英国I LOVE YOU −3−



1月2日  霧の街 VS 花の都 その4
昨日は2回目のハリポタを見に行ってきました。元旦ハリポタです。きっと今年一年アランづくしになるんだ!!とか思ってみる。
何回見てもやっぱりリックマン氏はお色気ムンムンなんですが、それよりも1月半前に見に来た時よりも英語力がアップしてる事が自分でも分かって驚きでした。前回の時は何を言ってるんだかさっぱりだったところも、今回はサウンドではなく何となくワードとして聞こえたし。あの映画で、一番聞き取りやすい英語を喋ってくれるのはハリーとハーマイオニーなんですな。非常に発音が明朗。それにひきかえ全く解らんのが年寄り。ダンブルドアはまだ聞きやすい方ですが、フィルチの言ってることはとんと解りませんでした。頼むからもっと明快に喋ってくれ。こっちも金払ってるんだから!!(そういう問題ではない)

さて、おフランス日記4回目。いつになったら終わるのか。
バスティーユを後にして、今度は地図上でまだ近い場所にあるノートルダム寺院へ行くことにしました。移動手段はメトロなわけですが、これが解り辛いの何のって。ロンドンの地下鉄は同じ路線でもどっち方面へ行くかちゃんと壁に書いてあるんだけど、パリの地下鉄は一切ナシ。この路線には違いないんだけど、はて、どっちへ行くのかのうと毎回迷ってました。しかもパリの地下鉄構内はあんまり良い雰囲気じゃないんですな。改札の抜け方も独特で、初めての人は絶対戸惑うと思います。例えばロンドンの改札はカードを入れて、機械を通って出てきたカードを取るとドアが開く仕組みになってます。がっ、パリの改札は切符を入れて、出てきたのを取ってから扉と腰の所にあるバーを自分で押して改札を開けなくてはいけないんですな。つまり、パリの改札は絶対に2人同時の通り抜けやら扉の飛び越え、くぐり抜けが出来ないようになってるんです。もうその意気込みたるや。絶対に通さないもんね!!切符無しで通れるもんなら通ってみやがれ!!てな感じです。言い換えれば、それだけパリには不正乗車が多いってことなのかもしれません。
その地下鉄の中で、本当にこれがノートルダムに行くのかどうか分からなかったので、その辺に座ってたお婆ちゃんに聞いてみました。
「この電車、ノートルダムまで行きますか」
「***************!!」
・・・・・・予想はしてたけど、やっぱり英語を話さないのでした。仕方なく「ごめんなさい。フランス語は解らないんです」と言うんだけど、やっぱりフランス語で必死になって教えてくれようとしている。そのうちお婆ちゃんは他の人に、「誰か英語話せる人はいないのかい!?」と聞き始めました。他の人もみんな首を振ってたから多分そんなような事を言ったんだと思います。困っていると、一人の中国人らしい女性が名乗り出てくれて、お婆ちゃんに「この子はフランス語が話せないんだよ」と言ってくれました。私には流暢な英語で「どこまで行きたいの?」と聞いてくれます。ノートルダムまで行きたいと言うと、お婆ちゃんが言ってる事を私に約してくれたのでした。かなり大変だったけどお互い意志が通じた後は電車に乗ってた人全員がホっとした顔をしていました。どうやら私とお婆ちゃんと中国人女性の二カ国語放送は注目の的だったようです。
で、そんな感じでノートルダムに到着。ノートルダム寺院は勿論のこと、その辺り一帯の風景が非常に奇麗な場所でした。
駅を出るとすぐ目の前に川が流れているのが見えて、その向こう岸に白い石で出来た家々がどこまでも並んでいます。一つの家をとっても何の変哲も無い店をとってもその建築物の作りは素晴らしく、長い年月を感じさせました。多分この町並みならずっと眺めていても飽きなかったと思います。ノートルダム寺院の内部もとても厳かで、私は何か特定の宗教を持ってるわけじゃないけど何か敬謙な気持ちになりました。ただ、惜しむらくは祈りを捧げるために2ユーロ必要だったこと。・・・・そうきたか、コンチクショウ。2ユーロの寄付をすると小さい蝋燭をくれて、それに火を灯して祭壇に捧げるんですな。敬謙な気持ちにはなったけど無宗教な私は、だったらいいもんねーとばかりに結局祈りは捧げませんでした。
そうして、ノートルダムを出た後は今度はエッフェル塔に向かったのでした。続く。



