マスター・アンド・コマンダー ★ ★ ★ ★

監督 ピーター・ウィアー 主演 ラッセル・クロウ

見た目のイメージとは裏腹に、ずいぶんこぢんまりとしたシンプルな映画であった。
やってることは英国のサプライズ号とフランスのアケロン号の一騎打ちだけ。
大枠のストーリーは無し。
描かれるのは主人公側のサプライズ号だけで、敵側の描写はいっさい無し。
だもんで、有るのは戦闘とサプライズ号の内部のディテールだけである。
船を横付けしての砲撃戦は男の子なら勃起しっぱなしだし、
男達の男気が炸裂する燃えるシチュエーションや要素がこれでもかというくらい繰り出されるので、
男映画としては大変満足な出来である。
ただ、シンプルすぎてドラマに厚みがないのが弱点だ。
原作が連続小説なので、俺が前後を理解できてないだけかもしらんけど。


ヘブン・アンド・アース 天地英雄 ★ ★

監督 フー・ピン 主演 
チアン・ウェン 中井貴一 ヴィッキー・チャオ

前半はとにかくグダグダで、お話もつかみ所がない。
中盤になってようやく、追う者と追われる者、日本人と中国人が
友情を育む男ドラマになるかと思いきや、さして盛りあがらんまま
トンデモなラストを迎えてしりつぼみで終了。

中井貴一はなかなか良くて、初めて中井喜一をかっこいいと思ったが、
故郷への郷愁がちらっと語られるだけで、日本人である必要が全くない。
他のキャラもそれぞれ魅力的ではあるのだが、いまいちそれをいかして
お話を盛り上げようという気が感じられん。
脚本、編集がとにかく散漫で、しかも時間切れで強制終了させてしまったので、
何もかもが中途半端になってしまっているのだ。

アクションは最後の戦いなんかはそれなりに迫力があるし、

ヴィッキー・チャオがコスプレして戦う姿が何とも可愛らしいので良しだ。

ヴィッキー・チャオは入浴シーンもあるでよ。


聖闘士星矢 天界編序奏〜OVERTURE〜
 ★

監督 
山内重保 キャラクターデザイン・作画監督 荒木伸吾 姫野美智

10数年ぶりに観る
『聖闘士星矢』です。
『聖闘士星矢』の体をなしていれば、映画としてどんなに出来が悪くても全てを受け入れるつもりでした。
ココロはお坊様のよーに澄み切っており、頭の中では『ペガサス幻想』が鳴り響いておりました。

で、私が観た映画はいったい何なんだったのでしょう。
理解不能です。
聖闘士星矢のフォーマットを完全に外してるばかりか、映画としても完全に破綻してます。

決してお話が解りにくいわけではありません。
「天界編序奏」とある通り、ただの予告編です。
東映まんが祭りなら20分ですむお話です。
確かにラストで場内に失笑が漏れ、周りを見回すとみんなポカーンとしてましたが、
アレはおまけみたいなもの。
ただこの作品が
『聖闘士星矢』の体をなしてないだけです。

それじゃあ何が解らないかというと、
そこがどこなのか、どうやって、何が目的でそこに来たのか全く解らないのです。
しかもシーンが全く繋がってないばかりか、シーンが変わるごとに毎回
同じような台詞を吐いて、同じような展開が延々と単調に繰り返されます。
これは拷問に近いです。


ゼブラーマン
 ★ ★ ★

監督 三池崇史 脚本 宮藤官九郎 主演 哀川翔

三池崇史、アンタ間違ってる。
最後にCGと闘わせてどうする。
確かにCGが浮いてるにもかかわらず、全く違和感がないのは
さすが三池崇史というところだが、あそこは土着のアナログ特撮でやるべきとこだろう。
しかも特撮研究所で。

ラスボスのキャラがあまりにも弱すぎるのだ。
それどころか敵が全く描かれてないと言ってもいい。
特に哀川翔と闘わせようってんだから、相当なモノを用意してくれんと。
CGに哀川翔とタメはれる存在感があるわけがない。
哀川翔は何もしなくても立つんだから、誰と闘わせるかに力を注ぐべきだった。
最終形態で丹波哲郎になるぐらいの大技が欲しいところだね。
ヒーロー物は敵に魅力がなけりゃ盛りあがらんぞ。

