丘の上のブラック指令。
指令「どうした?ブラックスター!何故、次の円盤を送って来ないのだぁっ!レオに勝つ自信をなくしたとでもいうのかぁっ!」
その時、ブラックスターから一機の円盤が飛来する。
ブラック指令の前で元の姿に戻り、そして人間形態になった。
地球の重力に慣れてないせいか、ふらふらとして頼りない。
指令「お前は何者だ!?」
星人「宇宙人なんだ。ブニョって言うんだ、ウフフフフ……」
指令「ブニョ?お前のような力の無い者が来て何になると言うのだ?帰れ!」
星人「力は無いが、知恵はある」
指令「なにぃっ?」
星人「レオを騙すんです。レオを地球の外に連れてって料理しましょう」
指令「どうやって?」
星人「任せてください。じゃ、さよなら」
そう言って去ってゆくブニョ。
指令「あいつ…本当にやる気か?」
頼りないブニョにブラック指令も不安だ。
道路。
ブニョの耳からセンサーが出て、反応を示す。
星人「うーん、宇宙人反応だ。レオが近づいてるぞ」
道路の端に隠れるブニョ。やがてジャージ姿のゲンが走ってくる。
おおとりゲンは、危機に備えて人知れずトレーニングを続けていた。
ふと、立ち止まりブニョを発見する。
ゲン「どうしたんですか?」
星人「おなかが……おなかが痛いんだよ。助けてくれよぉっ」
ゲン「……宇宙人だな?」
星人「フフ……バレたかぁっ!」
襲い掛かるブニョ。しかし、ゲンの敵ではない。
あと、一息というところでトオルが来て、ブニョは逃げてしまう。
トオル「おおとりさーん!どうしたの?探したよ。……今の人、誰?」
ゲン「えっ、いや、何でもないんだ。さぁ、行くぞ!」
走り出す二人。二人が通り過ぎた焼却炉の中から、ブニョが見ていた。
星人「ウフフフフフフフ……」
美山家、7時。
トオル「は〜あっ、今日も終わりかぁ」
咲子「トオル君、宿題は済んだの?」
トオル「はい、済みました」
あゆみ「はーい、済みました!」
いずみ「ねぇ、みんな、レオの事、どう思う?」
あゆみ「そりゃ決まってるじゃない!地球を守るウルトラマン!」
いずみ「そんなことじゃないの」
あゆみ「レオは普段どこに隠れているか」
いずみ「違う違う」
咲子「じゃあ、何なの?」
あゆみ「私思うんだけど……レオがいない方がこの地球は平和なんじゃないかしら?」
トオル「そんなことないよ!レオがいなかったら今頃この地球はブラックスターの物になってるよ!」
いずみ「そうかしら?私はブラックスターが狙っているのはこの地球じゃなくてレオなんじゃないかなと思うの。だから次々に変な事が起こるんじゃない?」
あゆみ「そんなことないわよ。やっぱりブラックスターは、この地球と、私達人間が欲しいんだと思うわ」
トオル「そうだよ、そうに決まってるよ!ねっ、おおとりさん!そうだよね」
ゲン「えっ……さぁ、それはどうかな」
咲子「そうね、ブラックスターにきいてみなきゃならない難しい問題だわね」
トオル「レオは地球が好きなんだ。人間が好きだがら……だからレオに感謝しなくちゃ!」
その言葉をきいてゲンは嬉しそうだ。
その時、一本の電話が来た。どうやら咲子の勤めている病院かららしい。
咲子「あっ、先生。……診察室がめちゃくちゃに?はい、わかりました。すぐ参ります」
電話を切る咲子。
いずみ「どうしたの?」
咲子「病院に泥棒らしいの。診察室が荒らされちゃってるらしいの。ちょっと行って来るわね」
ゲン「僕も行きましょうか?」
咲子「あっ、大丈夫よ。当直の先生がいらっしゃるから。頼んだわよ」
トオル「ブラックスターの仕業かもしれないよ」
いずみ「どうして?ブラックスターが泥棒なんかするわけないでしょ?」
トオル「レオなんていらないって誰かさんが言ったからね」
病院。
咲子「先生!」
荒らされた診察室。隅に白衣を着た人が倒れている。
咲子「先生!先生……あっ!」
突然腕をつかまれる咲子。
「フフフフフフフ……」
何と、それはブニョだったのだ!
美山家。
10時になっても咲子は帰らない。
トオル「おおとりさん、おばさんに何かあったんじゃないかな?」
あゆみ「誘拐されたんじゃない?」
いずみ「まさか……私、ちょっと病院に電話してみるわ」
いずみが立ち上がったその時、ひとりでにテレビの電源がつく。
そこに映し出されたのは診察台に縛り付けられた咲子と凶悪な機具を両手に構えたブニョだった!