1月4日  霧の街 VS 花の都 その5
昨日はホームステイ先の息子の誕生日でした。本当ならあんなクソガキにはビタ一文使う気は無かったんですが、おかんの「大人になれ」という一言で£1、5を投資し、落書き帳みたいなのを買ってやりました。・・・・・・・・あーやっぱ買うんじゃなかった。あのガキ。母親に言われんかったら礼も言いやがらぬ。でもこれも、残り一ヶ月を快適に過ごす為だと自分に言い聞かせ、何とか張り倒すのは我慢しました。フー、俺様立派。

はい。で、おフランス日記第5回。ところでこの日記をどれくらいの人が読んでるんだろうと不安になる。まあカウンターが回ってるってことは誰かが読んでるだろうけども。
まあいいや。ノートルダムの次はエッフェル塔に行きました。パリと言えばエッフェル塔。東京と言えば東京タワーというのと同じくらいメジャーですな。そんなわけで、やっぱパリに来たら行っとかなあかん所だろうと勇んで向かったわけですが。・・・・・・何つうの?小っちゃ!!という感じです。エッフェル塔なんて御大層な名前がついてるんだからもっと雄々しく聳え立つのを想像してたのに。何年か前に友達と東京タワーへ行った事がありますが、それを見た時とあんまり感動は変わりませんでした。むしろ東京タワーの方が大きいかもしれない。しかも東京タワーは途中まではタダで昇らせてくれるのに、エッフェル塔は最初から金取るんだよ!?そういうわけで私の中では東京タワーの勝ちでした。偉いぞ東京タワー。
その頃になると午後2時もまわってさすがに腹が減ってきたので、そこらへんのビストロに入る事にしました。ビストロと言っても高級な所から庶民的な所まで実に様々あります。私が入ったのは当然貧乏人の味方のような所で、そこでプレーンオムレツとバゲット、それからブルゴーニュのグラスワインを頂きました。それで8ユーロ。900円くらいかな。確かにオムレツは火が通り過ぎててあんまりおいしくは無かったんだけど、やっぱりパンとワインは最高でした。しかもしれ以前に、そんなチープな店なのにボーイは皆シャキッとしてる。パリッとギャルソンの制服を着てテーブルの間を背筋を伸ばして早足に歩く姿はさすがでした。お金は各自テーブルで払うんだけど、その時にも笑って「メルシー」と言ってくれます。何だか腹の中以上に8ユーロで心も満たされたような気がしました。
その後はいよいよ凱旋門へ行くことにしました。これもやっぱりメトロです。フランスも大概無法者が多いんですが、電車が動き出すとすぐにアコーディオンやらギターやらを抱えた人たちが演奏を始めました。車両の中で。日本では考えられないことですな。しかもまたこれが上手いんだ!!
イギリスもフランスもそうですが、地下鉄と言いつつ地上を走る場合があります。この時もそうで、シャンソンを聞きながらほろ酔いの目に窓からエッフェル塔が見えました。何と言うか、その時に一人旅の醍醐味を味わったような気がしたのです。こんな時は誰かと日本語で喋るんではなく、黙って周りのフランス語に耳を傾けるのもいいなと。
そんな感じに凱旋門の駅に着いたんですが、ここでいよいよ今までの旅を台無しにするような事が起こったのでした。それについてはまた明日。



1月5日  霧の街 VS 花の都 その6
実は昨日の時点ですでにこの日記は完成してたんだよ。んが、突然のパソコンのエラーにより消失。
・・・・・・ンガー!!せっかく書いたのに!!もうね!!満員御礼超大作一大スペクタクルだったんだよ!?画面が真っ白になった瞬間毛が抜けるほどガッカリしました。クソー。そんなわけで気を取り直してもう一回書き直し。

