中国の当面の人口について


。。環境、経済および社会問題など中国の多くの問題は人口の問題と密接な関係を持っている。歴史が一九九九年まで発展し、新たな世紀に入ろうとしているこの時点における中国の人口の動向はどんなものであろうか。

総人口

。。統計によると、一九九八年の中国の出生率は一・六〇三%、死亡率は〇・六五〇%、自然増加率は〇・九五三%(初めて一%以下となった)で、人口総数は十二億四千八百万人に達した。

。。十二億四千八百万の人口という数字は統計、調査の結果である。近年の人口の申告漏れという厳しい状況を考慮に入れれば、現在の人口の総数は十二億五千万人になると見られているが、これもかなり控え目な数字である。三年前から、人口統計の中の申告漏れは約一千万人に達すると見る人もいた。この要素を考慮に入れれば、現在の人口は十二億六千万と推測しても、信じられるものと思われる。

。。それにもかかわらず、国の人口計画についての計画任務は期日通りに達成されるものである。つまり、二〇〇〇年までに、中国人口総数は十三億以内に抑えることができるということである。一九八〇年以前の出産ピーク期においては、五年間に一億の人口が増えた。一九八〇年以後、大体七年で一億の人口が増えた。政府の制定した人口計画に基づいて、次の世紀の最初の十年間に一億の人口しか増えないことになっている。それ以後、十五年ごとに一億の人口が増えることになっている。人口学者の推測によると、このような厳格な人口政策に基づくと、次の世紀の中葉前後になると、中国人口総数は現在より三億増の十六億人に達すると見られている。

。。これを見ても分かるように、人口が生産力を制約する現象は中国では長期にわたって存在し、計画出産は依然として中国の基本的国策となろう。

都市・農村の構成

。。一九九八年における中国の圧倒的多数の人口は農村人口に属していた。総人口の七〇%を占める約八億七千万の人口が農村にいる。その他の三億八千万の人口は都市部にいる。こうした状況から、中国の都市化レベルは依然として低いものである。一九九二年以降、中国の都市部の人口は毎年約一千万人増えるようになった。

  都市部人口(万人) 総人口に占める比率(%)
1992年 32372 27.64
1993年 33351 28.14
1994年 34301 28.62
1995年 35174 29.04
1996年 35950 29.37
1997年 36989 29.92
1998年 37942 30.40

。。しかし、戸籍に基づいて都市部の人口構成を判断のは、実際には合理的なやり方ではない。中国では、農民の離農現象が普遍的に存在している。都市で働いている五千万ないし八千万人の農民を都市部の人口と見るなら、現在、中国の都市化レベルは三三〜三六%に達している。流動的な農民労働者が連れてきた子女を都市部の人口と見なすなら、この比率はもっと高くなる。それに、一億三千万以上の郷鎮企業の従業員を都市人口と見なすなら、中国の都市部人口は少なくとも四五〜四六%に達する。また、この人たちの子女を加えれば、非農業人口の総人口に占める比率は約五〇%であると言える。農民労働者の流動には二重性があるにもかかわらず、そして、郷鎮企業が土地を離れても郷里を離れない性格があるにもかかわらず、離農化の過程はまさに都市化の始まりである。

就業の状況

。。都市部の失業人口(農村の失業人口は含まない)がたえず増加する状態にある。

  都市部の登録された失業者数(万人) 登記された失業率(%)
1992年 393.9 2.3
1993年 420.1 2.5
1994年 476.4 2.8
1995年 519.6 2.9
1996年 552.8 3.0
1997年 557.6 3.1

。。失業率が年を追って上昇するため、中国の就業状況は厳しいものとなった。先進諸国の失業率はしばしば三%を上回ることもあるが、その失業人口の絶対数はわりに少ない。中国の三%の失業率は五百万以上の失業者数を意味している。これは登録された失業者数である。実際には登録されていない失業者が一部存在している。

。。就業状況の厳しさは失業者が多いことに具現されているだけでなく、一時帰休者の人数の増加にも具現されている。一九九三年以来、中国の一時帰休者の人数は年を追って増えている。

  一時帰休者数
   
1993年 約300万人
1995年 約564万人
1997年 1200万人

。。一九九八年九月までの統計によると、全国の一時帰休者は千七十万人で、そのうち、国有企業の一時帰休者は七百十四万七千人で、一時帰休者数の六六・八%を占めた。毎年、一時帰休者の五〇%は適切に再配置されているにもかかわらず、就業の機会を待っている一時帰休者は五〇%に達している。

。。研究が示しているように、一九九八年に、全国で新規増加した労働力は千二百万人、新規増加した一時帰休者は三百五十万人、削減された軍隊と中央政府機関の職員は二十万人、三者の和によって構成される新規増加労働力は千五百七十万人で、それに一九九七年の千二百九十万人の就職を必要とする人たちを加えると、その年の労働力供給は二千八百六十万人に達する。労働・社会保障部の推測によると、一九九八年に中国で按配された労働就業の職場はこの数字よりはるかに少なかった。一九九九年における就業を必要とする人たちの数は非常に多く、今年の就職と再就職の状況には依然として厳しいものがある。

。。この厳しい状況はこれから先二十年近く続くであろう。人口学者の予測によると、中国の将来の十五〜五十九歳の人口は二〇二〇年までずっと増えつづける。この年齢の人口は二〇〇〇年までに八億二千万、二〇一〇年までに九億二千万、二〇二〇年までに九億四千万とピークになると見られている。これから先二十年間に、中国は現有の失業人口と一時帰休者の就職問題を解決することを踏まえながら、新規増加した一億二千万人のために就職の機会をつくらなければならなくなる。

