医学専門家、「法輪功」のなぞを解く
「法輪功」の吹聴した謬論がでたらめ極まるものであると認識する人は、ますます多くなっている。「法輪功」がこれほど多くの人を騙すことができたのはなぜだろうか。これについて、北京の一部の著名な心理学者、精神病専門家は、「法輪功」が心理的暗示と多勢に追従する大衆心理といった原理を利用して人々の耳目をくらましたと答えた。
中国心理衛生協会副理事長の劉福源氏は次のように語った。
「法輪功」の広がり方がこれほど速かったのは心理的暗示の結果であって、決して「法輪功」がいわゆる「功力」を限りなくもっているためではない。例えば、コンサートのとき、一人がせきをすると、多くの人ものどもかゆくなるとか、会議のとき、一人があくびをすると、何人かがそれにつられてあくびをするといった現象がつまり心理暗示である。多くの「法輪功」練習者は最初のうちは試してみようという考えしか持っていなかったが、「法輪功」が「何の病気も治せる」というインチキな宣伝にだまされ、また無数の「起死回生」の偽りの実例が火に油を注ぐ役割を果たしたため、これらの人たちの周りの暗示と自己暗示の作用が大きくなり、はては「法輪功」を深く信じて疑わず、しかもその感じたことをますます多くの人に伝えていった。
劉氏はさらに言葉を続けた。「法輪功」練習者の中には高学歴の人も少なからずいるのに、彼らもこのような科学的道理が分からないのだろうかと質問する人がいるかもしれないが、科学研究が示しているように、人間の心理的暗示が強いか弱いかは、その人の知力とは決定的な因果関係がなく、主として心理の個性によって決まる。学歴の高い人の心理的暗示が非常に強い場合もあり得るし、読み書きのできない人の心理暗示がきわめて弱い場合もありうるが、総じて言えば、女性の心理的暗示がわりに強く、年寄りも需要の心理と固執の情緒などの影響を受けて、心理的暗示が相対的に強い。「法輪功」練習者に女性と年寄りが相対的に多いわけがここにある。
「法輪功」を練習すると精神障害を起こす問題について、精神病専門家で北京回竜観病院院長の張培えん氏はこう見る。「法輪功」自体は唯心論を宣伝する極端なオカルトで、すべての科学的真理を否定している。精神病学の原理から見ても、臨床の実践から見ても、それが精神病を誘発することができ、しかも迷信がひどければひどいほど発病率がますます高くなる。
『解放日報』の報道によると、七月三十日現在、上海市精神衛生センターはすでに「法輪功」の修練が原因で精神分裂症にかかった患者十八人を治療したが、一部の人は治療を受けて全快し、退院した。
同センターの張明園教授は次のように話した。医学研究が示しているように、一部の病気に対しては、適当に運動をし、気分を調節し、気持ちを落ち着かせさえすれば、ある程度の治療効果をあげることができる。「法輪功」は人々の「体を丈夫にし、健康になりたい」という願いと、一部の患者がどうしようもない状況の下で「超能力を持った人が助けてくれる」ことを望んでいるという心理を利用して、一定の心理的暗示を与え、さらに「法輪功」がどんな病気も治せる効果があると誇張して宣伝したため、「病気になったらやたらに医者にかかる」人はそのワナにかかってしまった。正常な暗示作用は心理治療手段の一種で、人に心理的に症状が軽くなったように感じさせることができるが、これは一時的現象にすぎず、病気を徹底的に治せるわけではない。いかなる病気も人体の器官の構造あるいは働きが変わった結果であり、心理治療、薬物治療、生物学治療を通じてのみはじめて効果をあげることができるのである。
精神薬品は二十一世紀の医学科学の十大発明の一つに数えられ、その臨床治療の総有効率は七〇%以上に達している。李洪志とその「法輪功」は病気にかかっても「薬を飲まず、注射をしない」と言いふらしているが、それは明らかに科学に反するものである。科学的方法を用いて病気を治療し、体を丈夫にし健康になることこそ賢明なやり方である。