首都各界の澳門祖国復帰祝賀大会における
江沢民主席のあいさつ
一九九九年十二月二十日
同志のみなさん、友人のみなさん
今日、荘厳な五星紅旗と澳門特別行政区の区旗が澳門で高く掲げられ、わが国の政府は澳門に対する主権行使を回復し、中華人民共和国澳門特別行政区が正式に発足しました。これは香港の祖国復帰後に次ぐ中華民族のいま一つの盛事であり、われわれが祖国統一の大業を完成するいま一つの重要な一里塚です。澳門の祖国復帰は、中国人民が長期にわたって困難に満ちた闘争を進め、発奮して強大化を図って得た結果であり、社会主義祖国と中華民族のすべての息子と娘の誉れと誇りであり、世界の正義と進歩的な事業の偉大な勝利でもあります。
人の心を奮いたたせるこの時において、われわれは毛沢東同志、ケ小平同志ら先輩のプロレタリア革命家を心からしのび、民族の解放、人民の幸福、祖国の統一と富強を実現するため英雄的に献身し、生涯奮闘したすべての烈士、先輩を心からしのんでいます。われわれは彼らが祖国と人民のために立てた偉大な功績を永遠に銘記します。
澳門の祖国復帰は澳門の歴史の新紀元を切り開きました。澳門の同胞はこの時からこの土地の真の主人公となりました。祖国の現代化事業の日増しの隆盛は必ずや澳門の発展に新たな活力をたえず注ぎ込むでしょう。祖国人民は永遠に澳門同胞が奮起して前進する強大な後楯です。
澳門と祖国の分離と団欒は、近代以来の中華民族の発展史の縮図です。昔の澳門は、旧中国が貧しく、弱く、いじめられるという状況の下でポルトガルに一歩一歩占領されたのであります。今日の澳門は、新中国が胸をはり大またで繁栄、富強に向かう過程において勝利のうちに復帰したのです。この歴史的変化は、現代の中国と中国人民の強大な力を十分に示しています。
ケ小平氏の打ち出した「一国二制度」という偉大な構想は、われわれが香港、澳門と台湾の問題を解決し、祖国の完全な統一を実現する唯一の正しい方針です。「一国二制度」の香港における成功裏の実践は、澳門に貴重な経験を提供しました。中央政府は確固として揺るぎなく「一国二制度」、「澳門人による澳門管理」、高度の自治の方針を実行し、澳門の現行の社会・経済制度の不変、生活様式の不変、法律の基本的不変を保つでしょう。われわれは確固として揺るぎなく澳門特別行政区行政長官と政府の法による施政を支持するでしょう。われわれは確固として揺るぎなく澳門の住民が基本法から与えられる権利と自由を十分に享有することを保障します。澳門における外来投資家の利益は法によって保護されるでしょう。澳門の同胞と各界の人士が必ず自らの聡明と知恵を発揮して、澳門をより麗しく建設できるものとわれわれは信じています。
この時に、私は唐代の詩人王維の「遥(はる)かに知る兄弟(けいてい)高きに登る所。遍(あまね)く茱萸(しゅゆ)を挿(さ)すも一人(いちにん)を少(か)かん(九月九日の登高の行事の時、兄弟が一人欠けているのを知る)」という有名な詩句を思い出しました。祖国大陸部の人民と香港同胞、澳門同胞がともに澳門の祖国復帰という民族の盛事を祝う時、台湾の同胞もわれわれと同じような喜びの気持ちを持っていると私は信じます。国内外のすべての愛国的同胞と世界の有識者は皆、香港と澳門のスムーズな祖国復帰の事実から「一国二制度」の科学性と正しさを見てとり、「一国二制度」が台湾問題を解決する最もよい方式であることを見てとりました。一つの中国の原則に従って、中国の完全な統一を実現するのは、台湾同胞を含む全中国人民の共通の願いであり、歴史発展の必然的なすう勢であり、いかなる勢力もそれを妨げることができません。われわれは、台湾当局がこれ以上歴史の流れに逆らわず、これ以上両岸関係の発展に障害を設けず、これ以上台湾同胞と中華民族全体の根本的利益を損なうことをしないよう望むものです。中国政府と中国人民は、中国を分裂させるいかなる企みに対し決して傍観するようなことをしません。「平和統一、一国二制度」の方針の導きの下で、われわれはできるだけ早く台湾問題を解決し、祖国統一という偉大な事業を完成する決意であり、またその能力を完全に持っています。
新中国は朝日のように東の空からさし昇った時から、大きな変遷を経験した祖国の大地には天地を覆すような変化が発生しました。自らの運命を握った中国人民は、党の指導の下で、困難に満ちた実践を通じて、中国の特色を持つ社会主義建設の偉大な道を歩み始め、中華民族の全面的振興という輝かしい未来を切り開いています。
歴史が教えているように、中華民族は世界各民族の中で自立するには、必ず全世界に目を向け、時間とともに進み、自力更生を堅持し、刻苦奮闘し、政治に精励し、中国の経済力、国防力、民族の凝集力を絶えず増強しなければなりません。当面の世界の激烈な競争の前で、前進しなければ後退します。われわれはあくまでマルクス・レーニン主義、毛沢東思想特にケ小平理論で世界の大勢と国家の運命を観察し、あくまで中国の実際から出発し、確固して自らの道を歩み、社会主義改革と社会主義現代化建設を最後まで推し進め、絶えず中国の発展と繁栄の新しい境地を切り開かなければなりません。
二十一世紀の鐘は間もなく鳴らされます。政治の多極化と経済のグローバル化は未来の世界の二大すう勢であり、われわれは厳しい挑戦に直面し、これにもまして得難い発展のチャンスに直面しています。チャンスと挑戦はわれわれの知恵と力を試練しています。全国各民族人民は、中国共産党の周りにいっそう緊密に結集し、心を一つにして、開拓、前進し、わが国を富強、民主、文明の社会主義現代化の国に築き上げ、人類の平和と進歩の崇高な事業を促進するために、新たな、より大きな貢献をしなければなりません。