おフランス日記第6回です。・・・ええと、どこまで書いたんだっけか。
そうそう。凱旋門でしたねえ。ここで思い出しても腹の立つ出来事が起こったわけです。
それは凱旋門の駅に到着した時でした。何か物の落ちるけたたましい音が構内に響いたのです。カラカラカラーンと。そこで思わず振り返ってしまったのが運の尽き。スリに対する用心はしっかりしていたつもりだったんだけど、その他の、しかも不意打ちのようなこんなアクシデントは予想していませんでした。振り向いた瞬間に恐らく中近東あたり出身だろうと思われる、私と同じくらいの年の男の子と目が合ってしまいました。あ、ヤベエな、と思ったんだけど、時すでに遅し。その子は近づいてくると私の腕をがっしり掴んで、「これはお前のか」というような事をフランス語で言いました。・・・・今から思えば多分あいつが最初から自分で落としたんだよ。ああチキショウ!!とりあえず私は違うと首を降りました。で、「私はフランス語は解らない」と言いました。んが、そいつは腕を組んだまま離さないわけよ!!そのままずっと私の横をついてくる。頭にきたので「何で腕組んでるの?離してよ」と言ったんですが、やっぱり彼は人の話を聞いていないのでした。しかもさっき英語でフランス語は解らないと言っちゃったもんだから、今度は片言の英語に切り替えてきやがる。つうか私英語もそんな堪能なわけちゃうから!!
んもうこれにはすごく頭にきました。そのうち私も声が大きくなってきて、何度離せ!!触るな!!付いてくるな!!を繰り返したことか。今から思えば、ああいう時は日本語で言った方が良かったのかもしれません。
そのうち彼は諦めて去っていったんですが。しかし!!去り際にそいつ、人の頭はたいて行きやがったんだよ!?あーーーーーーーーー!!!悔しいーーーーーーーー!!私は決して大人しい方ではないので、思わず追いかけてやり返そうかと思いました。けどここは日本ではないという事に気がついて思いとどまったわけですな。まあ彼がどんな危ない人間かも解らないし。しかしそれ以上に私を止まらせたのは、いつかジュリアーノが言っていた国際警察は恐いよ・・・・という言葉でした。ブルブル・・・・日本に帰れなくなったらえらいことよ・・・・。
そんなわけで凱旋門の感慨なんてものは全くありませんでした。もうその暴挙とも言うべき出来事が悔しくて悔しくて。それまで私のパリ旅行は非常にうまくいってて、それはとても良い思い出になる筈でした。でもたったそれだけの事があったばかりにそれまでの良い思い出は二の次になっちゃって、パリというと私にとっては「あんな嫌な事があった場所」という事になっちゃうんですな。非常に残念です。

そんなわけで2日間のパリの感想を語ってみました。最後の最後でげんなりする事件は起こったけれど、別に何か盗られたわけでもないし、おおむね良い思い出です。でもまあ安全の面で言っても私にとってはやっぱりロンドンの方が快適ですな。ロンドンに戻ってきて地下鉄に乗った時、「ああ、帰ってきたなあ」と思いました。イギリス人でもないのに(笑)。
まだパリに行った事が無い人は十分注意した上で行ってみるのもいいかもしれません。日本では味わえないスケールの建物にきっと驚くことでしょう。



1月7日  雪だるまなんか到底無理ですがね。
昨日から学校が始まりました。去年冬休みに入る直前に我々はアップグレードテストというのを受けていて、めでたく合格。そういうわけで昨日から今までいた「プレインターミディア」というクラスを脱出し、「インターミディア」というクラスに格上げされたんですな。どう違うんだと問われれば「プレ」の違いだとしか言いようがありません。私もどこが違うんだかよく分かんないんだけど、多分その「プレ」の中には我々には計り知れない大きな意味があるんでしょう(あるか)。