貧困人口

。。中国は貧困脱却扶助政策を長期にわたって実施し、農村の数多くの貧困人口は絶対的貧困の状態から脱却し、発展するようになった。一九九八年現在、中国の農村部に貧困人口が五千万人もいた。自然生態状況が非常に厳しい西部山間地帯に生活している者は八〇%に達し、これからの貧困脱却扶助活動の重点となった。

。。市場経済へシフトする過程で、中国の都市部における新たな貧困人口の出現は不可避である。都市部の貧困人口と農村部の貧困人口には大きな違いがある。この人たちの貧困脱却は職場によって解決されるものである。したがって、ある程度において都市部貧困人口の貧困脱却は農村部貧困人口の貧困脱却よりも困難である。特に、労働力が大量に余剰となっている今日においてはそういえる。現在、都市部の失業者と一時帰休者およびその家族をともに計算すれば、都市部貧困人口は千五百万ないし二千万と推測する方は正しいと思われる。

。。もちろん、貧困と富裕との分化の過程で、貧困人口の数はやや増えている。各省・市には相対的貧困ラインの基準がないから、この数字は確定しにくい。

人口の学歴構成

。。中国には、十五歳及びそれ以上の人口の非識字者および半ば非識字者の人口総数に占める比率は年を追って減少している。

。。 1990年 1997年
15歳及びそれ以上の非識字者および半ば非識字者の比率 15.88% 12.11%
15〜45歳の非識字者および半ば非識字者の比率 10.38% 5.52%

。。中国の中等学校以上の学歴をもつ人口の総人口に占める比率はたえず向上している。

教育を受けた15歳以上の
人口の総人口に占める比率

 
。。 1990年 1997年
小学校卒の学歴 37.06% 37.56%
中学校卒の学歴 23.34% 29.62%
高校卒の学歴 8.04% 9.59%
大学卒以上の学歴 1.42% 2.53%

。。しかし、中国総人口の教育を受ける平均年限は五・二四年しかないが、全般的に言えば、中国人口の学歴水準はまだ低いものである。特に、都市と農村における学歴の状況にはまだ大きなギャップが存在している。関係筋の分析によると、都市部人口の学歴の状況が農村部人口よりはるかに高い状況の下では、大学入試制度の改革は農村の多くの貧困家庭の子女を大学の門外から締め出す可能性がある。つまり、これから先の一時期に、都市部人口と農村部人口の学歴のギャップはますます大きくなる。

都市部の15歳以上の人の学歴

  農村 都市
小学校卒 28.3% 38.0%
中学校卒 26.6% 29.7%
高校卒 4.5% 20.7%
大学卒以上 0.3% 7.5%

婚姻と家庭

。。中国人口の婚姻・出産の年齢はいっそう大きくなる傾向である。統計によると、一九九一年における女性の初婚年齢は二二・二三歳、一九九四年は二二・七三歳、一九九七年は二三・三九歳で、六年間で一・一六歳上昇した。一九九一年における女性の初産年齢は二三・二八歳、一九九四年は二三・三九歳、一九九七年は二四・四八歳で、六年間で一・二〇歳上昇した。

。。結婚率にもいっそうの上昇が見られる。十五〜三十四歳の人口の結婚率は、一九八二年は九五・〇七%、一九八七年は九五・六一%、一九九〇年は九五・九五%、一九九七年は九六・二四%。一九九七年における中国の十五〜三十九歳人口の結婚率は九七・六五%に達し、一九八二年以来のピークとなった。

。。晩婚晩育(正常な結婚、出産の年齢より遅れての結婚、出産)政策の影響の下で、中国の家庭の規模はますます小さくなっている。一九八二年の家庭の規模はひとつの家庭は四・五一人、一九八八年末は四・〇三人、一九九一年は四・〇一人、一九九五年は三・七〇人、一九九七年は三・六四人に下がった。

。。現在、中国の都市・鎮・県の家庭の規模はそれぞれ平均三・二五人、三・二七人、三・八五人である。

高齢化社会に入り始めた

。。中国人口の寿命は一九九〇年の国勢調査によると、男性は六七・五八歳、女性は七〇・九一歳であった。一九九九年にはさらに上昇するものと見られている。

。。寿命が伸びたことは出生率の低下の状況の下では、必ず老年人口の増加をもたらす。

。。世界では、人口共同体の中の六十五歳以上の者が総人口の七%を占める場合、老年型人口と称されている。中国では、六十五歳以上の人口が総人口に占める比率は、一九九七年には七%という高齢社会のラインに近い六・六%に達した。一九九八年出版の「中国人口統計年鑑」の一部データで推算すれば、六十五歳以上の人口は総人口の約七%を占めている。これは、中国がすでに高齢社会に入ったことを意味する。現在、広東、山東、福建、浙江、遼寧、北京、上海、天津などの省・直轄市では、六十五歳以上の高齢者は総人口の中で七%を大いに上回るものとなった。そのうち、北京市はすでに一四%、上海市は一三%、天津市は八・六五%に達した。予測によると、二〇〇〇年までに、中国の六十歳以上の高齢者は総人口の一〇%を占め、世界の六十歳以上人口の二一%を占めるようになる。

 

 

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