丘の上のブラック指令。
指令「ブラックスター五番目の円盤生物、ブラックガロン!来ーい!」
トオル「待てぇーっ!」
健二「何するんだよーっ!やめろよーっ!」
級友中森健二を追って捕まえて殴りつけるトオル。その拍子に彼の時計を壊してしまう。
健二「どうするんだよー!」
あゆみ「高いんでしょ?その時計」
健二「パパがヨーロッパから買って来てくれたんだ」
あゆみ「どうするのトオル君」
トオル「ええーいっ!」
健二を突き飛ばして走り去るトオル。
夜、美山家。
マックカーで帰宅するゲン。トオルが玄関前にいる。
ゲン「トオル、どうしたんだ?」
トオル「………」
無言で走り去るトオル。
ゲン「トオルー、……すごい車だな」
側に止めてある一台の高級車の存在に気づく。どうやら美山家に客が来ているようだ。
ゲン「ただいまー」
咲子「おおとりさん……」
中森「君かね?おおとり君というのは」
そこにいたのは健二少年とその父親中森氏だった。
ゲン「はぁ……」
中森「君がトオル君の保護者だそうだね?」
ゲン「ええ、それが何か……?」
中森「トオル君がうちの子の腕時計を壊してしまったんだ」
ゲン「トオルが?」
中森「誕生日の祝いに私がヨーロッパから買ってきた高級時計だ。全くもってけしからん!弁解の余地があるとでもいうのかね!?」
ゲン「どうもすみませんでした……」
中森「人のものをやっかみ半分で壊すなどという事は断じて許すべきことではないな!……まぁ、今回は目をつぶりましょう。おおとりさん、二度とこのような事がないようトオル君を厳重に戒めて下さい」
ゲン「はい……」
こうして中森親子は帰っていった。
咲子「こっちの理由はまるできこうともしないで言いたいことだけを言うんだものねぇ」
ゲン「僕にはトオルがやっかみだけで時計を壊すなんて思えないもんなぁ」
あゆみ「そうよ。トオル君が怒ったのはねぇ中森君が……」
健二「どうだい?すげぇだろ、この時計」
トオル「かっこいー!」
あゆみ「子供が持つには勿体無いくらいね」
健二「えらいパパをもってればこんな事は当たり前だよ」
あゆみ「……いいわねぇ、中森君にはお父さんがいて」
健二「そうか、君達二人ともお父さんいなかったのか。じゃあ無理だよね」
トオル「……そんな事ないよ!!」
健二「じゃあ君達二人に新しいお父さんでも来るっていうのかい?」
あゆみ「嫌よ私。新しいお父さんなんてほしくないわ」
健二「じゃあどうするの?トオル君」
トオル「………!!!バカヤローッ!!!」
殴りかかるトオル。
健二「やめろよーっ!」
逃げる健二……
健二(君達二人ともお父さんいなかったのか。じゃあ無理だよね)
トオル(そんな事ないよ!!!)