ところで今日はロンドンに初雪が降りましたよ。雪っつってもチラチラしたくらいだけど。よく「ロンドンは今ごろ大雪ですか」なんて聞かれますが、とんと降りません。拍子抜けするくらい降りません。日本の方が雪は深いくらいです。でも伊達に北の国なわけではなく、今日の寒さはかなりのものなわけで。(またしても純。)道端で「チェンジ・プリーズ(小銭を恵んでくれ)」を繰り返してるベッガー達が地下鉄構内に雪崩れ込んでくることでしょう。じゃないとあの人達凍死しちゃうよ。
そうそう。そのベッガーで思い出したんですが、彼らは日本のホームレスと比べるとかなりアクティブです。積極的に小銭を要求してきます。そんなところで積極性をアピールされてもこっちとしては困るわけだけども、まあ彼らも必死なんでしょうな。・・・・・・・でもよくあの人達が魔苦怒鳴怒の包みを持ってるのを見かけるんだけど、こっちではすんごい高いわけよ。私だって滅多にマクドなんかでメシ食わんのに、何で奴等がマクドに入れるんだ。世の中って不思議。
そんなわけでちょっとだけ雪が降った今日でした。茶色の煉瓦で出来た家々が白く雪化粧されてるってのはなかなかイイもんよ。アフリカ出身のファーマが「雪って初めて見た」と言っていたのが印象的でした。



1月9日  言ったそばから
大雪DEATH。
っつっても日本の比じゃありませんがね。全然積もってないし。ロンドンにしてみれば凄いってだけの話。授業中からみんなソワソワして窓にへばりついてて、ここは小学校かと思いました。授業が終わった時もまだガンガン降ってて、先生が「雪はおもちゃじゃないからね。遊んでないでちゃんと帰ること」と言う始末。そりゃどうなんよ・・・。ところで昨日言ってた道端のベッガーだがね。根性で道端で寝てるよ!!アンタら死ぬよ・・・・・。

で、そんな雪の日の今日、地下鉄の駅でドラゴンボールのトレーナーを着てる女の人を見かけました。あの人はあれでいいんだろうか。でっかく悟空が書いてあってもそれでいいんだろうか。悟空をミッ○ーと同系列に見てちゃ駄目ヨー!!しかもその女の人というのがこれまた可愛いもんだから驚きもひとしおでした。
それにしてもだな。このクソ寒いのに薄着の人間が多すぎると思う今日この頃です。ドカ雪が降ってるのに腹出してんのよ!?つうかそんな時くらい半袖はやめれー。んもう信じられん。外国人の温度感覚を疑います。前にもちょっとそんな事に触れたような気もしますが、やっぱり彼らの回りだけ5度くらい温度が高いんではないかと思います。もしくは奴らはいつも心頭滅却してるのか。

どうでもいいけど今日初めて宿題が出たよ。クラスも変わって先生も変わったんだけど、今更ながら本当は宿題が出るんだという事実に驚きました。前の先生がかなりいい加減だったから失念してたけど。←だって先生が率先して授業中に菓子食ってるもん。
・・・・・・でも授業は前の先生のが面白いんだよねえ。



1月13日  ここではない、どこかへ
不定期にダラダラと書き綴っている英国日記「英国 I LOVE YOU」ですが(タイトルだったんだよ、これ)、昨日何とも温かいメールを頂く。
「私も英国気分に浸れるので何度も読み返しています」(メールくれた人、勝手に引用しちゃってゴメーンね)
んまあ。どうもありがとうございます。書いてる本人しか意味が通じてないような日記を(日記ってのは大概そんなもんだ。書いてる本人が解りゃあいいんだよ)読み返して下さってるかと思うと、日本の方角に向けてへへーと頭を下げたくなります。毎日つつがない日々を送ってるので、もっと劇的な変化でもあれば多分この日記ももっと面白くなると思うんだけど。やっぱもうここで一発盛り上げるには、もう町角でアランとぶつかるしか・・・・!!
つうかこんな日記で浸ってちゃ駄目ヨー!!百聞は一見に如かず。最近ちらほらと「私も留学を考えています」という感想も頂きますが、どうせならドーンと世界に飛び立ってまだ見ぬ土地を自分の目で確かめましょう。常々思ってたんですが、自分で見てない場所ってのは存在しないも同然だと思うのよ。ロンドンという場所がある。でも行った事は無い。じゃあもしかしたらロンドンなんて場所は無いのかもしれないでしょ?テレビで見た事がある?それが本当だってどうして言い切れるのかね。 例えば自分の生まれた町を出た事が無い人がいたとして、その人の世界はその町が全てなんだと思うわけですよ。何て言うかなー。その人にとってはロンドンもパリもアメリカもネバーランドもホグワーツ魔法魔術学校も一緒なわけだ。あるかもしれないし無いかもしれない。もしかしたら自分の生まれた町から一歩外へ出れば、そこは真っ暗で何も無い場所なのかもしれない。うーん、うまく言えないけど。日本語って難しい。
そういうわけでしてね、「留学しよっかなー」とかチラッとでも考えてる人がいるのなら、私は是非そうして下さいと言いたいですな。私はロンドンという都市を選びましたが、ここには沢山の人種がいて、沢山の言語が飛び交っています。ここで生活していると、日本は何て狭くて閉鎖的な国なんだとつくづく思うわけですよ。
この日記はあくまで私の主観です。これを読んでいるアナタがロンドンにやってきた時は、多分違う印象を受けるでしょう。私の印象をトレースせずに、自分の目で世界を確かめましょう。そこに別の場所がある事を確認しましょう。もしかしたら、世界地図は今アナタが思っているような形じゃないかもよ?

