじ曲げて利用し、宗教信仰の自由という共産党の政策をひどく阻害して、最終的には国や社会に危害を加える非合法組織に発展したのは決して偶然ではないと語る。
中国仏学院副院長で北京市仏教協会会長の伝印師は、「李洪志は人々の心の弱点を突き、その『法輪大法』の特殊性をわざと難しいもののようにして宣伝し、その信徒を惑わして自分に絶対的に服従させ、自分を盲信させ崇拝させた。われわれは必ずやさまざまな面から、そのからくりを暴く必要がある」と述べた。
中国道教協会会長の閔智亭氏は、次のように表明した。李洪志はそのでたらめな邪説の中で下心を持って仏教や道教のいくつかの専門用語を盗用し、それを故意に曲解して宗教を汚した。その手前勝手なペテンは中国の宗教と全く関係がないばかりか、中国の宗教と多くの信者大衆を汚し傷つけ、中国の宗教が唱道する「国を愛し宗教を愛する」「社会主義社会に積極的に適応するようにする」ということと全く相いれない根っからの邪道である。
同じく中国道教協会副会長の張継禹氏は、李洪志が自らを法身（ほっしん）で至上の存在とし、練功者に「法輪功」を与えることができ、そのエネルギーは他と比べようもないと称し、修練者が自分の著作を読んだりテープを聞くだけで功力が得られるなどと吹聴したことすべては、自らを神とし、生き仏としようとすることにほかならず、霊能者のごまかしと全く変わらないと語った。
中国イスラム協会副会長のマイマイティ・サイライ氏は、次のように表明した。安定は大局にかかわるものであり、中国の五十六の民族の大家族の最高の利益である。安定なくしては、何もすることはできない。李洪志のようなごく少数の人が封建的迷信をまき散らし、歴史の流れに逆らって動き、流言飛語で人々を惑わし、非合法集会を開き、社会の安定を打ち破ったことは、大衆の支持が得られるものではない。
中国カトリック愛国会主席で北京教区司教の傅鉄山師は、李洪志の邪説が科学や民主主義に反しており、「法輪功」の組織が党と政府の指導に対抗し、社会主義制度に対抗する非合法組織に成長していることは事実が証明するところで、それを取り除かなければわれわれの社会は平穏であり得ないと表明し、李洪志がつくり操っているこの非合法組織は正常な宗教活動をもひどくかき乱し、合法的宗教のイメージを損なったと述べた。
同じく中国カトリック愛国会副主席のと世華氏は、李洪志が「終末論」を広め、社会全体や政府、法律を否定し、いかなる政府や法律もすでに用済みで、自分とその組織があってはじめて人類を救うことができると言ったのは、実に中国のことわざの「酔翁（すいおう）の意は酒にあらず」のごとしで、本当の狙いは自分が国や法律より上位に立ってそれらに取って代わろうとするものであり、人々が警戒心を高めてだまされることのないよう望むと語った。
さらに、全国政治協商会議常務委員・中国カトリック愛国会教務委員会名誉主席・カトリック上海教区司教の金魯賢師は、「法輪功」が非合法組織のカルト教団であって全く正統な宗教ではないことを指摘し、次のように語った。
正統な宗教とは信徒に「己のごとく隣人を愛せよ」と説き、人々に善をなすよう勧め、政府を擁護して法律を順守し、来世を追求すると同時にこの世と実社会を強調し、現実社会で世の光となり、国の建設と社会の進歩のために英知や才能をささげるものである。それに対してカルト教団の本質は人をだまし、人を惑わし、金銭や財産を詐取し、同時に政治的野心を持って、人には言えない政治目的のためには手段を選ばず、また宗教をも利用し、往々にして何らかの宗教的色彩を帯びるものである。正統な宗教とカルト教団との違いは以上の通りであるが、「法輪功」の誘惑力、欺まん性、危険性は非常に深刻で、すでにかなり大きな社会的危害を作り出している。カルト的性質を持つ非合法組織は、必ず取り締まるべきである。
全国政治協商会議副主席・中国キリスト教三自愛国運動委員会名誉主席・中国キリスト教協会名誉会長の丁光訓氏は、李洪志はすべての手段の中でもとりわけ「世界終末論」を巧みに利用し、世の終わりが来ることを宣伝しているが、この「終末論」は愛国主義、社会主義建設と相反し、真っ向から対立するものでもあるとして、次のように語った。