そんなトオルの気持ちが痛いほど分かったゲンだから、静かな夜の街をトオルを探して歩き回った。
トオルは一人、公園でブランコをこいでいた。
トオル「父さん……」
夜空を見上げた時、見たものは……。
トオル「流れ星だ……」
その付近でゲンも同じ光を見た。そしてその正体に気づく。
それは火花を散らしながら地上へと突っ込んだ。
ゲン「円盤生物だ……!」
その際にトオルは瓦礫の下敷きになってしまう。
トオル「助けてーっ!」
ゲン「!?トオル!?待ってろ!今助けるからな!」
ゲンはトオルを助け出すと安全な場所まで避難させる。
カメのような円盤生物ブラックガロンは舌を出して二人に襲い掛かってきた。
ゲン「俺は奴の気をそらす、お前は逃げろっ!」
トオル「でも!」
ゲン「はやく行くんだ!」
トオルを強引に避難させたゲンはレオに変身する
「レオォォォーーーッ!!!」
格闘戦を挑むレオ。
しかし敵は円盤形態になったり両手からジェット火流を巻き起こしたり、なかなか手ごわい。
火流をまともに受けてレオは倒れてしまう。
指令「ブラックガロン……引けぇぇぇっ!」
遠くから飛んできたため、エネルギーが無くなったのかブラック指令は退却命令を出す。
円盤形態になって飛んで行く円盤生物。
美山家。
傷の手当てを受けるゲン。
咲子「今夜はヤケドの傷が少し痛むかもしれないけど、痛み止めでも飲んどく?」
ゲン「いえ、いいです」
咲子「どうして?」
ゲン「少しくらい痛い方がいいんです。痛みを忘れて円盤生物をやっつけるファイトまで無くしたくないんです」
咲子「それはいいけど命まで無くすような無茶な真似はしないでよ」
ゲン「はい……」
咲子「まっ、応急処置はこのくらいでいいけど、明日もう一度病院の方に来といた方がいいわね」
ゲン「はい、どうもすみません」
翌朝。
登校中のトオルとあゆみは健二達を見つける。
健二「きっとこれは隕石だぞ!」
子供「隕石って……流れ星の事かい?」
健二「そうだよ、流れ星だよ!」
子供「本当かなぁ?」
健二「間違いないよ、いつかパパの研究所で見たのにそっくりだもの」
子供「でもこんな所に星が落ちたんなら夕べはすごい音がしたはずだぜ」
健二「絶対に隕石だよ!」
子供「信じられないなぁ」
健二「パパに見てもらえばわかるよ!」
子供「君のお父さんって石の鑑定をするのかい?」
健二「違うよ。パパは研究所をやってるんだ!調べてもらえば一発だよ!」
その隕石を見たトオルは言う。
トオル「夕べの円盤生物だ!」
あゆみ「大変だわ、おおとりさんに知らせなくちゃ!」
急いであゆみは家まで走って戻ってゆく。
そしてトオルは健二達のもとへ向かう。
トオル「それは隕石じゃない!」
健二「何だよトオル君!ケチつけるのか?」
トオル「違うよ、それは円盤生物だ!」
健二「よせよ、君は何でも僕の持ってるものにケチつけるんだから!」
その時。
ゲン「トオルー!」
あゆみに連れられてゲンがやってきた。
健二「ちぇっ、大人まで呼んだりして……パパに言いつけてやろう!」
そのまま健二は隕石を持って走り去った。
トオル「おおとりさん!円盤生物だ!」
中森鉱物研究所。ゲンの中森氏。
中森「君には、夕べ私が言った事が分かっていないようだね。さっきうちの子が今朝もトオル君にいじめられたと知らせてきたよ。君は一体、トオル君に保護者としてどんな教育をしているのかね?」
ゲン「中森さん、僕はそんな話をしにきたんじゃないんです。……これです」
隕石を指差すゲン。
ゲン「これは夕べ地球にやってきた円盤生物なんです!すぐ処理して下さい」
中森「……これが?君、朝から冗談は困るね」
ゲン「冗談でも夢でも何でもないんです!これは確かに円盤生物なんです。夕べ、僕はこの目ではっきりと見ました」
中森「君……君は私が何の専門家か知っているのかね?」
ゲン「……はい」
中森「これは多分隕石だ。私の息子でさえ隕石だと検討をつけた。流石に息子は目が肥えてると感心してるぐらいのものだ。それを生物だなんて……」
