神社でおしくらまんじゅうで遊んでいるトオルやカオル達。
赤い服の少年が離れた位置からこちらを見ている。
それに気づく百子
百子「トオルちゃん、あの子だぁれ?」
トオル「知らないよ!」
百子は赤い服の子の元に向かう。
百子「ねぇ、君、どこの子?一緒に遊ばない?」
赤い服の少年を仲間に入れる。
押し付けられた少年は手を組んで念力で力を強化して全員を押し出した。
そこで全員、彼が普通でない事に気づく。
百子「あなたは、だぁれ?」
少年「ウリーだ!」
百子「ウリー?」
トオル「宇宙人だ!」
カオル「違うわ。だって私たちと同じよ」
トオル「……でも怪しいぞ?」
トオルら少年たちの何人かがウリーを囲む。
トオル「ウリー、どこから来たんだ?……MACへ連れて行こう」
百子「トオルちゃん、およしなさい!」
そこでウリーは再び念力で子供達を弾き飛ばしたり、石燈籠や鳥居などを宙に飛ばし、逃走する。
さらにその時に、神社の入り口の門を念力で閉めてしまい、ウリーを追うトオル以外が閉じ込められてしまったのだ。
とある下町の神社の境内で起きた不思議な事件はすでにMACに察知されていた。そしてダンとゲンが現場に急行しつつあった……。
マックロディーの二人。ゲンが運転をしている。マックシーバーが反応を示す。
ダン「すごいエネルギーだ……あっちだ!」
ゲン「はい!」
二人が降りた所にウリーがやってくるが走っていってしまう。
後からトオルが来る。
トオル「隊長さん、おおとりさん、あの子は宇宙人かもしれないんだよ!」
マックシーバーは反応を示す。
トオル「向こうでみんなが倒されちまってるんだ!」
ダン「ゲン、行ってやれ」
ゲン「隊長は?」
ダン「あの子を追う」
ゲン「はい、行こう!」
ゲンはトオルと一緒に皆を助けに向かう。
隊長はウリーを追う。
ウリーは念力を使って周囲のバケツや自転車、人間、車などを宙に飛ばす。
ダンは対抗してウルトラ念力をウリーに向けて放つ。たまらずに念力を解いて逃げ出すウリー。
下町の路地裏のような所に来たウリーはそこにいた和服の女性に助けを求める。
ウリー「助けてー、ママー!」
その女性は……!
ダン「アンヌ!」
ダンの脳裏に甦る記憶。
アンヌ「ダン……!」
ダン「アンヌ……僕は…僕はね、人間じゃないんだ。M78星雲から来たウルトラセブンなんだ!」
アンヌ「えっ!?」
ダン「びっくりしただろう?」
アンヌ「ううん、人間だろうと宇宙人だろうと、ダンはダンで変わりないじゃない。いえ、ウルトラセブンでも」
ダン「ありがとう、アンヌ」
アンヌとはダンがまだウルトラ警備隊の隊員であり、ウルトラセブンとして活躍していた頃の同僚だ。
ダンは溶けたウルトラアイを取り出して眺め、かつての日々を思い浮かべる。
セピア色の風景。
草原の中にダンはいた。向こうからは和服の女性が。
ダン「アンヌ!」
微笑む女性。
ダン「君はアンヌだろう?」
無言で首を横に振る女性。
ダン「なぜこんな所にいるんだ?ここはどこなんだ?」
女性は少年を呼ぶ。
女性「ウリー、ウリー、いらっしゃい!」
ウリー「ママー!」
ダン「アンヌ、君の子供か?その子は宇宙人だ。君も宇宙人なのか?」
見詰め合う二人。やがて女性は少年を連れて草原の中に消えていった。
ダン「アンヌーーー!!!」
ダンが気づくとそこは裏路地であった。女性と少年の姿はない。
ゲンが後ろから追いついてくる。
ゲン「隊長ー!隊長、あの子は?」
ダン「ああ……すまん……見失ってしまったよ……」
ゲン「子供みたいに見えますが相当な奴ですよ。大きな石も手も触れずにビュンビュン飛ばしたと言いますから…」
ダン「しかし、何故アンヌが……」
ゲン「……えっ?」
ダン「いや、何でもない……」
MAC基地。
物思いにふけるダン。そんなダンを横目に見ながら資料を開いているゲン、白土、梶田。
白土「あのまま、もう二時間だぞ」
梶田「どうしちゃったのかねぇ…」
白土「おい、おおとり。お前と一緒に帰ってきてからだ。どうしたんだ?」
ゲン「いや、それが僕にも分からないんだ」
ダン「ゲン」
ゲン「はい!」
ダン「出かける。後は頼んだ」
ゲン「はい!」
下町のような所。背広姿のダン。和服の女性を見つける。
ダン「アンヌ!待ってくれ!」
所変わって港。
ダン「また地球に住むことになって、まず第一に君を訪ねたんだ。しかし君はいなかった。誰も君の行方を知らなかった。あちこち探したよ。必ずどこかに元気でいてくれると思って…会えてよかった、アンヌ」
女性「私は、アンヌじゃありません」
ダン「しかし……」
女性「アンヌじゃないんです」
そう言って去ろうとする女性。
ダン「アンヌ!」
その時、シーバーが鳴る。
ダン「モロボシだ!」
MAC基地のゲンからの連絡だった。
