裁判レポート・控訴審第2回(掲
載:2003年6月15日) なお、録音や裁判所の公式な速記等に基づいているものではな い為、 実際の法廷内のやりとりとは若干、異なる場合があります。 |
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裁判官「それでは始めます。控訴人側は新規に準備書面 を、被控訴人側は釈明書を提出されましたが被控訴人側は控訴人の準備書面に対して何か反論はありますか」 |
eb側代理人(以下「eb」)「い
いえ。我々の主張は一貫して『地裁の判断は正当と考えている』と言うものであり、これ以上の反論を追加することは考えておりません」 |
裁判官「控訴人側は何かあり
ますか」 |
任天堂側代理人(以下「任天堂」)「一審判決は『細部に 少しでも相違点があれば、それだけで全ての侵害が否定される』と言う本末転倒なアプローチに基づくもので断じて受け入れられません」 |
裁判官「それでは、弁論はこ
こまでにして検証に移りたいと思います。控訴人側の準備はよろしいですか」 |
任天堂「それでは始めさせて
いただきます」 |
――『トラキア』プレイ開始。テストプレイヤーは恐らく
IS社員と思われる痩身・眼鏡の男性。 第1章スタート→導入→プレイヤー側ターン→敵と遭遇→撃破…… |
任天堂「第1章クリアまでに
どのぐらいの時間を費やしますか」 |
IS社員(?)「順調に行け
ば約20分、初心者の場合は90分ぐらいでクリアと言う数値が平均的だと思います」 |
任天堂「それでは、クリアま
でのトータルだとどのぐらいになりますか」 |
IS社員(?)「やはり個人
差がありますが、100時間ぐらいでしょうか」 |
――開始より20分ほど経過してプレイ終了。 |
裁判官「我々はゲームの開発
に携わっている訳ではないので、今の説明だけで両者の共通項と言われましてもピンと来ない部分があると言うのが正直なところです。もし必要があれば、我々
が実際にゲームをやって検討すると言うことも考えてみますが(笑)」 |
――両者、裁判官の提案には特に反応せず。 |
任天堂「次に、前回お約束し
ましたビデオテープですが完成が遅れております。そこで、方針を少し変更しまして印刷媒体だけでなく、より視覚的にTSがFEの悪質な剽窃・パクリ
であることを説明するためDVDを製作中です。DVDは両ゲームの画面を分割表示してより容易に比較が出来るようにする他、『リーフ死亡』のよう
にインデックスを設定して場面ごとの頭出しが出来るようにしております」 |
eb「お言葉ですが、控訴人の『映像著作物の特性』だとか『画面の共通項』がどうとか言う議論は無意味だとしか思えません」 |
――eb側弁護士の上記発言により場が紛糾。裁判官の制止入る―― |
裁判官「……よろしいです
か? 今回のような形で当事者が同じテーブルで膝をつき合わせて話すと言うことは、地裁レベルではよくありますが高裁では滅多に無いことなんですがね(暗に任天堂側の時間稼ぎを批判?)……そ
れで、次回の審理ですが控訴人側の証拠作成なども考慮致しまして――盆休みも挟むことになる訳ですが――8月28日(木)の14時15分からと言うことで
調整したいのですが」 |
――双方とも日程について了承。 |
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