「法輪功」は邪教である
十月二十八日付の『人民日報』に掲載された特約評論員の文章は、明るみに出た多くの事実から見て「法輪功」組織はただの非合法組織ではなく、典型的な邪教としての性質を持っており、「法輪功」組織は邪教であると指摘している。
文章は邪教の六つの特徴と、「法輪功」組織がしてきたことを次のように列挙している。
一、邪教の一大特徴は、教祖崇拝である。ただ教祖にのみ従い、死ぬも生きるも教祖のためである。アメリカのカルト教団「人民寺院」の教祖ジム・ジョーンズ、「ブランチ・デビディアン」の教祖デビット・コレッシュ、日本の邪教「オウム真理教」の教祖麻原彰晃などはいずれも自分を神あるいは神の化身と吹聴していた。李洪志も同じように、自分は「物質移動、マインドコントロール、姿を隠すなどの力を持ち」、地球爆発の時間を先送りする神通力があり、「人々を天国に送り」、「全人類を苦しみから光明の世界へと救済する」救世主であるとほらを吹いた。また、「現在の世界で正法を伝えるのはわたしだけだ」、「わたしによって救われない人は、救われる道はない」と称し、自分は老子、釈迦、イエスよりも上であって、その教えはすなわち「経文」であると吹聴した。さらに、万能の教祖である自分を信奉し、自分に従って「法輪功」を修練するよう人びとに要求したが、このことは「法輪功」修練者をマインドコントロールし、それによって人々を思いのままに操り、金銭を巻き上げようとたくらむものであった。そのペテンとたぶらかしのもと、「法輪功」の弟子たちは李洪志をひたすらに崇拝し、操られることを甘んじて受け入れ、自ら死を求めるまでに一切が李洪志の教え通りに考え、行動した。
二、マインドコントロールは邪教の教祖がその「神聖」な地位を強固にし、その信徒をして自分に忠誠を尽くさせる基本手段である。李洪志が「法輪功」修練者に対してマインドコントロールを行う過程は一に誘惑、二に「洗脳」、三に脅しであった。李洪志は病気治療と身体の健康をえさに、「真・善・忍」を隠れみのにして、「法輪功」を修練すれば病気が治って健康になり、性格がよくなるばかりでなく、その恩恵は親類縁者にまで及ぶと吹聴した。修練者は修練のみにとどまらず、「法を学ぼう」として繰り返し暗唱し、繰り返し書き写し、その他の教えの一切を捨てることやその他の考えにけりをつけることを必須条件とされ、「法輪功」でなければ修練せず、「法輪大法」でなければ信じないといった無我夢中の状態になっていったのである。李洪志は自分の「法身(ほっしん)」は限りがなく、「法身」は遍在し、多次元空間への出入りも可能で、信徒たちを守り一人一人の思想と言行を見守ることができると吹聴し、それによって「法輪功」修練者に従うものは栄え、逆らうものは滅びるといった畏敬と恐怖の念を抱かせ、「円満」「仙人になる」「悪霊払い」あるいは「罪業」の清算という結果を得るためその教えに絶対服従させたのであった。こういったマインドコントロールは修練者に対して一分のすきもない組織的コントロールと残酷な身体的コントロールを行う目に見えない足かせで、それによって修練者は気力をなくし、精神がまひし、社会と家庭に対する責任感を失い、それでいて「修練」や「弘法(ぐほう・法を広めること)」に対してはほとんど病的ともいえる執着と熱狂ぶりを示したのである。李洪志が人々をひとまず安心させるために口癖のように言っていたのは「去るもの追わず、来るもの拒まず」であったが、李洪志は「来るもの」に精神的足かせをはめてしまいさえすれば人々は「来る」だけで「去る」ことはできず、だれも去ろうとはせず、去ることもできないことを知っていたのである。しかも、去ることができないばかりでなく、修練者は絶えず「弘法」、絶えず勧誘活動を行わなければならなかった。「弘法」に骨身を惜しまないものが敬けんで誠実なものとされ、多くの人を勧誘してはじめて「円満」になれると教えられていた。一九九八年七月四日、海南省海口市の「法輪功」修練者が「弘法」のため三亜市に行く途中に交通事故を起こし、七人の死者と一人の負傷者を出した。