丘の上のブラック指令。
指令「フフフフフフ……予言する、ウルトラマンレオの死を!レオが命懸けで守り続けた日本列島と共に!来い!サタンモア!」
恐怖の円盤サタンモアは地球へ向かって飛び続けた。円盤サタンモアの地球到着は3月7日。
その日、ブラック指令の予言通り、ウルトラマンレオが死ぬのだ。
彼が愛した日本列島に住む全ての人達と共に……刻々とその瞬間が迫っている。
しかしまだ誰も知らないのだ。もちろんゲンも……
駅。
ゲン「宏!」
宏「おお、ゲン!」
ゲン「宏、どうしてたんだ?」
宏「元気そうだな」
ゲン「ああ、久しぶりだよな。お前がいなくなってからの三年、随分心配したんだぞ?」
ゲン(俺達はスポーツセンターの仲間だった。
0コンマ何秒という記録を縮めるため、お互いに励ましあって練習を続けていた。
親友同士だった。宏はいい奴だ。
しかし、宏はだんだんと自分の事しか考えられない人間になってしまった。
宏を愛していた厚子さんを裏切った事はどうしても許せない。
宏は、厚子さんを幸せにしなければいけなかったんだ。
しかし厚子さんは……。許せない。俺は宏を責めた。奴の心の中にもう厚子さんはいない。
宏はカメラマンになるためにスポーツをやめるという。俺達は殴りあった。俺は無性に腹が立った)
殴りあった挙句に同時に倒れる二人。
ゲン(……痛い、太陽の光が痛い。俺と宏はこうしてお互いにかけがえのない友を失った。)
ふらふらと立ち上がって去ってゆく宏。その背中を地に這いながら見つめるゲン。
ゲン「宏……」
ゲン(あれから三年……)
宏「じゃあ俺、急ぐから。これ、俺のはじめての写真展だ。暇だったら一度見に来てくれ」
チラシを懐から出してゲンに渡す宏。
ゲン「じゃあお前、あれからずっとカメラを?」
宏「ああ」
ゲン「是非見に行くよ!」
宏「そこに書いてあるだろ、あそこのビルの12階だ。じゃあな!」
そう言って宏はバイクに乗って行ってしまった。
ゲンはビルに向かって歩き出す。
だが、その背後にはブラック指令がいたのだ。
指令「レオ……フフフフフフフフ……!」
写真展会場ビル。
写真を見るゲン。そこで会ったのは……。
厚子「おおとりさん!やっぱりおおとりさんね」
ゲン「厚子さん!」
ゲン「あれ以来、君も宏もスポーツセンターに来なくなったろ?」
厚子「ええ、私、あれからすぐ結婚したんです。宏さんの写真展のポスター見たものだから懐かしくなって。おおとりさん、少しもお変わりにならないのね。……正夫ちゃん、おおとりさんにこんにちわ、って」
厚子は子供・正夫を抱えている。
ゲン「こんにちは!かわいいなぁ!」
厚子「目元が主人そっくりって言われるのよ」
ゲン「……厚子さん、幸せそうだな」
厚子「幸せよ、とっても。……でも、あの頃も楽しかったわー」
ゲン「さっき宏に会ったよ」
厚子「そう……私も会いたかったわー」
こうしてゲンと厚子は再会し、楽しい時を過ごした。
この瞬間も謎の大円盤サタンモアは超高速で地球に接近していたのだ。
円盤サタンモアは九州上空に侵入した。九州地区のミサイル基地が一斉に円盤生物サタンモアを攻撃した!