宮藤官九郎の脚本は『ドラッグストア・ガール』に続いて
前半は悪くないんだが、後半は盛り上がりに欠ける。
そこは本来、三池崇史がフォローせねばならんところなんだが、
上記の通りである。

結局この映画の屋台骨を最終的に支えるのはゼブラーナースも含めて
鈴木京香である。大オチで突き抜けられるのも鈴木京香の視線があるからこそである。
ゼブラーナースの熟れた身体で飯3杯はイケるね。


ラブ・アクチュアリー ★ ★

監督 リチャード・カーティス 主演 ヒュー・グラント

9本の小粒なエピソードを並列に並べて、同時に動かしていくのだが、
2時間15分と長いうえに、一本調子で鬱陶しいことこのうえない。
だいたいがそれぞれのエピソードのディテールを記憶できん。
だもんでそれぞれのエピソードに感情移入できない。
まぁ、こじゃれて気の利いた雰囲気を楽しむための映画なんだろうけど、
俺の口には合わんわ。


ドラッグストア・ガール ★ ★ ★ ★

監督 本木克英 脚本 宮藤官九郎 主演 田中麗奈

これは詰めが甘い。ラストに向かっての感情的な盛り上がりが全くないのだ。
何のために一人殺したんだ。
オヤジ達の青春と田中麗奈の青春がシンクロする方向に持って行かにゃアカンだろう。
ベタベタにいくらでも盛り上げられたろうに、伏線を全部投げちゃった。
それとライバルをちゃんと最初から設定しておくべきだった。
とはいえ前半は小ネタで十分楽しめるし、オヤジ達が楽しそうにやってるのも良い。
そして何より田中麗奈の魅力が全開なのだ。脚を出すしね。
やっぱり田中麗奈は素晴らしい。
田中麗奈に肩入れしてなければ★ ★ ★が相当。


蒼い夏 ★ ★ ★ ★ ★

監督 松浦徹 主演 大沢あかね 

幼い頃に母親を病気でなくして、父親と2人暮らしだったが
その父親も交通事故で帰らぬ人となる。
そして死んだ父親にバーからの請求書が届いたことによって、自分の知らない父親の姿を知り、
そこから死んだ父親の実像を探る旅が始まる。
当然そこには女性の影が浮かび上がる。
そして探っていくうちに、詩人になりたかった父の夢と、絵描きになりたい自分の夢が重なって、
父親の母への想い、そして自分への想いを知るのであった。

これは実に正しい。アイドル映画、少女映画の王道である。
大沢あかねはなかなかできる娘のようで、常にぶっちょう面したクールな女の子を好演。
脚本・演出ともにつたないところはあるが、これだけ正しけりゃそれで十分。
アイドル映画的なケレン味は薄味だが、その分抑制された恥ずかしさが効いている。


ニューオーリンズ・トライアル ★ ★ ★ ★

監督 ゲイリー・フレダー 主演 ジョン・キューザック ジーン・ハックマン ダスティン・ホフマン レイチェル・ワイズ

法廷モノといっても場外乱闘がメインである。
本作の肝は、自分たちに都合のいい陪審員を選出するために陪審員候補の素性を調べる
陪審コンサルタントの存在である。
悪玉陪審コンサルタントのジーン・ハックマンは盗聴、盗撮、恐喝、等々を駆使して法定外で陪審員に働きかけて
評決を我がモノとしてきた伝説の陪審コンサルタントなのである。
弁護士はただのお飾りで、とにかくジーン・ハックマンが陪審員を抱き込むことができれば勝ちなので、
善玉弁護士ダスティン・ホフマンが相対するのは敵側の弁護士ではなく、
悪玉陪審コンサルタントのジーン・ハックマンということになる。
そこに謎の女レイチェル・ワイズと謎の陪審員ジョン・キューザックのコンビが登場して
双方に対して評決を買わないかと持ちかける。
かくして場外乱闘の始まりである。

