2000年問題って何?
2000年(Y2K)問題とは、コンピュータのシステムが西暦2000年に対応できないために、不具合が発生することをいいます。金融システムや列車の制御システムなどの大規模なシステムのことが話題になっていますが、個人の使用するパソコンでも同様の問題が発生する可能性があります。
2000年問題は、日付に関する処理が正しく行われなくなるものです。2000年になると、パソコンがまったく動かなくなってしまったり、単純な計算の結果がデタラメになってしまうというものではありません。
何が原因で起きるの?
コンピュータのプログラムが、年が1900台から2000台へ変わることに対応していないために、正しい処理ができなくなってしまうのが基本的な原因です。例えば、年を2桁の数字で表していると、99から00へ変化します。このため、年の大小関係を正しく処理できなかったり計算できなくなってしまうのです。
また、西暦2000年はうるう年です。これに対し、1900年や2100年はうるう年ではありません。うるう年の規則はちょっと複雑なので、この部分の処理を間違えて2000年問題が発生する可能性もあります。
できれば事前に確認しておきたいこと
パソコンで2000年問題を起こす原因となるのは、(1)パソコン本体、(2)パソコンのOS、(3)パソコン上のソフト、のいずれかです。
これらすべてを2000年問題対応済みにしておけば、問題は発生しません。逆に、どれか一つでも問題を持った部分があると障害が発生する可能性があります。特にパソコン本体、OSに問題があると、発生する障害が大きなものになる場合がありますので、必ず確認しておきましょう。
パソコン本体について
パソコン本体にはファームウェアと呼ばれるプログラムが組み込まれています。WindowsパソコンではBIOS(バイオス)と呼ぶこともあります。旧型のパソコンの場合、ファームウェアが2000年問題に対応できていない場合があります。
お使いのパソコンが2000年問題に対応できているかどうかは、メーカーのホームページやサポートセンターなどでご確認ください。
- パソコンのOSについて
ここでOSといっているのは、WindowsやMacOSなどです。OSもプログラムですから、2000年問題を起こす原因となる部分を含んでいるかもしれません。
OSメーカーが、それぞれのバージョンに対するレポートや対策ソフトの配布を行っていますので、ホームページやサポートセンターで確認し、正しい対策を行ってください。
- パソコン上のソフトについて
メーカー製のソフトの場合には、多くのメーカーがそれぞれのバージョンに対するレポートや対策ソフトの配布を行っていますので、ホームページやサポートセンターで確認し、正しい対策を行ってください。
フリーソフト、シェアウェアの場合には、残念ながらあまり多くの情報は得られません。作者がサポート用のホームページを公開している場合には、そちらを参照してみてください。
パソコン上のソフトの場合、もともと2000年問題とは無関係なものもあります。先にも書いた通り、2000年問題は日付に関わる部分で発生します。多くのゲームソフト、テキストを処理するプログラム、画像を処理するプログラム、音楽ソフトなどは2000年問題とは無関係なものが多いと考えられます。
逆に日付と密接に関わるソフトは注意が必要です。カレンダー、時計、日記、家計簿、会計ソフト、税務ソフトなどは2000年問題が発生する可能性が高いと考えられます。
2000年問題で被害を受けないためには
2000年問題は、2000年1月1日、3月1日に多く発生すると考えられています。これらの日の前日にはデータのバックアップを行い、当日の使用時には主要な機能が正しく動作しているかどうかを一通り確認されることをお勧めします。自動運転のソフトの場合には、これらの日時をまたぐ動作は行わないように、パソコンを一旦停止するか、人が見ている状態で動作の確認を行ってください。
会計ソフト、税務ソフトなどでは2000年1月と2月を含む期間の集計が狂ってしまう可能性があります。事前にパソコンの時計を進めてテストを行うなどの確認作業をお勧めします。
|