中華人民共和国建国五十周年祝賀レセプシュン
朱鎔基総理のあいさつ(要旨)
(一九九九年九月三十日)
五十年前の中華人民共和国の建国は、中国の歴史に新たな紀元を切り開いた。五十年来、中国共産党の指導のもと、各民族人民は団結して奮闘し、苦難に満ちた創業を行って、中国の様相には天地を覆すような変化が生じた。特に改革・開放政策実施二十年来、ケ小平理論と党の基本路線による指導のもと、中国の社会主義現代化建設は世人が注目する偉大な成果を挙げ、経済体制改革は決定的な進展を見ており、国民経済は持続的で急速かつ健全な発展を遂げ、科学技術、教育、文化などの諸事業は全面的に発展し、人民の生活水準は著しく向上した。社会主義民主と法制建設は絶えず強化され、全国各民族の大団結はより強固なものとなった。われわれの偉大な祖国は活気に満ちて繁栄し、日増しに発展向上して、世界の東方に巍然(ぎぜん)として高くそびえ立っている。
五十年来、中国は終始一貫して独立自主の平和外交政策の実施を堅持し、国の主権と領土保全および民族の尊厳を断固として守る一方で、国際情勢が目まぐるしく変化するという厳しい試練を経てきた。中国はすでに世界の百六十カ国余りと外交関係を樹立しており、各国・地域と経済、文化の交流を保っている。中国の国際的地位は空前に向上し、われわれの友人は天下に満ちている。
新中国成立五十年来に勝ち取った大きな成果は、中華民族にとって最も輝かしいページを書き記した。これらの成果は、偉大で栄光ある、正しい中国共産党によるものであり、勤勉で勇敢な、知恵深い中国人民によるものであり、比類なく優れた社会主義制度によるものである。
今年以来、中国の経済発展は引き続き良好な勢いを保っている。複雑に入り組んだ国内外の環境に直面し、党中央および国務院は遭遇する可能性のある困難に対して十分な計画を練り、適時に断固として正しい総合的対策の手を打った。すなわち、積極的財政政策の力を強化し、投資を増やし、消費を促し、構造調整を速め、技術革新を強化し、輸出を努力して拡大した。これらの措置は、国民経済の発展に対して積極的役割を果たした。農業は強化され、夏の穀物はまた豊作であった。工業生産は安定して増え、経済収益は明らかに回復した。財政収入の伸びは比較的速く、金融は安定した運営を維持している。国有企業改革は進展を見せた。人民生活はさらに改善された。閉幕したばかりの党の十五期四中全会では「中国共産党中央の国有企業の改革と発展の若干の重大問題に関する決定」が採択されたが、これは中国の国有企業の改革と発展を導く綱領的文献である。われわれは「決定」の精神を真剣に貫徹して実行に移し、自信を持って着実な仕事をして国有企業の改革と発展の新たな局面を切り開き、国民経済の全体的発展を促進していかなければならない。
安定なくして何事も成し遂げられないということは、歴史の経験がわれわれに教えているところである。われわれは、勝ち取るのが容易ではなかった団結と安定の局面を百倍も大切にし、改革、発展、安定の関係を正しく処理する必要がある。また、新しい情勢のもとでの人民内部の矛盾(社会主義に反しない段階の対立)を適切に処理し、それと同時にさまざまな違法犯罪活動を断固として取り締まり、社会の安定と国の安全を守り、改革・開放と現代化建設の順調な進行を保証しなければならない。
今年十二月二十日、中国は澳門に対する主権行使を回復する。これは祖国の平和統一という大事業の今一つの大きな進展で、中華民族の今一つの歴史的イベントでもある。現在、澳門復帰のさまざまな準備作業は秩序立って行われており、澳門の政権の順調な引き継ぎと平穏な移行は必ず実現し得るものである。中国政府は確固不動の姿勢で、「一国二制度」、「香港人による香港管理」「澳門人による澳門管理」、高度の自治の方針を貫き、実行していく。香港同胞が香港を立派に管理できる力を持っていることは、すでに事実が証明している。澳門同胞が将来の澳門特別行政区を立派に管理できる力を持っていることも、事実がまた証明するであろう。中央政府と祖国の内地は永遠に香港と澳門の両者の長期にわたる繁栄と安定を維持する後ろ盾であり、香港と澳門の人々の共同の努力によって、香港と澳門は必ずやより一層きらびやかな輝きを放つはずである。
台湾問題の解決と祖国の完全統一の実現は、台湾同胞を含む全中国人民の崇高な願いであり、神聖な使命である。五十年来、中国共産党と中国政府および中国人民はこのためにたゆまぬ努力を傾け、台湾は中国の領土の一部であるという立場を堅持し、両岸の経済、文化などの面での交流と人的往来を力強く促進してきた。現在、李登輝の「二国論」に反対し、国の主権と領土保全を守るためにわれわれが進めている闘争は、中華民族の根本的利益に完全に合致している。最近、台湾地域に強い地震が発生したが、われわれはこの大災害に強い関心を示しており、被災した台湾同胞に心からの慰問の意を表するとともに、引き続き可能な限りの援助を提供したい。われわれは「平和統一、一国二制度」の基本方針、および両岸関係の発展と祖国の平和統一プロセスの推進に関する江沢民国家主席の八項目の主張を引き続き貫徹させる。中国人民全体の共同の努力によって、台湾問題は必ずや香港、澳門の祖国復帰に続いて早期に解決でき、中国の完全統一は必ず実現できるとわれわれは深く信じている。
現在の国際情勢の全般的すう勢は緩和へと向かっているが、局地的な激動はあちこちで発生している。 中国政府は独立自主の平和外交政策を引き続き実行し、覇権主義と強権政治に断固反対し、平和共存五原則を踏まえて世界各国との友好協力関係を積極的に発展させることを堅持し、平等互恵の基礎の上で世界各国と各分野での交流と協力を発展させるよう努力していく。中国人民は各国の人々と共に、世界の恒久平和と人類の共同の繁栄実現を推し進めるためになすべき貢献をしていく。
過去を振り返り、未来を展望すれば、自らの国と民族の事業に対してわれわれは必勝の自信に満ちている。前途は平坦ではなく、矛盾と困難は避けて通ることはできないが、ケ小平理論の指導のもと、江沢民氏を核心とする党中央の力強い指導のもとで、中国人民は必ずさまざまな困難に勝ち抜き、社会主義現代化建設の世紀にまたがる発展という偉大な目標を実現し、中華民族の偉大な復興を促進し得るとわれわれは確信している。