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GLAY EXPO'04 「THE FLUSTRATED」 ![]() 2004年、七月末--------日本列島には台風10号が接近しておりました。 私は生来台風やら大雪やら、そういう緊急事態の匂いのするものが好きです。不謹慎ですが大好きです。・・・でもさあ、何もこんな時に来なくてもいいじゃんか!!しかも突然!! そうです。台風10号の接近と時を同じくして、大阪はユニバーサルスタジオジャパンでは(昔忍者漫画にハマってた頃は、ユニバーサル砂隠れジャパンなんつってたもんだが)、グレイさんの通算3回目になるエキスポライブが予定されていたのでした。しかもエキスポと言えば野外。かなり大型の台風は、まさに当日31日にやって来るとかで、前日からの「明日雨は・・・・降るわなあ、そりゃ」なんて思いは夜になって風が増すにつれ、雨が云々というよりは「明日はライブ自体あるんだろうな!?」という懸念に変わっていきました。 もし中止になったらどうしよう。その場合、緊急連絡網は回ってくるんだろうか。もしくはニュースとかで、「今日のGLAYのライブは決行です」とかお知らせしてくれないんだろうか--------。 そして迎えた当日7月31日。案の定京都では、朝から生憎の雨模様。 でもまあ、暴風雨とかよりは全然マシです。多少の雨風は仕方ないやね、なんつって一路大阪へ向かったわけですが・・・・・・どうよ!!大阪は全然雨降ってないじゃん!! 凄い。グレイ凄い。思えば一回目のエキスポが幕張で行われた際も、悪天候だったのがライブの日だけ持ち直し、今でもそのエピソードは「グレイマジック」なんつって語り継がれているわけですが、またしてもグレイマジックですよ。しかも、今回は台風だというのに結局雨は降らず終い、しかも非常に涼しい好環境だったのだ。こりゃあマジックを通り越してミラクルですな。グレイさんは、そういう音楽の神様に愛されているようなところがちょっとあります。で、今回は別に灰色ファンというわけではないKUROさんを誘い、どうせなら灰色に染めてやろうという魂胆でライブに臨みました。今回の会場はUSJ屋外駐車場。何つっても巨大ステージが凄いですよ!!ステージ上にジェットコースター設置だ!!(何も走らんかったがね) さて、ここでちょっと、今更ですが灰色楽団についての分析みたいな事をしてみたいと思います。せっかく3度目のエキスポなので。 まずGLAYというバンドが何故ここまで人気があるのか。それは楽曲の良さもさる事ながら、GLAYという存在自体の魅力もあるんだと思います。 誰でもそういう傾向はあると思うんだが、やっぱ歌が良ければ全て良し、という事ではないと思うんだよ。何つうの?本当から言えば、主体はあくまで楽曲なんだから歌い手がどんな奴であれ、曲さえ良ければそれでいいのかもしれない。薬中だろうが性格的に問題があろうが、そいつの書く歌が1000人を感動させる事が出来たなら、その歌い手は天才だって事になるからね。・・・っが、現実はそうでもない。特に日本人は、そういう勝てば官軍みたいなのを嫌う傾向にあります(野球で負けてる方を応援したくなるようなもんだね)。だからこそ--------というわけでもないかもしれんが、歌い手も外見に気を遣うし、ビジュアルバンドなんてものも生まれたわけだ。 さて、前置きが長くなってしまいましたが、要は歌い手の人柄っつうのも、ファンにとってはイメージとして大切なんだよって事です。先入観とか、どうしてもあるからね。そこへ持ってくると、GLAYの人柄というのは、まさに日本人の気質にぴったりくるものなんでしょう。 北海道から出てきたペーペー田舎者の若者(失礼)が、真面目に努力して10万人、20万人のライブを成功させる--------こういうサクセスストーリー、アナタも好きでしょう?才能にも運にも恵まれて、特に苦労もせずに成功を修めましたって話よりは、やっぱこっちでしょう? そうなんだよ。