今度はラジオがつきそこからブラック指令の声が。
指令「くやしかったらお前達で助けに来い!ただし、警察に連絡したらすぐに殺すぞ!フハハハハハハハッ……」
いずみ「レオが近くにいるのよ!だからこの家が狙われたのよ!」
ゲン「……とにかく僕は、病院に行ってくる!」
トオル「相手はブラックスターだよ?大丈夫?」
ゲン「大丈夫、おばさんを救う事が先決だ。三人一緒に待ってて!」
そう言うと走り出すゲン。ゲンが行った後、トオルが言う。
トオル「僕も行ってくる!」
いずみとあゆみも顔を見合わせ頷く。
病院前。
ゲンはついてきてしまったトオルとあゆみ、いずみを見つける。
ゲン「ダメじゃないか。……いいですか?絶対にここを動いちゃだめだよ?」
トオル「僕も行くよ」
ゲン「いや、ここは一人の方がいい」
単身、病院に入り込むゲン。
やがてブニョと咲子のいる診察室にたどり着く。
星人「また会ったな、ウルトラマンレオ!」
ゲン「卑怯だぞ!」
星人「フフフフ……レオは人類の守り神だそうだからなぁ、病人のいっぱいの所では戦えない。変身もしない。なっ、そうだろ?」
ゲン「くっ!」
手を伸ばすゲン。しかし、ブニョは咲子に機具をつきつけ言う。
星人「この女と交換について来るんだ」
閃光が走り、ブニョの手にはロープが現れた。
星人「これで、お前の身体を縛らせてもらう、フフフフフ……ん?嫌なのか?」
ブニョは咲子に機具をさらに近づける。
ゲン「………」
ゲンはしぶしぶ両腕を出す。
星人「さすが人間の味方、ウルトラマンレオだけのことはあるな!」
ブニョは素早くゲンを縛り付ける。
星人「ヒヒヒヒヒヒヒヒ……!」
トオル達はいくら待ってもゲンが戻ってこないので病院内を探していた。
診察室で咲子を発見して助け出す。
トオル「おばさん、おおとりさんは?」
咲子「おおとりさん?来なかったわよ」
あゆみ「どんな泥棒だったの?」
咲子「何だかね、変なの。こう触られた感じがブニョブニョしてて」
診察室の外の廊下を見たトオル。
トオル「おおとりさんが連れて行かれる!」
そこにはブニョに引きずられて連れて行かれるゲンの姿があった。
トオル「おおとりさーん!」
暗い異空間。
ブラック指令がいる。
指令「ブニョ、そいつは本当に宇宙人なのか?」
星人「はい、レオですよ」
指令「どうしてわかる?」
星人「本当ですよ」
ブニョはセンサーを出して反応を確かめてみせる。
星人「ほら、ね?」
指令「なるほど、確かに宇宙人だ、フフフフフフ!」
星人「さぁブラック指令、宇宙光線で作ったこのロープで縛っているうちに、叩き切って下さい!」
指令「ようし!」
サーベルを取り出すブラック指令。
星人「ウルトラマンレオもこれでおしまいだな!なぁ!地球もとうとうブラックスターのものだ!」
指令「ウルトラマンレオ!死ねぇぇぇっ!うりゃあああああああっ!!!」
とっさにゲンはレオに変身する。
指令「何っ!?」
折れるサーベル。
レオは危うく変身を遂げた。だが宇宙ロープで縛られたまま、巨大化は出来ない。
星人「大丈夫、大丈夫ですよ、このロープはどんな力でも決して切れる事は無いのですよ」
指令「よおし、では二人でやっつけてしまおう」
星人「やりましょう、やりましょう。レオを身体処理室に連れていきましょう」
結局、一同は美山家に帰ってきていた。
咲子「身体がねぇ、こうブニョブニョしててね、絶対にあれは人間じゃなかったわ」
あゆみ「それじゃ、宇宙人なのかしら?」
トオル「いずみさんがレオなんていらないって言うからこんなことになったんだ」
いずみ「ちょっと冗談に言ってみただけよ。こんなこと偶然だわ」
トオル「でも、もしレオがきいていたら地球を守るのが嫌になるかもしれないよ」
咲子「あっ、そうだわ。あのブヨブヨ人間はおおとりさんを誘きだすために私を囮に使ったんだわ」
あゆみ「それじゃ、おおとりさんがウルトラマンレオなのかしら?」
いずみ「まさか」
トオル「……おおとりさんは、かわいそうだ」
レオは身体処理室の冷気にやられて氷漬けにされようとしていた。
星人「零下100度で冷凍だ!おらおらっ!」
一方的に殴られるレオ。
指令「やれやれぇっ!叩きのめせっ!もっとやれぇっ、ブニョ!フフフフフフフ……」
もはや、これは一方的なリンチだった。
星人「長い間ご苦労だったなぁ!この野郎!おらぁっ!」