李洪志は次の日、当事者の一人である蒋暁君氏に手紙を書いて言った。「大法の弟子の中でも法輪世界に赴いたもののみが、転生した体で円満となることができるのである。わたしはあなたがたの心は知っているが、実際にあなたがこの手紙を受け取った後に、わたしのあの八人の弟子はすでに彼らのさまざまな世界で円満になっている」。もともと李洪志が用いたマインドコントロールのよこしまなテクニックは、このように「弟子」たちを「転生した体」で「法輪世界」に向かわせるというもので、「法輪功」という伝染病はこうしてまん延し、「法輪功」組織はこのように「強大」になったのである。
三、虚偽と邪説のねつ造は、すべての邪教の教祖が人々をペテンにかけ、ひどい目に遭わせるために用いる手段である。李洪志は「法輪功」組織を拡大し、秘密の目的を達成させるため、「世界終末論」や「地球爆発論」など一連の虚偽と邪説をねつ造し、人びとの恐怖心をあおって恐ろしい雰囲気を作り出し、修練者たちが熱狂的かつ盲目的に自分を追従するように仕向けたのである。李洪志は「人類社会が文明以前に毎回さまざまな周期で滅亡したのは、いずれも人類のモラルが最も堕落した状況下で発生した……」ということをでっち上げ、人類が「堕落」しており「救いようがない」と攻撃し、「人類の大災難」と「終末の来臨」という虚偽をまき散らした。また、「人類は八十一回にわたって完全な壊滅状態になったことがある」とし、現在もまた地球は爆発しようとしていて、自分だけにそれを先延ばしする力があり自分だけが人々を天上に送ることができ、「法輪大法」だけが全人類を救うことのできる「超常大法」であるとも言いふらした。ここ数年来、「法輪功」修練者の中で「世界終末論」と「地球爆発論」の脅しを受けて自殺したり精神異常者となるものが相次ぎ、家族や友人および他人を殺害するものさえ出た。李洪志は宗教と現代科学に関しては全くの素人であるにもかかわらず、仏教、道教、キリスト教などの宗教と現代科学のいくつかの専門用語を盗用し、それらをごちゃ混ぜにしてうそ八百をでっち上げ、その陰謀を遂行しようとしたのである。
世界には邪教が多数あってそれらは多種多様であるが、一般大衆が日常でもっとも関心を示す健康や病気治療の問題に注意を払い、いろいろな手口をろうした。あるものは「万病治療」を旗印に立教し、あるものはまじないによって病気を散らし、あるものは「除霊治療」で金もうけをするなど、実に口がうまくて舌が回り、あの手この手を尽くしているといってよい。しかし、人をだます手口にいかに新しいスタイルが次々と現れても、結局は皆「病気治療」の隠れみのを着ているのである。李洪志は「大言を吐かねば人は信じない」といったペテン師としての哲学を信奉し、「手で三回たたくだけで曲がった背中が治る」といった論法で人はだませない以上、思い切って「法輪功」を修練し「法輪大法」を得れば医者も薬もいらないといった一連の邪説をねつ造し、「何があっても薬を飲まず、医学に頼らない」ということをまじないの代わりにしたのである。
同時に李洪志は、信徒をそそのかして「万人調査」のレポートを作らせて「病気治療の効能」の偽の事例をでっち上げ、修練者を扇動して「信じれば効き目があり、修練すれば病気は治る」といった偽の心得の言葉を毎日互いに言わせた。こういった邪説にだまされて、ある修練者は病気があっても自分で「治った」と思い込んで他人をもだまし、ある修練者は病気になっても医者にかからず薬も飲まずに、それを「罪業消し」とし、また多くの人が医療を拒否するか治療が遅れたために「法輪功」のせいで命を落とした。大まかな統計によると、「法輪功」の修練が原因で死亡した人は全国で千四百人以上に達し、北京、天津、河北、山東の各省・直轄市の七つの医療機関だけでも「法輪功」の修練によって精神に障害を来した百人余りを収容した。哀れむべきこれらの被害者は健康のために「法輪功」に入ったはずなのに、逆に健康になる自らの権利や生きる権利を、「法輪功」の邪説を吹聴し、「法輪功」という魔術をもてあそぶ李洪志の手に渡してしまったのである。李洪志のこれらの邪説は人々を病気にし、発狂させ、傷つけ、死に至らしめるもので、その累々たる罪悪は血生臭く、人命にかかわる重大なことで、これが犯罪ではないと言えるだろうか。邪教の弊害として、これ以上のものがあろうか。