古典的だが、そういう応援したくなっちゃうのがGLAYなんだよ。しかも、彼らは今だその心を忘れず、奢る事無く礼儀正しいときている。・・・まあ、我々ファンは本当のGLAYの姿がどんなかなんて知る由も無いんですが、少なくともメディアで言われているのはその一言だよね? 極端な事を言えば、真実のGLAYの姿がどんなかというのはどうでもいいんだよ。そりゃ本当に彼らがイイ奴であれば、それに越した事は無いんですが、少なくとも我々に「GLAYというのは売れてるにも関わらず天狗にならず、いつまでも純粋で礼儀正しい人達なんだ」と、そう思わせる事が大事なんじゃないでしょうか。そして、GLAYは見事にそれに成功しているわけです。 それから、全体としてのカラーの魅力の次に、個としての魅力。 以前「月刊カドカワ」で、まるまる一冊GLAY特集というのがあったんですが、それにちょっと面白い事が書いてありました。それによると、4人の個性というか、役割分担みたいなものが非常にはっきりしている。 「顔」としてのTERU 、「頭脳」としてのTAKURO 、「華」がJIROで、「毒」がHISASHI。 ・・・・これはなかなか的を得ている!!と、その時思いました。 小説とかでも言えると思うんだが、いくら全体の筋やら構成やら着想が良くても、登場人物に魅力が無ければ小説としての面白味は半減すると思います。まあそれとはちょっと違うかもしれんが、そういう意味ではGLAYはあくまで、「1/4×4」なんだろう。・・・お、今イイ事言った? で、ようやくライブの話に戻りまして。今回のテルの衣装は凄かったです。上下白スーツ!!そして首から下がってるフサフサ!!お前は王子か!!そして、王子の「ウェーブが見たい」の一言で文字通り踊らされる我々愚民(愚麗の民の略)。それを見た王子の言葉。 「うわー、イナゴみたいだねえ」 そんな我らが王子でしたが、その2、3曲後には、集った10万人の愚民(しつこいが愚麗の民の略)を前にして感極まり号泣。・・・いや、私はファンではあるけども、一応冷静な目は欠いていないつもりなのでね、「オイオイ、マジかよ」とか最初は思ったんですが、某韓国人俳優よりは嘘臭くはなかったです。つうか、その後の曲は涙声。終いにはタオルで顔を覆って泣かれた日には・・・・・ゴメン!!疑って悪かった!!アンタは愛い奴だよテル!! さあ涙をお拭き。みたいな。何か、TERUメーター(何じゃそら)がポーンと跳ね上がってしまったよ。 6的にはですね、今回「春を愛する人」をやってくれたのが凄く嬉しかったです。なかなかライブではやらない曲なので。あとはエキスポ恒例の「MISELABLE」。亡きhideの曲なんだが、まさに灰色にアレンジされてて凄く好きです。 GLAYというバンドはファンの年齢層が割と広く、今回もおばちゃんからお婆ちゃん、家族連れと色んな人がこのエキスポに来ておりました。ファミリーで楽しめるライブというのもなかなか他になかろうて。そして、そんな幅広いファンを持つ背景には、彼らの曲は決して愛や恋ばかりを歌ったものだけではないという事が挙げられるんではないでしょうか。 恋愛の曲ばかりがイカンというわけではないですが、そればかりではすぐに飽きられてしまいます。人間は恋ばかりして生きているわけではないので。そこへくると、人生の迷い、幼い日のノスタルジー、人間同士の繋がりなんかが視点で書かれたTAKUROの曲はまさしく秀逸だと思います。きっと、あの人もGLAYになるべくしてなった人なんだろう。「pure soul」を初めて聞いた時は感動にサブイボが立ったもん。 そんなわけで、今回のエキスポも6的には大満足でした。やっぱ普通のツアーと違って、昔の曲を沢山やってくれるのが嬉しいです。お祭みたいなもんだから、お客さんのテンションも高いしね。ここまで読んでくれた人は既にファンなんだと思いますが、もしそうでない人がいたら是非!!彼らのアルバムを聞いて欲しいと思います。そして道産子どもの頑張りを褒めてあげて欲しいです。 |