本編解説
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悪魔の惑星ブラックスターについて
地球を離れること1000万km彼方の宇宙空間に存在するという、
岩だらけの死の星、ブラックスター。
ガラスが割れた先に見えるという演出がなされているため、
通常の次元には存在していないのではないか、とも考えられる。
後に「遊星円盤」とも呼ばれる事から少し考えてみると、
あまり一箇所に留まってはいないのかもしれない……距離的にも次元的にも。
常に動き回ているのならば、人類が正確な位置を掴めないのも納得がいく。
又、周辺には常に何かの残骸や粒子みたいな物が浮遊している。
これは恐らくブラックスターの引力に捕えられた星屑か何かなのだろう。
ここで少し大胆な仮説を立てておく。
今までのブラックスターの情報で何かを連想された方もいるかもしれない。
強力な引力を持つ黒い星……宇宙の重力場、ブラックホールである。
ブラックホールは現在のどのような技術を使っても直接視認する事は出来ない。
その周囲の測定で間接的にその存在を確かめられるのみだ。
全てをその中に引き付けて吸い込むブラックホール……
案外、吸い込まれた先の空間にあるのがブラックスターなのかもしれない。
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円盤生物シルバーブルーメ
岩だらけの星から一機の円盤が発進する。
そう、それこそが円盤生物シルバーブルーメだったのだ。
シルバーブルーメには4つの形態が確認されている。
最初、発進から地球に降り立つまでの透明なガラス状の円盤形態。
この形態は長距離及び超高速飛行に適しているのだろう。
MAC基地強襲の際もこのままだったので宇宙での形態のようだ。
奇異なデザイン及びガラス状の身体と飛行する時の効果音が、
活動圏である宇宙と相まって神秘的なイメージを受ける。
そしてデパートを壊す際に変化したのが破壊活動を行うための戦闘形態。
学校を破壊しようとする時もレオと戦闘をしたのもこの形態である。
宇宙の円盤形態に対してこちらは地球での形態のようだ。
重力下での活動がしやすいとか、身体の強度が増しているとか、
きっとそのような理由があるのだろう。
そして謎めいた機械のパーツのような小型形態。
デパート破壊後小型化した時の形態がこれである。
この状態で潜んでエネルギー充填を充填するのだ。
この形態では殆ど活動出来ない。
せいぜい静かに動いたりゆらゆらと浮くのが関の山である。
機械のような心音のような不思議な音が中から聞こえてくる。
最後に人を襲うための小型戦闘形態。
バーナーで加熱されるとこの状態になって担任教師を襲った。
巨大な状態の戦闘形態と姿が非常に似ている。
強いて言えば触手が短くて殆ど使い物にならなくなっている程度か。
黄色い有毒ガス及び黄色い溶解液を出しながら張り付き、
担任教師を跡形も無く溶かしてしまった。
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ダン隊長に髭?
全ての話の中で本話のみに確認出来るダン隊長の髭。
賛否両論ですが、個人的にはかっこいいと思います。
MAC基地のシステム復旧に忙しくて髭を剃る暇も無かったのか!?
なのに誕生会を行うという隊員に対しての労いを込めた心配りとは。
度々使用するウルトラ念力は命を縮めるし……
少しは自身の身体を大事にして下さい、隊長!
ウルトラ警備隊時代から一人で物事を抱え込む事が多かったダン隊長。
再び地球に赴任してもそのスタンスは変わっていなかったのだ。
1話でウルトラセブンが敗北してしまったのは、
隊長として抱えていた様々な物事に対する疲れがあったに違いない。
当時のMACでは歯が立たないと思ったダン隊長は
MAC隊員達に秘密で単身、マグマ星人と双子怪獣に戦いを挑んだのだ。
恐らくあの戦いに勝ったとしてもいつの日か再び疲労で倒れてしまうだろう。
髭については「心にウルトラマンレオ」でのインタビューで触れられている。
前回との撮影期間が結構空いていた……という事は、
第4クール製作までに一悶着も二悶着もあったのだろう。
映像的な繋がりで切れなかったらしいが、
一体森次氏は当時、どんな役を他に演じてたのだろうか……
それは今となっては分からない、謎である。
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MACステーション全滅事件!
防衛隊史上、これ以上忌まわしい事件は他に無い。
レギュラーの防衛隊が物語途中で本当に全滅してしまうのは今回のみ。
和気藹々としている誕生会の最中というのが悲劇を引き立てる。
さて。この全滅事件だが展開の唐突さと演出の激しさで、
何が何だか分からなくなっている人も多いのではないか。
ここではその過程を段階ごとに解説しよう!