ニュース「九州上空に侵入した謎の円盤は急速にスピードを落とし、現在高度二万メートルの上空を時速3400キロで東京へ接近しています。偵察が目的で飛来したもので危険はありません。冷静に行動して下さい。繰り返します、危険はありません」
防衛軍のファントム風の戦闘機が二機円盤を追ってやって来る。
隊員「円盤はまもなく東京上空に侵入します!」
東京地区の防衛ミサイル基地の最新型誘導ミサイルが既に円盤サタンモアを追跡していたのだ。
命中するが依然進行をやめないサタンモア。
小型怪鳥を何匹も出して東京の人々を襲わせる。
逃げる人々。日本列島最後の時は近づく。
人々を避難させるゲン。
逃げる子供の一人がバイクに轢かれそうになる。
ゲン「危ないじゃないか!」
そのバイクに乗っていたのは……。
ゲン「宏……!待て宏!」
宏に殴りかかるゲン。宏はゲンを殴りつけて自分ひとりバイクに乗って行こうとする。
そんな態度の宏に対し、ゲンはバイクの鍵を抜き取って投げ捨てる。
ゲン「貴様はまだ……!」
宏は走って行く。
宏はビルの前に向かう。
サタンモアはそのビルをつついて破壊しようとしていた。
宏「ゲン、おれの写真が……!」
ゲン「宏、あのビルにはな……!」
激しく揺れるビルの中。
そこには厚子がまだいたのだ。しかも厚子は倒れてきた木材の下敷きになってしまう。
厚子「この子を……この子をお願いします!」
通りすがりの男に子供を託す厚子。
通りすがりの男は外に出ると道路の端に子供を置いて逃げる。
ゲンと宏はそこにやってきてビルをつつく円盤生物を見る。
ゲン「高層ビルを狙ってる……あれが倒れたら!」
ようやく、そこでゲンは道路の端の子供に気づく。
ゲン「宏、この子を頼む!」
宏「俺が他人の子供をどうして俺が守るんだ!?お前だけ逃げるつもりか!」
ゲン「バカヤローッ!バカヤローッ!バカヤローッ!」
宏を殴りつけるゲン。殴り合いになる。
宏「落ち着けゲン!親友だった俺達がどうして殴りあうんだ!」
ゲン「三年前から……俺はお前を許せなかった……!女を殴ったり、子供を跳ね飛ばして平気でいられるお前にいい写真が撮れるか!!」
ゲンは宏を掴んでいた手を離す。
ゲン「宏……人間の一番大切な心を取り戻してくれ……」
宏「ゲン……」
ゲン「この小さな命を救う事がお前に一番必要なんだ」
ゲンは子供を宏に手渡す。
ビルが傾く。このままでは倒壊してしまう。
ゲン「頼むぞ!宏!」
宏「ああ!ゲーン!」
ゲンは宏の見える所で変身する。「レオォォォーーッ!!!」
宏「レオ……!……そうだったのか。奴がレオだったのか……」
ビルを支えるレオ。その隙を狙ってレオをつつくサタンモア。
厚子は何とか木材の下から這いずり出る。
ファントム風の戦闘機は二機とも円盤生物の眼からの破壊光線で同時に落とされてしまう。
サタンモアはレオに噛み付く。
レオはビルを支えつつ、地上で小型怪鳥につつかれ、襲われている宏の方を向く。
レオ(頑張れ!頑張るんだ!俺は今、お前を助ける事が出来ないんだ!)
宏は血まみれになりながらも何とか子供をつれて避難する。
地上五十数階のビルが倒壊したらその衝撃で今、何万という人が避難している地下街が押しつぶされ、想像も出来ないような大惨事になるのだ。
宏「レオ……ありがとう……」
満身創痍の宏は倒れる。
サタンモアのくちばしでビルが倒壊する。しかし、それは人々が既に皆避難した後だった。
レオは主題歌BGMと共に反撃を開始、あっという間にシューティングビームで撃墜してしまう。
レオのおかげで何万人という人の命が救われた。ありがとう、ウルトラマンレオ!
ゲンは宏のもとに走る。
ゲン「宏!宏!」
宏「……子供……は……」
宏から子供を受け取るゲン。
ゲン「何も言うな!今救急車を……!」
宏「俺も……俺にも出来た……」
ゲン「ああ、出来た。この子の命は……宏、この子はな……」
宏「ゲン……ありがとう……」
そう言うと宏は息絶えた。
ゲン「宏……宏!」
そこに厚子が来る。
厚子「正夫ちゃーん!」
ゲン「厚子さん、正夫ちゃんは無事だ!」
ゲンは厚子に子供を手渡す。
ゲン「厚子さん……」
厚子「!?宏さん!?」
ゲン「こいつがこの子の命を……命懸けで……」
厚子「おおとりさん……」
ゲン「宏……ありがとう……」
恐ろしい危機は去った。本当に平和は戻ったのか。それとも……。
指令「ブラックスターよ!次だ!レオよりも強く、地球を粉々に出来るほど強い奴を送り出せ!」