四、現代の邪教の教祖の大部分は、不法なやり方で金銭をかき集めた成り金である。李洪志と「法輪功」幹部たちは、「法輪功」組織は金もうけを考えておらず、営利は追求しないと公言していたが、実際には隠せば隠すほど悪事は明らかになっていく。「法輪功」組織は信徒から金銭を巻き上げるために、書籍、ビデオ、オーディオ製品、修練のための「法衣」、バッジ、修練シートなど「法輪功」関係の製品の非合法製造、販売を大量に組織した。李洪志と「法輪功」組織の幹部たちは「法輪功」修練者の血と汗がにじんだ金を搾り取り、脱税し、巨額の富を築いて成り金となり、別荘を建て、自動車を乗り回し、パスポートを取得して、アメリカの永住許可証であるグリーン・カードも手に入れ、外国のいかがわしいカジノに出入りし、金を湯水のごとく使った。関係部門の初歩的調査によると、一九九二年五月から九四年末まで、李洪志は他人とグルになって五十六期「法輪功」セミナーを開催し、三百万元以上をかき集めた。「法輪功」武漢支部の責任者が設立した武漢深深公司は「法輪功」関係の書籍やオーディオ資料を非合法で出版して九千万元以上の収益を上げたが、契約によると李洪志に原稿料と校正料を支払ったほかに総売り上げの八%が李洪志個人に支払われることになっていた。最近調査されたこの一件と別の二件の「法輪功」の非合法産業事件だけでも、非合法経営額は一億六千万元に、非合法に獲得した利益は四千万元以上に達する。海外の銀行における李洪志の巨額の預金は、現在調査中である。
五、邪教には一般的に教祖を中心とする厳密な組織があり、なぞめいた活動が行われている。李洪志は何度も「大道に形なし」で、「法輪功」に組織はなく、「修練者が勝手に集まっているだけだ」と公言していた。だが実際は、李洪志を頭目とする「法輪大法研究会」は厳密な組織であり、全国各省・自治区・直轄市に三十九カ所の支部、千九百カ所の指導所、二万八千二百六十三カ所の修練所が設置され、二百十万人の修練者を操っていた。「法輪功」組織のシステムには完備された組織制度があり、李洪志は「中国法輪功規則」、続いて「法輪功指導所に対する要求」、「法輪大法弟子伝法伝功規定」、「法輪大法修練者心得」を制定した。また、内部にもはっきりとした分掌制度があり、「法輪大法研究会」は対外連絡チーム、功理功法チーム、翻訳チーム、運営チームなどが設けられ、また特別に「老公務員活動チーム」も設置された。さらには、「法輪大法研究会」が各地の支部の設立、合併、閉鎖、および支部長と副支部長の審査と任免を指示することを含む厳格な管理規制があった。指導所の所長は李洪志が開催する養成セミナーの参加者に限られると、李洪志は規定した。「法輪功」組織はすべてがなぞめいており、連絡も秘密裏に行われ、活動も秘密で、騒動の計画も秘密であり、外からその内部をのぞいても実態が分からないだけではなく、一般の修練者にもその詳細は知らされていなかった。李洪志が外国で秘密の「指令」を発すると、数日中にはすべての修練者に伝わるようになっており、それはインターネットなどの現代的通信手段によるばかりでなく、こういった厳密な組織のシステムによるものだったのである。「法輪功」組織のトップと幹部は公安機関の捜査に対抗するための特殊な手段を用い、わざと走行中の車の中で重要事項の密談をするなどして捜査から逃れようとした。党・政府機関を包囲しての非合法活動の計画にはさらに細心の注意を払って組織し、各地の互いに面識のない「法輪功」修練者は胸の「法輪功」バッジや手に持った「法輪功」の書籍を目印に、互いに言葉を交わすこともなく誘導して、決められた位置に立つことができたのである。