1.レーダーが円盤を捕える
赤いランプが点滅し、警報ブザーが鳴り響く。
慌てて佐藤隊員がレーダーの前に向かう。
「ステーション上空に何かが接近してます!」
そう、未確認な何か、なのだ。
向かってくる物が何なのか捉える事が出来ない。
それほど進行スピードが速過ぎるのだ。
事実、レーダーの怪獣反応を表す明滅も過去に無い速度で、
レーダーの中心(MACステーション)に移動している。
ここまで確認するのに十数秒。絶対に戦闘準備など出来るはずがない。
レーダーで捉えた時点で既に円盤生物の奇襲は回避不能だったのだ……。
2.上空に張り付くシルバーブルーメ
物凄い衝撃と振動がステーション全体を襲う。
円盤生物が基地の上部に取り付いたのだ。
衝撃と同時に停電を起こしているのでこの時に既に、
電気システムの殆どが使えなくなっているのだろう。
シルバーブルーメはまず基地全ての電源を直接ダウンさせたのだ。
強引にそれを行ったためか計器類が火花を吹いているのが鮮烈。
後に登場する円盤生物ハングラーは執拗にレオの傷ついた右腕を狙ってきた。
相手の泣き所をピンポイントで狙うのは円盤生物の得意技なのかもしれない。
これで基地の迎撃システムも作動しなくなってしまった。
3.恐るべき内部制圧
円盤は上空部を陣取るとそこで収納していた触手を伸ばす。
基地内の揺れは激しさを増し、椅子や柱?などの物が作戦室内を駆け巡る。
とうとう窓の一つの強化ガラスを割って触手の一つが内部に入ってきた。
この時点で外部に空気が漏れてもいいはずだが流石はMAC。
隊員が空気漏れで苦しむ描写が無いので漏れないような仕様がなされているらしい。
普通はガラス一枚で宇宙空間と隔てないであろうから当然といえば当然だろう。
ご都合主義だと見る方もおられるであろうが、そんな事を言っていては何の演出も出来ない。
円盤生物は体内で黄色い溶解液を合成しガス化してステーション内に送り込む。
勿論、触手で破壊活動を行いながら、だ。
溶解液もどんどんと体内合成しステーションの外壁を溶かしてゆく。
「来るなぁっ!」
マックガンでの応戦ももはや焼け石に水だった……。
ここでダン隊長は隊員達に脱出命令を出す。
4.マッキー全機撃墜!!!
隊員達はようやくマッキーの発射ゲートにたどり着く。
マッキー2号と3号に乗り込むとそれぞれのジェットで発進させる。
だが、隊員達が見たものは……
「何だこれは!」
既に発進ゲート出口付近が破壊されていたのだ。
それは即ち、触手が発進ゲート出口にまで及んでいるという事を意味する。
待ち構えていた触手に捕えられてしまうマッキー2号と3号。
そして、そのまま下部にある口に放り込まれ体内に取り込まれてしまう!
円盤は上部に取り付いている。なのでマッキー1号は発進させられない。
事実上、シルバーブルーメはマッキー全てを攻略してしまったのだ。
5.MACステーション陥落!
ダンとゲンのみが残った作戦室。
MACの隊長としてステーションと運命を共にする決意を固めているダン隊長。
その気持ちを知ってか知らずかダンを連れ出そうとするゲン。
そんなゲンをダンは殴って引き離す。そして最期の言葉を贈る。
作戦室が一際大きい爆発を起こし、MAC基地がとうとう呑み込まれてしまう。
基地を呑み込むと同時に触手を体内に畳み込むシルバーブルーメ。
それと入れ替えにゲンはレオに変身し、シルバーブルーメの口の中から出てくる。
こうしてゲンただ一人を残しMACは全滅したのだった……。
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デパート破壊事件!
地球に降り立ったシルバーブルーメは更なる悲劇を呼ぶ。
重力のある地上まで来ると飛行形態から丈夫な戦闘形態に変形する。
外の通行人達は異様な円盤に気づいて逃げ出す事が出来たが、建物の中ではそうもいかない。
円盤は……百子、猛、そしてカオルが買い物を楽しんでいるデパートを襲ったのだ。
デパートを押しつぶすように降りてくるシルバーブルーメ。
上から覆いかぶさるようにして襲うのが得意技らしい。
激しく揺れる屋内、壊れた天井の破片が落ちてくるのが凄まじい。
そして……3人が外に出るよりも早く、シルバーブルーメはデパートを全壊させたのだ。