つうかですな。ここで今回の日記が終わればかなり有終の美を飾れたと思うんだけども、蛇足的に付け足しときます。よく「英語喋れるなんて凄いですねー」という感想も頂きますが、喋れてません。ここで「んもうペラペラっすよ。はっはっはー」とか言えれば大したもんなんだけど。ペラペラなんてほど遠いッス。最近になってようやく何を言われてるのかが解って、しどろもどろ君になりながらも自分の意見を言う事が出来るようになったって程度ですな。日本にいればもしかしたら私は少しくらいは喋れる部類に入るのかもしれないけれど、ここではヘタレも同然です。ヘタレ。でもそんなに不自由は感じてないので良しとする。
で、ロンドンに来てみて思ったんだけども、英語が喋れる事は「凄い」んではなく、寧ろ英語が喋れない事が「恥ずかしい」事なんですな。私の英語は多分文法的にも間違ってるところが沢山あると思うし、何と言っていいのか解らない単語も沢山あります。その程度の英語力で例えばバスや地下鉄の中で友達と話をするのは、私にとっては凄く恥ずかしい事なんです。だからもっと勉強して、自分の英語をイギリス人に聞かれても恥ずかしくないようにしたいと思っています。そして、大概の人が英語を話せない自分の国を恥ずかしくも思います。
英語ってのは凄いよ。それが話せれば世界の人と話せるんだから。
まだまだ稚拙ではあるけれど私に英語と、そして英語に対する興味を教えてくれたロンドンという街は、私にとってのフェイバリットプレイスになるんだろうなあと思います。



1月15日  外国人の味覚について
つうかマジ無理。この日記での「不味い」という表記は、「飲み込めないくらい」という枕詞が常にくっつくと思って下さい。それくらいヤバイんだ。これが。

ホストファミリーがパキスタンの家族なのは以前から度々触れてる通りですが、とりあえずここで一苦労。最近は慣れてきちゃったのか何なのか苦じゃなくなってきたような気もしますが、油断していると不意打ちで箸にも棒にもかからない夕食をサーブされたりします。以前夕食にオレンジ色のピラフみたいなのを出されて、食ったら甘かったという話を書いたと思いますが、2、3日前にまたそれが登場しました。つうか・・・・・・頼むから学習してくれ。それは口に入れることすら出来んのだ。幸いそのオレンジ色(何で味、及び色をつけてあるかは全くもって不明)が夕食の全てじゃなかったので皿の端っこに押しやり、「俺はこれが嫌いなんだ」という事を再度アピールしました。ホストマザーが気づいてくれるかどうか、これは大きな問題ですな。
ちょっと話は逸れるけどそのホストマザーですが、度々夕食の時間を変更してくれやがります。何でかっつうと、ドラマを見るためなんだな。こないだも5時半くらいに「夕ご飯よー」とか呼ばれて「早ッ!!」とか思ったんですが(夕食は6時ということになってます)、ダイニングに行ってみると彼女は虎のような目で所謂トレンディドラマを見ていました。んもう何つうの?真☆剣てやつだな。だって見てる間一言も口きかないもん。
まあそれは置いといて、そんなわけで夕食にまだ見ぬ新手のメニューが出たりすると私は内心ドキドキなわけよ。だってパキスタンのご飯って、見た目で味が全く想像出来ないんだもん。口に入れてまだ食べられる味だった時は本気でホっとします。逆に口に入れてから「ヤッベェ」とか思ったりした時はまさに地獄。とりあえずご飯にヨーグルトを使用するのは止めて頂きたいもんなんですな。言っちゃあ悪いがあれを恒常的に食べてる彼らの気が知れぬ。