三つの勢力の三角関係、陪審員の面々の人となりや状況がちゃんと整理されていて解りやすく、
レイチェル・ワイズとジョン・キューザックのコンビの目的は何かの一点でサスペンスを盛り上げる。
テンポが良くて、緊張感が途切れることもない。
何より変な色気を出さずに、オチがすかっと爽快で爽やかなとこが本作の素晴らしいところ。


半落ち ★ ★ ★

監督 佐々部清 主演 寺尾聰

原作ファンの反感を買って当然。これはおばちゃん向けの感動作である。
アルツハイマーというおばちゃんにとって身近なテーマと、
おばちゃんが見て主要キャストの顔と名前がほぼ一致するであろう豪華キャストで、
中盤をすぎたあたりからゴリゴリ泣かせにはいる。
かくして場内にはおばちゃんのすすり泣く声が鳴り響くのでありました。
ミステリーだと思ってみてはいけない。


シービスケット ★ ★ ★ 

監督 ゲイリー・ロス 主演 トビー・マグワイア ジェフ・ブリッジス クリス・クーパー

真っ当な再生の物語。
演出はあっさり味でいやらしさが全くなく、競馬シーンも良く撮れてる。
ただ素直に感動できるのは確かなんだが、いまいち盛り上がりに欠ける。
地味だからとかじゃなくて、見せ場がないのだ。


ハリウッド的殺人事件 ★ ★

監督 ロン・シェルトン 主演 ハリソン・フォード ジョシュ・ハートネット

主役2人が刑事の他に副業をもってて、捜査と副業が同時進行するそのギャップがこの映画の肝なわけだが、
そのコントがグダグダすぎる。
グダグダ感を楽しめるようなものではなく、ただグダグダなのだ。
前半は退屈でしょうがない。
後半のドタバタチェイスでやっと調子が出てくるが、時すでに遅し。
事件そのものはベタベタで何の捻りもないんだから、コントでがんばらんと。


リクルート ★ ★ ★

監督 ロジャー・ドナルドソン 主演 アル・パチーノ コリン・ファレル

2時間ちゃんと緊張感を持続させて、サスペンスもそれなりに盛り上げるが、
いかにもオチが弱い。
かといってあんまり捻られても鬱陶しいので、そうなるよりはこの方がまし。
それとコリン・ファレルはもうちょっと虐めたいところだな。

 
タイムライン ★ ★ ★

監督 リチャード・ドナー 主演 ポール・ウォーカー

わかりやすい伏線を張ってわかりやすく落とす脚本と、迫力の戦闘シーンの合わせ技で安定感は抜群。
ただ、キャラクターのディティールがおざなりで、焦点が合ってない。
これじゃあ感情移入はできんよ。
お手軽なパターンにはめ込んだだけで魂が入ってないのだ。


バレットモンク ★ ★ ★

監督 ポール・ハンター 主演 チョウ・ユンファ

これは惜しい。
バカ映画の傑作になりうる素養は十分持ってるのに、決定的に過剰さが足りない。
大ボスの爺さんには狂気を、その孫娘にはエロスと高慢さを、
そしてアクションにはもっとケレン味を。
それと一番の問題は、敵に用心棒がいないことだ。
それか大ボスの爺さんがもっとパワーアップするかどっちかだ。
そうしないとラストバトルが盛り上がらんことこのうえない。


ミスティック・リバー ★ ★ ★ ★ ★

監督 クリント・イーストウッド 主演 
ショーン・ペン ティム・ロビンス  ケビン・ベーコン

新年一発目から後味の悪い映画を観てしまった。
鬱にはなれど、泣くような映画ではない。
とにかくヘビーなお話を、名優を3人並べて静かに力強く描き出す。
何が鬱かって、幼なじみ3人の人生の明暗がひとつの殺人事件を介してそのまま増幅される話なのだ。
この潔さに俺は快感を覚えたね。
そしてそれに付随して運命に翻弄されていく奥さんの対比がまた残酷でよい。


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