2000系の大研究!

ここでは南北線を走った2000(1000)系車両について研究します

このページの背景は2000系の化粧板(焦げ茶)です。

2106形 自衛隊前駅
最後の定期運用を終えた時の姿です。(99.6.25)


 皆さんご存じの通り,昭和46年の南北線開業以来,つい最近まで走り続けいていたのが2000系車両 です。この車両が札幌初の地下鉄電車です。この車両が初めて登場したのは昭和45年。試作車として 1001形と1002形の2両が誕生しました。製造元は川崎重工兵庫工場です。車体はアルミ合金製で2両連 接で全長27.5m,2両で7軸のゴムタイヤ軸を持っており,各軸に4本のタイヤが装着されています。 2両で合計28本のタイヤを装着するのは,荷重分散のためと万一のパンク・バースト時に安全に停止 できるようにするためです。軸の配置は2両連接で

○+ ○○ +○+ ○○ +○
○○は駆動軸


という感じで,中央の1軸は連接部分に当たります。 2軸が駆動軸で90kwの電動モーターが2個搭載されています。1軸のほうは案内軌条を挟むタイヤが装備 され,車両の方向を支持する役目を担っています(右図参照)。

 車内は焦げ茶の化粧板により落ち着いた雰囲気で,シートは背部に一本のバーが通っているベン チタイプのものでした。外観の特徴は大きな側窓と正面の丸みを帯びたスタイルでしょう。大きな側窓 は札幌市電車両からの流れでした。当時から,ヨーロッパ的なスタイルは高い評価を得ていました。

 開業時にはこの試作車2両の他に54両の1000系または2000系が導入されています。1000系は2両 編成,2000系は4両編成で,車両数は試作車も含め1000系14編成28両,2000系7編成28両の合計56両 となっていました。

真駒内 < 1000+1000 > 北24条 14編成 <> は先頭車の向き
真駒内 < 2000+2000+2000+2000 > 北24条 7編成

当時は1000系と2000系を組み合わせ,2両から8両の編成で営業運行する予定でした。2両編成は 市電の連接車の延長と考えていたからです。しかし,オリンピック輸送やラッシュ時の混雑が激しく ,開業時から2両編成で運行されることは車両の検修,故障などの都合で運行された以外にほとんど なく,4両から8両までの運行が多かったようです。オリンピック開催時期は全編成が運用に入り, 検査・修理を徹夜でやるという偉業を達成しました。

 先にも述べたように4両以上の運行がほとんどだったため,2両編成の1000系の存在意義は次第 に薄れ,さらに南北線の混雑も北方面を中心に日増しに激しくなってきました。そのため昭和47年6月 までに車両の増備を行い,4両編成2本と中間車のみの8両が新たに加わりました。中間車8両は1000系の 4両化に使用され,このとき4両化された1000系は2000系と改番されました。

 さらに昭和48年7月にダイヤ改正を行い,ラッシュ時の真駒内行きに6両編成を集中的に充てる ようになりました。しかし,この年に車両の増備は行っていないので,4両編成3本を6両編成2本に 組換えました。このとき2000(1000)系は,6両編成6本,4両編成9本の合計72両となっています。

 それでも北方面からの混雑は解消されず,全編成6両化するために昭和49年7月までに中間車12両 が増備されました。このときも4両編成3本で6両編成2本を作り,残りの4両編成6本に各2両ずつの中間車 を増結しました。この時期で全ての編成は6両に統一されましたが,6両編成の組み方には,

真駒内 < 1000+1000 > < 1000+1000 > < 1000+1000 > 北24条 1編成
真駒内 < 1000 +2000+2000+2000 > < 2000 +1000 > 北24条 1編成
真駒内 < 2000+2000+2000+2000 > < 1000+1000 > 北24条 6編成
真駒内 < 2000+2000+2000+2000+2000+2000 > 北24条 2編成
真駒内 < 2000 +2000+2000+2000+2000+ 2000 > 北24条 4編成
2000は1000系改番車の連結位置


の5通りがあり,このうち1000系から改番された2000系8両は,全て一番下の全2000系編成6本のうち 4本の先頭車に組み込まれていました。上から二つ目の編成では,真駒内側1両目と5両目が入れ替わっ た形となっています。入れ替えられたのは2001形と1007形です。これは2001形が他の車両より運転席 が狭いための措置でした。

 昭和53年の麻生延長開業時には全編成が8両化されました。それまでに昭和51年に検修などの 予備率をあげるため中間車12両が増備され,翌昭和52年にも中間車18両,昭和53年には中間車22両 が増備されています。同時に編成の車番統一のため1000系はすべて2000系に,そして車番下二桁を 編成番号とする改番が実施され,最終的に麻生延長開業時には2101−2801(2001編成)から 2120−2820(2020編成)までの2000系全160両の全布陣が堂々完成しました。このときの8両編成の 組み方は,