大体においてこの国(日本以外はどこもなのかもしれんが)の味覚は日本人には辛いものがあるのですよ。菓子はとりあえず味が濃い。甘いものはお茶無しなんかで食ったら舌が溶けそうなくらい甘いし、スナック菓子なんかは逆に腎臓病になるくらい塩っ辛い。かと思えば飲食店なんかで食べるご飯にはまるで塩気が無かったりするんですな。塩気が無いなんてのはアンタ。それで金を取ろうなんてのはある意味犯罪ではないのか。しかもお値段は日本以上な罠。
そうそう。昨日クラスメイトのヨン・ジュンにサンドイッチを貰いました。サンドイッチなら大概おいしいし、腹も減ってたので。ハムとチーズとレタスとジャムが挟まってました。ここまでくると製作者の悪意を感じます。勘弁してくれ・・・・・。
んもういっぺん英国の飲食関係者を全員床に正座させてお前らは本当にこれで満足してるのかと問いただしてやりたいくらいですわ。私は本当に日本人で良かったよ。



1月16日  ルイ・ヴィトンとイングリッシュ気質
母さんからの「ヴィトンのバッグを買ってこい」という司令を受け、今日はボンド・ストリートのルイ・ヴィトンへ行ってきました。ボンド・ストリートっつうのは所謂高級ショッピング街なんですな。アルマーニやらフェラガモやら聞いた事のあるブランドの店が軒を連ねています。母さんからそんな司令が発令されなければ行く必要も無い場所ですわ。
で、品番が書いてあるメモを握り締め一路ルイ・ヴィトンへ。店にはドアマンが控えていて、サッとドアを開けてくれます。ただ物を買うだけなら幸いそれくらいの英語力は備わっているんですが、免税手続きとなると貧乏人の6さんにはよく分からない罠。そんなわけで日本語を話せる店員はいますかと聞くと、あっさりイエスと肯かれました。まあな、日本人なんてお得意さんなんだろうしな。いない方がおかしいか。早速メモを見せるとすぐに品物を持ってきてくれました。
「お客様、こちらの商品でよろしかったでしょうか」
「あー、多分いいと思います。私もどんなか知らないんですよー。番号教えられて買ってこいって言われただけなんで。困りますよねー、アハハ」
「そうですか・・・・・・・」
「・・・・・・・・(汗)」
いや・・・・・そこは私的には一緒に笑って欲しかったところなんやけども!!日本人ってコワイ・・・・ブルブル。
しかもだな。いざ買おうとするとパスポートを見せろと言われる罠。そんな!!今更そんなもん持ち歩いてないよ!!
そんな感じにまんまと森の狩人の罠に引っ掛かり、明日もう一回行かなあかんのですな。トホー。

その帰り道、もう歩くのがめんどくさかったのでオックスフォード・サーカスからバスに乗りました。そしたらどうよ。丁度昼時なもんだからバスが人に邪魔されて進めず、歩いた方が早いって話なんですな。バスの中から見てましたが、もう凄いの何のって。前方5メートルで急に飛び出されるなんて当たり前。有るんだか無いんだか解んないような隙を見つけては道路を横切る歩行者達。他の路線はそんな事は無いんだけど、あの通りだけは別格です。あそこを経由しなければならないバスの運転手はそのうちキレるんじゃなかろうか。あーもう何かやんなっちゃったなー。もうどうでもいいやー。とか言って通行人をなぎ倒してあの通りを爆走するバスが出るんじゃないかと思うととっても心配です。
そうそう。そんなロンドン中心街ですがね、お土産物屋には必ずウィリアム王子とヘンリー王子のブロマイドみたいなのが置いてあるんだよ。この国ではあの二人の王子はちょっとしたアイドル扱いなのです。まあな、実際格好良いしな。日本じゃあこうはいかんね。「キャー!!秋篠之宮ー!!」とかにはならんもんな。