ゲン「隊長!K74202地区に異常事態が発生しました!あの子です!あの子が異常事態を起こしているんです!」
ダン「よし分かった。すぐ行く」
ダンは女性に向かって言う。
ダン「大丈夫だ、任せておきたまえ」
その頃、念力少年ウリーはいたずら出来る恰好の場所に来ていた。
遊園地。観覧車を回転させて宙に飛ばし、しまいには爆発させてしまった。
マックロディーで駆けつけるゲン、白土、梶田。ちなみに運転はゲンだ。
降りるとウリーにマックガンを向ける三人。そこにやって来たダン。
ダン「待て!撃つなっ!」
ゲン「隊長!?」
白土「このままではさらに被害がでるばかりです!」
ダン「相手は子供じゃないか」
ゲン「違います!隊長、あれは宇宙人です」
ダン「違う!俺の知り合いの人の子供だ」
ゲンのシーバーは依然宇宙人反応を示している。
ウリーは手を組んで念力でジェットコースターを爆破する。
ゲン「ちきしょお!」
マックガンを構える三人。
ダン「やめろ!」
それを止めるダン。
ゲン「隊長!」
ダン「……俺がやる!」
そこへ和服の女性も駆けつける。
女性「ウリー!」
身体の色が銀色の宇宙人に戻ってしまってるウリーはさらに念力でいたずらをする。
ダンは叫ぶ。
ダン「こらっ!いたずらはいい加減にしなさい!!」
女性「ウリー!いたずらはいけません!」
和服の女性にゲンは気づく。
ゲン「あなたですね、隊長の知り合いというのは」
女性「……………」
ダンとウリーは荒地にいた。
そしてウリーは念力を使い、ダンもそれに対抗してウルトラ念力を発動させた。「デュワ!」
こうして恐ろしい念力合戦が再び始まった。
水橋を破壊するウリーとそれを直すダン。
しかし、セブンの力を失ったダンにとって念力を発動させ続ける事は無謀であった。
意識が遠のいてゆくダン。
そこにゲンと女性は駆けつける。
そしてゲンはウリーにマックガンを放つがかばったダンの腹部に命中してしまう。
ダン「ぐわぁっ!」
ゲン「隊長!……隊長!」
倒れるダン、駆けつける二人。
ゲン「隊長!すみません…!隊長、僕は……」
ダン「いいんだ……あの子は……」
女性「……違うんです」
ダン「アンヌ……」
セブンのテーマのスローバージョンをBGMに女性は語り始める。
女性「私の子供じゃないんです……宇宙人の捨て子なんです。……みんながあの子を育てる事に反対しました。とってもいたずらな子だけど私はほっておけなかったんです」
ダン「やっぱり君は……」
ゲン「隊長……」
女性「アンヌじゃありません。隊長さん……私はあの子を、あなたみたいな立派な人に育てたいと思っていたんです」
その時、ウリーの飛ばした岩が女性に命中する。「きゃああっ!」倒れる女性。
ダン「アンヌ!」
ゲン「くそぉ!」
ウリーの元に走るゲン。
逃げるウリーにマックガンを連射するゲン。
ウリーは手を組むと、赤い煙と共に巨大化してウリンガとなった。
ウリンガは身体のとげを投げつけてゲンに襲い掛かる。
それを何とかかわしたゲンは倒れながらも変身する。「レオォォォーーーっ!!!」
前主題歌インストゥルメンタルをBGMに二人の戦いは始まった。
とげを握った手で攻撃するウリンガ、それをよけるレオ。
格闘では不利と思ったかウリンガは目からリング状に連なっている念力光線を出した。
避けるレオ。爆破されるビル。だが、二発目はまともに受けてしまい、宙吊りにされてしまう。
星人ウリンガの強烈な念力のためにレオは力を発揮出来ないまま、ただ苦戦の連続であった。
念力光線で自動車が、建物が、土が宙を舞う。
耳からの緑色の光線で爆発を起こす。
火を噴いた円筒状のガスタンク?がレオに襲い掛かる。
その時レオは気がついた。星人ウリンガが念力を駆使する時に必要な心の準備をしている隙に、必殺技を決めなければならない。
BGMが主題歌に切り替わり、レオの反撃開始だ。
格闘に持ち込み、ウリンガを圧倒。
さらに、念力光線を側にあったアンテナのようなレーダーではじき返した。
そして抵抗できなくなったウリンガをウルトラマントで包んで元の大きさにした。
レオは戦っているうちにわかった。星人は無理をして小さくなっているその窮屈さに暴れたのだった。
レオはウリーを彼の故郷、広い宇宙に返してやろうと思った。
和服の女性は撃たれたダンの傷口にハンカチをあてるとウリーの元に向かう。
ダン「アンヌー!!」
ダンは気がつき叫ぶ。
女性は一旦立ち止まるが振り返らずにウリーと一緒にレオの手のひらに乗る。
ダンはハンカチを手にただ二人を見送るしかなかった。
二人を乗せたレオは青い空を飛んでゆく。
あれはアンヌだったのか、それとも別人だったのか、永久に確かめる術はなくなってしまった。どこまでも晴れ上がった美しい秋空の中、二人を手にしたウルトラマンレオが行く。