ブニョの拳がレオを倒す。
処刑台に乗せられるレオ。カラータイマーが赤く点滅し、凍りつき身体は動かない。
指令「さーて、これでゴリゴリッと切ってやるとするか」
ブラック指令はノコギリでレオの身体を切断しはじめる。
星人「レオがコチンコチンとはな!まぁ、安らかに眠りたまえ!ハハハハハ!」
眠れないトオル。
トオル「おおとりさん……どこ行ったの?」
その時、どこからともなく声がきこえる。
レオ『……さようなら、トオル君』
トオル「誰だ!?」
レオ『僕を地球に埋めてくれたまえ。僕がいたことで地球の人々に迷惑をかけたのかもしれないが、僕は地球が好きだ。人間が好きだ。地球で永遠に眠りたいのだ』
トオル「レオっ!」
レオ『明日の朝、一人で東の丘に来てくれたまえ……』
トオル「レオっ!レオーーーっ!!!」
トオルの声をききつけてか咲子が現れる。
咲子「トオル君、どうしたの?」
トオル「レオが死ぬんだ!死ぬんだ!」
泣きじゃくるトオルを抱きしめながら咲子は言う。
咲子「そんなことないわよ。夢を見たのね。さぁ早く寝なさい。……おおとりさん、大丈夫かしら」
翌朝。
丘に走っていくトオルの姿があった。
丘には無造作に転がったレオのバラバラ死体が!
トオル「……レオっ!」
あゆみがレオを埋めている時にやってきた。
あゆみ「トオルくーん、どうしたの?こんなに朝早くから」
トオル「レオが死んだんだ…」
あゆみ「ええっ!?じゃあこれ、本当のレオなの!?」
トオル「本当だよ……レオはこんな小さくされて、人間と同じになってブラックスターにやられたんだ!」
あゆみ「でもレオは、一度も戦わないでにやられたりするはずないわ」
トオル「レオはいずみさんにいらないなんて言われたからもう戦わない事にしたんだ、きっと…」
あゆみ「そんなことわかるもんですか」
そんな二人の後ろにブニョが現れる。
そして丘の上にはブラック指令が!
指令「地球の諸君!レオは死んだ!地球はもうブラックスターのものだ!ブニョ!戦えぇぇっ!」
巨大化して街を破壊するブニョ。
レオは死んだ。とうとう地球はこのまま焼き尽くされてしまうのだろうか?
避難する人々。
咲子「いずみ、おおとりさんはどこ行ったの?」
いずみ「それより、あゆみも、トオル君もいないのよ!」
街はさらに破壊されてゆく。
いずみ「とにかく逃げなきゃお母さん」
咲子「いいの、いいのよ。おおとりさんは私の代わりに行ったんだからここで待たなくちゃ」
そこで避難する人々に混じってトオルとあゆみが帰ってくる。
トオル「おおとりさんはいない!レオも死んだんだ!逃げたってしょうがないよ!」
咲子「みんなで家の中で待ってましょうね」
家の中に入る一同。
レオの墓。
レオの顔を朝露が濡らし、まるで涙のように流れていった。
突如、空虚からウルトラマンキングが現れて言う。
キング「レオよ。お前はまだ死ねない。地球の人間が一人でもお前を欲している間は、死ねない。辛くても、まだ戦わなくてはいけないのだ!」
キングはレオに向けて光線を発射する。すると、レオのバラバラ死体が動き始めたのだ。
ウルトラマンキングの発したキングビームの力によってレオの死体に今、奇跡が起こる。見よ!
カラータイマーに青い光が灯り、レオは生き返った!
キング「さぁ、行け!」
キングの言葉に後押しされるように、レオは巨大化した!
レオの姿を見てトオルは言った。
トオル「レオだ!レオが復活したんだ!」
これにはブラック指令も仰天。
指令「あやややややや!これは一体どういうことだぁっ!?」
レオの格闘に対し、ブニョは妙な粘液を出し、さらに口から舌のようなものを出し、レオの足に巻きつけて動きを封じた。
レオはシューティングビームで舌のようなものを焼き切ると、レオキックでとどめを刺すのだった。
溶けて消えてゆくブニョ。
それを見てブラック指令は言う。
指令「ええい!まだまだ望みは捨てんぞ!」
美山家。
向こうから走ってくるゲン。
あゆみ「おおとりさんが帰ってきたわ!」
トオル「おおとりさーん!」
いずみ「おおとりさーん!」
咲子「どこに連れていかれてたのかしらね…?」
この後、ブラックスターはいよいよ最強の円盤生物、ブラックエンドを地球に飛ばし、ウルトラマンレオに対する最後の戦いを開始しようとしている。
レオはどうなるのだろう!?地球はどうなるのだろう!?