ところでこの英国日記はいつもネットカフェで綴られてるわけですが、店の中に一緒にサブウェイ(サンドイッチ屋)があるくらい大規模店舗です。でもサブウェイがある割には「店の中で物を食うな」って壁に書いてある不思議。勿論誰も守ってません。というよりも、みんなネットやりながらご飯食べたら、そのままその残骸を放置して帰るんですよ。後は清掃の人に委ねるわけですな。何となく私もそれが身についちゃって、こないだ日本人の子とネットカフェに行った時にそのまま帰ろうとしたら、「すっかりイングリッシュに毒されてますね。日本帰ってから苦労しますよ」とか言われました。ムム・・・た、確かにそうかも。
ロンドンでは道にゴミ捨てるなんて全然日常的な事です。煙草のポイ捨てなんて咎める奴がおかしいくらいなんですな。ああヤダヤダ。ロンドンってば何てばっちい所なんだ。
と言いつつ自分ももう煙草のポイ捨てに何の禁忌も感じなくなってるイングリッシュ気質なんですな。



1月18日  マジスマソ。そしておめでとう私。
この日記を読んで、下の方にある「メール」って文字に騙されてメールを送ってくれた方、マジごめんなさい。この国に来るにあたってホットメールを取得し、主に・・・つうかほとんどそっちを使ってたんですが、おかげでアウトルックの方をとんとチェックしないという事態に陥ってました。今日ひっさびさにアウトルックをチェックしてちゃんとメール頂きましたので。すぐにお返事いくと思います。放置ですいませんでした。

と言いますかね!!行政書士試験に受かりましたよー。ワーイ!!試験を受けてからすぐさまこっちにやってきたんですが、落ちてたらもう日本には帰らないところでした。つうかこないだうっかりアレキサンドロに「今試験の結果待ちなんだ・・・」って漏らしちゃったら、瞬く間にクラス中に広まっちゃったんだよ!!お陰で毎日学校へ行くと、先生まで「ヘイ!!試験の結果は出たか!?」と聞いてくる始末。毎朝げんなりしてたんですが、これで明日の朝はみんなに「I successed!!」って言ってやれるぜ!!とパソコンの前で小躍りしました。
んが。よく考えたら明日って土曜日じゃん!!
・・・・・・・・学校休みだヨー。

それはいいとして、明後日日曜日ははまアレキサンドロの家でパーティが行われます。必ず来いと言われて、よく考えたらあいつのうちでは毎月パーティやってるなあと思えば、「お前のお別れパーティだよ」と言われました。
・・・・・あーくそ。うちのクラスってば学校内でもかなりの問題児クラスらしくて、友達もおかしな奴ばっかりなんだけど、こういうとこで不意打ちでグッとさせられたりするんだよなあ。
「またこの国に戻ってくる?」とみんなが聞きます。来る、という意味のただのcomeではなく、戻ってくるという意味の「come back」を使いやがるんだ。みんな。勿論戻ってきたいし、もし試験に落ちていたらまたお金ためて今年も留学したいなとか思っていました。
さっき韓国人の友達、カン・サンに会いました。
「試験も受かったし、お金も貯められると思うから、今年の夏にまた戻ってくるよ」
「そう。おめでとう。良かったやん!!・・・・・でもそしたらもう留学は出来ないねえ・・・・」
「・・・・・・あーーーーーーーーー・・・・・」
何となく何も言えませんでした。
留学は出来ないけど、夏だからすぐに会えるじゃん、と言いました。実際本当に夏にまた戻ってこられるのかは解りませんが。
カンも私の合格をすごく喜んでくれたし、私も勿論嬉しいです。簡単な試験ではありませんから。でも、嬉しいんだけど同時に少し寂しい気もします。
「日曜日は6のお別れパーティと一緒に、合格祝いも出来るね!!きっと凄く楽しくなるよ!!」
そう言ってくれたカンにサンキューと言って、それから「また戻ってくるから」とつけたしました。

・・・・・・・・つうかまだあと2週間あるんだって!!