現在の中国は勢いよく発展しており、われわれ中国人の一人一人は希望に満ち、意気軒高として奮い立っている。もし世の終わりが間もなく来るというなら、どのような愛国主義も社会主義建設も根本的に問題外となってしまう。それゆえに、「世界終末論」は一本の毒矢のように、絶えず向上していこうと努める中国人民の精神を破壊するだけでなく、人民の団結をも破壊するものである。中国の宗教の信徒は皆、中国の憲法、法律、法規に基づく「法輪功」の取り締まりが中国政府による宗教の合法的活動の保護を現すものでもあって、中国の宗教信仰の自由という政策がこのことによって変わることはあり得ないと認識している。
全国人民代表代大会常務委員会副委員長のパバラ・グリェナムジェ氏は、チベット仏教の活仏として「法輪功」の組織に対する中央政府の取り締まりを断固として支持すると表明し、次のように述べた。
いわゆる「法輪大法」は根拠もなくねつ造された全くのでたらめで、李洪志が操っている「法輪功」の組織は人々の思想に悪影響を与え、公共秩序をかく乱し、社会の安定を破壊し、国と人民に深刻な危害を与えた。中央が「法輪功」問題を断固とした処置を取って解決し、李洪志の人物と行為および「法輪功」による被害の調査を決めたのは、非常に適切で正しいことである。
李洪志は「法輪大法」と「法輪功」の組織が「練功」の形式を採っていることや体の健康といわゆる「真・善・忍」ということをうたい文句にしていたが、実際には人々をだまして侮り、反科学、反政府、反宗教の活動を行い、中国共産党や中国政府に対抗し得る政治勢力にまで発展することを企てていた。特に今年四月二十五日に北京で発生した法輪功信者による中南海前での座り込み以来、「法輪功」という組織系統が単に組織的に法輪功を修練するためのものだけではなく、実際には李洪志によるさまざまな社会的および政治的活動を行うための道具であることが見て取れるようになった。李洪志は体を鍛え寿命を延ばしたいという一部の人々の願いや「生老病死苦」に関心を寄せる人々の心理を巧みに利用し、「宇宙の根本的大法」によって「地球の爆発」や「世界終末の到来」を吹聴し、「法輪功」を修練しさえすれば災いを避けることができると言い、これによって大衆をだまし、法輪功修練者を精神的に操った。李洪志は「自分の法力は釈迦（しゃか）よりも数倍高い」と吹聴し、それによって社会を惑わし、人心をかく乱したのであるが、われわれはそれに対してさめた頭を持つ必要がある。もし「法輪功」組織に対し断固とした処置を取らず、その悪影響を消さないで、このような邪説を至る所に広めるのをほしいままに許したら、人々の思想がかく乱されるばかりでなく、国の法律が許す範囲内の正統な宗教活動を甚だしく妨害し、中国の各民族人民の団結にひどい損害を与え、中国の特色を持つ社会主義建設の大事業の政治的根幹を揺るがすことになる。
チベットの民主改革四十年来、人々の生活には天地を覆すような変化が発生した。チベットが安定し、経済・社会が急速に発展している今日にあって、われわれは「法輪功」のようなでたらめな邪説がわれわれの正常な生活をかき乱し、チベットの素晴らしい局面を破壊し、チベットの前進を阻害するようなことは決して許しはしない。
関係する学者も「法輪功」の本質を批判して、それがカルト教団であると一致して認めている。天津師範大学史学科教授のしん教授は、「法輪功」の人をだます手法とでたらめな邪説は、明や清の時代のカルト教団と酷似していると指摘する。
しん授は明・清時代の「聞香教」「円頓教」などのカルト教団を列挙し、その特徴を次の五つの点にまとめた。1、厳密な組織を持つ2、体の健康や病気の治療を隠れみのにして真相を知らない群衆をだます3、金集めに貪欲である4、終末論をまき散らす。あるカルト教団は、世の終わりが来ると「処処に賊盗生じ、虎狼（ころう）山川に満ち」、もしその教えを信じれば「一家の災いは免かるべく」、信じなければ「吐血して死し、化膿（かのう）して亡ず」と吹聴した5、政治的野心の実現を追求する。いくつかのカルト教団は一定の規模に達すると、その教祖はさまざまな邪説で信者を扇動して騒動を起こさせ、政治上の人には言えない目的を達成させようとした。
しん授は、「法輪功」は明・清時代のカルト教団との間に明らかなつながりを持ったもので何ら新しい発想ではなく、中国四千年の封建的迷信の伝統文化の残りかすが現代によみがえったものであると見ている。