ゲン「中森さん、僕を信じて下さい」
中森「……よろしい、君を信じましょう。生物かどうか実験してみましょう」
中森「いいですか」
金槌で叩いた後、ガスバーナーの火で隕石をあぶる。しかし何の変化もない。
ゲン「そんなバカな!これは絶対に円盤生物だ……」
中森「いかがですかな?生物というものはこれほどの刺激を与えたならば痛いとか痒いとか何とか反応するものです。おおとり君、君はまさか腕時計の一件を逆恨みでもしているのではないのでしょうな?」
ゲン「中森さん……」
中森「おおとり君、私は忙しいんだ。帰ってくれないか」
並木道を一人歩くゲン。
そこにタクシーで通りかかった咲子がゲンに気づいておりてくる。
咲子「おおとりさん、どうしたの?まるで夢遊病者みたい」
ゲン「……美山さん」
咲子「何を思いつめてるのか知らないけど夕べのあなたの意気込みはどこいっちゃったの?」
ゲン「………」
咲子「しっかりしなさいよ!……私のね死んだ主人は随分頑固な人だったの。主人は医者だったでしょ?いつだったか、どの先生も治らないっていう患者さんをね四日も徹夜してとうとう治しちゃったの。その代わり本人も寝込んじゃったけどね。……頑張り屋のいい人だったわ。男はそれでなくっちゃ。くよくよ思い悩むなんて男らしくないわよ。頑張んなさい!」
ゲン「…はい」
咲子「一緒に行きましょ。病院行くんでしょ?」
ゲン「いいんです。ちょっと用事思い出したものですから」
そう言って今来た道を走って戻ってゆくゲン。
その後姿を見送りつつ咲子はつぶやく。
咲子「少しハッパかけすぎたかしら」
ゲン(間違いない、あれは絶対に円盤生物だ!俺がやらなければやる人がいないんだ!)
研究所の隕石……いや、円盤生物が部屋に入ってきた健二の前で怪しい光を放つ。
研究所入り口。
警備員「待って下さい!困りますよ!あなたは二度と入れるなと所長の命令なんです。困りますよ!!」
ゲン「しかしおじさん!何かが起きてからじゃ遅いんですよ!」
その時、建物の中からガラスの割れる音が聞こえた。
健二「助けてーっ!」
ゲンは警備員を振り払い、研究所の中に向かう。
円盤生物に襲われる健二。
中森氏が来るが火花を散らして更に暴れだす。
ゲンと警備員が来て二人を避難させる。
火花が飛び移って建物に燃え移る。
丘の上のブラック指令。
指令「ブラックガロン、立てぇぇぇぇい!」
建物は爆発と共に崩れ落ち、そこからブラックガロンとウルトラマンレオが。
前主題歌インストゥルメンタルをBGMに格闘を挑むレオ。
しかし円盤生物は円盤形態になって体当たりをしてくる。
レオはそれを掴むと地面に叩き落す。
腕からの火流に対しては両腕からシューティングビームを発射して封じた。
ブラックガロン最後の武器、舌でレオは巻き上げられてしまうが、
ハンドスライザーで逆に舌を切り飛ばして倒すのだった。
太陽の光を受けて飛び立ってゆくレオ。
健二「やったぁー!」
中森「健二……パパは大変な事をしてしまった。おおとり君を死なせてしまった」
健二「パパ……」
中森「私がおおとり君の言葉を信じなかったためにこんな事に……」
健二「おおとりさんは僕を助けてくれたんだ」
中森「そうなんだよ。……そうなんだ……私はあのひたむきさを誤解していたんだ。これは許されない事だ」
健二「パパ……」
その時、健二は向こうから走ってくる人影を発見した。
健二「あっ!パパ!」
その姿は……おおとりゲンだった。
中森「おおとり君!ありがとう!君のおかげで我々は助かった」
ゲン「いや、礼を言うならあゆみちゃんのお母さんに言って下さい。僕が何をすべきか教えてくれたのはあの人なんです」
中森「しかし……兎にも角にも我々は君に助けられたんだ。君はまるでウルトラマンレオのような男だ」
その後、美山家で手当てを受けるゲンの姿があった。
指令「くそぉぉっ!ウルトラマンレオめ!また邪魔しおって!ブラックスター地球侵略六番手、ブリザードよ!来ーい!」