六、邪教の害は、極端な手段で現実の社会に対抗する点に主に現れる。邪教の「教祖」はおおかた政治的野心を持ち、初めから政治的たくらみを明らかに持っているものもあれば、勢力が拡大してから政治的野心もそれに伴って膨らんでいったというものもある。教祖たちは「秘密の王国」で神としての権限に教義上の権限を加えた統治を行うだけでは飽き足らず、全国ひいては全人類に神としての権限に教義上の権限を加えた統治を行おうとするようになる。その政治的野心実現のため、教祖たちは信徒の命をいけにえ、もしくは政治的なかけのための元手とするか、あるいは反社会的、反人類的な狂気じみた行動に出て世界を驚かすものである。「人民寺院」の教祖ジム・ジョーンズは邪教を立教することでその政治的主張を実現させようとたくらみ、その腹黒い内心が暴かれた後はついに九百人余りの信徒と共に集団自殺を遂げた。日本の「オウム真理教」の教祖麻原彰晃は選挙に打ち勝って日本の政界の中枢に進出しようとしたたくらみが挫折した後、地下鉄サリン事件を起こして狂気じみた報復を行い、五千五百人の死傷者を出した。李洪志は「法輪功」修練者を自分の「王国の中」に誘い込み、思想上、行動上から次第に現実社会と隔離させ、その後で社会に反抗する道を歩ませた。一九九六年八月に李洪志が「法輪功」組織を指揮して光明日報社を包囲して以来、三百人以上を集めた非合法にデモを行った事件は七十八回に達した。四月二十五日の中南海包囲事件は李洪志が矢も盾もたまらずに政治的野心の実現をたくらんだ一大パフォーマンスで、党と政府に対するあからさまな挑戦と示威であり、国外の敵対勢力が巻き起こした反中国の濁流とはるか遠くから相呼応するものであって、国外の敵対勢力が今までしたくてもできなかったことをしたのである。中海南を取り囲んだのは「釈明を聞く」ためだと称してはいたが、実際には別のたくらみがあった。「法輪功」組織の幹部は李洪志の「経文」を伝達した際に、「少しくらい血を流すくらいでなければだめだ」と言った。一般の修練者に血を流させるのもためらわずにいて、何が「釈明を聞く」だろうか。
邪教の「教」の字は宗教の「教」を指すのではなく、邪悪な説教、邪悪な勢力を特に指すのである。邪教とは宗教、気功あるいはその他の名義をかたって組織を造ってはその首謀者を神格化し、迷信や邪説を作り出して広めるなどの手段で他人を惑わしてペテンにかけ、メンバーを増やしてそれを操り、社会に危害を加える非合法組織のことをいう。李洪志およびその「法輪功」組織はいくつかの宗教、気功の用語や概念を盗用したが、宗教や気功と言えるものではあり得ない。こういった政党でもなく、宗教でもなく、気功でもない性質、およびその深刻な危険性からすれば、「法輪功」組織はまさしく邪教である。われわれは「法輪功」を、宗教や気功などの健全な組織とはっきり区別する必要がある。「法輪功」組織の活動とそれによってもたらされた悪影響に対して、幅広い一般大衆、科学者、宗教界の人々は断固として反対するものである。
今世紀の六、七〇年代以来、西側諸国では邪教が引っ切り無しに出現し、その活動は猛威を奮い、世界を驚かせた一連の事件を起こし、社会に深刻な危害を加えてきており、邪教に対する取り締まりを要求する声は日増しに高まっている。責任を重んじるいかなる政府も、邪教がほしいままに人々の生命の安全に危害を加え、公共の秩序と社会の安定を破壊するのを許すはずはない。人民の利益を最高の利益とする中国共産党と人民政府は、邪教に対し決していいかげんな態度を取ることはしない。なぜなら邪教に対して慈悲深くすることは、公民の人権を踏みにじることになるからである。
以上、この文章は、「法輪功」組織が社会にもたらした深刻な危害を取り除くことの必要性を指摘している。
さらに文章はこう述べる。邪教「法輪功」との闘いはその当初から、厳密に法に基づいて行われ、政策面での違いに注意し、ごく少数の「法輪功」組織の中堅幹部を取り締まり、最大多数の修練者を自分たちの側に引き寄せて教育することに気を配った。「法輪功」に反対する目的は、それが社会に対して引き続き危害をもたらすのを防ぐことである。