1月20日  プレゼント・パーフェクト・コンティニュー
今朝ウォークマンを聞きながら学校に行ったら、階段で別のクラスの奴に鞄でコードをひっかけられました。慌ててエクスキューズ・ミーというそいつ。まあ謝るだけまだマシだがな、そういう時はエクスキューズじゃなくてソーリーやろが!!こんにゃろう。

はい。そんなわけで今日は学校について書きたいと思います。
友達はおかしな奴ばっかりですが、毎日学校へ遊びに行ってるわけじゃありません。ちゃんと英語の勉強をしてます。
とりあえずやってる事は結構高度ですよ。前のプレ・インターミディアだった時はまだ鼻歌まじりだったんですが、プレが取れてからはちょっと難しくなりました。まあ大概はテキストの問題をやります。それも熟語みたいなのが多くてよく解んないだけども、その問題だけじゃなくて、先生が「このセンテンスは文法的にはどうなの?」と聞いてきます。そこで運悪く当てられちゃった人は「present simple(現在形)」だとか「past simple(過去形)」、または「present continue(現在進行形)」、「past continue(過去進行形)」、はたまた「present perfect(現在完了)」、「past perfect(過去完了)」、「present perfect continue(現在完了進行形)」なんて答えたりするわけですな。 それにしても現在完了やら何やらって、日本人が勝手に考えた英語の体系なのかと思ってたんだけど、やっぱりちゃんと存在するもんなのね。最初やってきたばかりの頃は何を言ってるんだかさっぱり解らず、こいつらは何を呪文のような言葉を繰り返しておるのかと思っていました。しかもそれだけではなく、時制を見事言い当てた後は「他には?」とか聞かれます。そうしたら、我々は「active vice(能動態)」か「passive voice(受動態)」か答えればいいわけですよ。
ね、遊んでばっかいるわけでもないでしょ?しかも当然の事ながら、授業は全て英語で進められるんだから。でも最近では居眠りしてるところを先生に発見されて、「じゃあ次の問題は今目を瞑って考えてた6にやってもらおう」とか言われたりします。いやあ、慣れってスゲーね。来たばっかの頃は、解らないなりにも先生の言葉を一言も聞き漏らさないくらいの勢いだったんだけど。
っにしても最近痛切に思いますが、日本の英語教育がいかに間違ってるかという事がここにいると余計に思い知らされる気がします。あんな授業やってたら一生かかっても喋れるようになんかならないわよ。
私が中学の頃、我々に英語を教えていた馬鹿教師が言った言葉を今だに覚えています。
「ピクニックに行くという熟語はぁー、on a picnicというなぁー、女目当てにピクニックに行くと覚えとけぇー」←マジこういう口調
・・・・・・・・・馬鹿じゃなかろうか。
中学の頃、こんな言葉を真に受けて必死にノートをとってた自分が可哀相になります。私の中学は英語に力を入れるというのがウリだったんですが、その割にはあんな馬鹿みたいな教師が教鞭をとっている不思議。あー、あの頃はすごい多大な時間を無駄にしてたなあ。
はっきり言って、中学、高校の英語教師で満足に英語を喋れる奴なんていないんじゃなかろうか。授業もやっぱりそれに見合って面白くないんですな。日本の英語は大学に入るための英語だなんて言われたりしますが、全くその通りだと思います。そりゃ文法も大事よ。でも文法以前に喋れなければ意味が無いのよ。本当に英語圏に行った時に、必要とされるのは「文章中の括弧に適切な動詞を入れよ」じゃなくて、多少文法的におかしくても自分の意思を伝えられる事なのよ。
日本の英語教育は、子供たちに一体何をさせたいのか。国際人となる事を望んでいるのか、それとも大学入試を突破させたいだけなのか。んもう全くもって意味不明ですな。
いい大学に入ったって、実際にはそんな英語全く使えない代物なのにね。

ところで中学の時のあのクソ教師は絶対に英語なんか喋れなかったとみた。
英語の教師になる為には最低でも1年海外で勉強する事が必要ということにしたらとってもいいと思います。






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