真駒内 < 2100+2200+2300+2400+2500+2600+2700+2800 > 麻生 15編成
真駒内 < 2100+2200+2300+2400 >< 2500+2600+2700+2800 > 麻生 3編成
真駒内 < 2100+2200+2300+2400+2500+2600 >< 2700+2800 > 麻生 1編成
真駒内 < 2100+2200 >< 2300+2400 >< 2500+2600 >< 2700+2800 > 麻生 1編成


という4タイプありました。

 結局1000系から2000系への一連の流れを一言でまとめると,当初予定していた2両編成の運行が ほとんどなく,逆に乗客の増加とともに長大編成での運行に適する形に弾力的に編成が組み直されて きたということでしょう。つまり,開業初期には先頭車が非常に多く配備され,その後増結のために 中間車が増備されましたが,それでも先頭車の数が多く中間車として活用ざるを得なかったという 感じでしょうか。このような複雑な変遷をたどった車両は他の地下鉄を見てもあまり例がないと思い ます。おかげで,私は幼少時代,中間先頭車の長〜い幌の中をまるで秘密のトンネルのように楽しむ ことができたのです。


 2000系は上で見たように昭和45年から53年にかけて約8年に渡って製造されました。この間に2000系 はいくつかのマイナーチェンジが行われています。まず,一番目に付くのは内装の化粧板の色の違いで しょう。初期の車両はこのページの背景にある濃い茶色をしていました。その後,昭和47年増備車から 今までよりちょっと薄目の茶色の化粧板が登場し,さらに昭和53年の最終型では黄土色に近い色の化粧 板も登場しました。それぞれの化粧板の色ごとに天井板の柄も違っていました。

2000系の内装色の違い(左から2106,2306,2606形)
最後まで残った2006編成は昭和46年製から昭和53年製までの車両がありました。

また,連接台車上の渡り板にも二種類あり,初期の車両は丸型,後期の車両はキノコ型をしていました。 しかし,いつからキノコ型に変わったのかは残念ながらわかりません。

連接台車上の渡り板の違い(左2014編成,右2006編成)
3000系のもキノコ型です。

 外観の大きな違いは側窓の大きさです。初期車はシートの背中が見えるほど非常に大きな側窓を 持っていました。しかし,昭和50年以降の車両は側窓の大きさが一回り小さくなっています。8両編成 時代には,全大窓車編成(2013〜2020編成)と全小窓車編成(2001〜2004編成),大窓車小窓車混結 編成(2005〜2012編成)がありました。

2106形と2206形:側窓の大きさの違い
帯と窓の間の幅に注目。


 2000系の編成は上で解説したように中間先頭車の数や連結位置により4種類に区分できました。 その中でも8両全てが先頭車で組成された2020編成は特に目を引く存在でした。この編成には 札幌地下鉄第一号車である1001形と1002形を含む一番初期の車両が連結されていました。この2020 編成を改番前の車番にすると,

真駒内 < 1005+1004 >< 1001+1002 >< 1003+1006 >< 2017+2020 > 麻生

となります。この2020編成は6両化時の

真駒内 < 1005+1004 >< 1001+1002 >< 1003+1006 > 北24条

に2017形と2020形を加えたものですから,6両化時にすでに2020編成の原型ができあがっていたと 言ってもいいでしょう。1001形と1002形はすでに6両化時に先頭車としての機器を撤去され中間車 として使用されていたので,1001形と1002形が先頭車として活躍したのもほんの少しの期間だけで, 圧倒的に中間先頭車として使用された期間のほうが長いという不思議な車両でした。1001形と1002形 が中間車として使用されたのは,他の先頭車と比べ運転席が狭いためで,同様の理由により1003, 1004,2001,2004形の4両も中間車として使用されました。ただし,先頭車は中間車よりも1両あたり 6人定員が少ないため,2020編成は中間先頭車の連結されない編成2001〜2015編成と比べ,定員が36人 も少なくなっていました。

 このような経緯から生まれた2020編成は,昭和59年まで第一線で活躍しました。私も幼心にこの 2020編成に乗った記憶があります。私は麻生駅北出口を利用していたので,たいてい麻生側先頭車 2800形に乗りましたが,この編成がくると必ず2720形や2620形の中間先頭車の連結部付近に乗って いました。あの長い幌が3つもある電車はとても好きでした。全国的に見ても,地下鉄で8両もの編成 で全ての車両が先頭車である電車は非常に珍しいと思います。2000系のような先頭車らしい先頭車 (主観的な表現ですが)が中間車として連結されるのも,非常に興味深いところです。今となっては, 中間先頭車の写真も全くなく,写真として記録しておけばと悔やまれるところです。

 ...と思っていたところ,つっちーさんのご厚意により,2020編成の 全体写真をこの場で公開することをお許しいただきました。つっちーさん,貴重な写真 本当にありがとうございます。なお,この写真の出典は(財)札幌交通事業振興公社 『地下鉄開業20周年記念絵はがき』です。華麗なる先頭車集団をごゆっくりご覧下さい。 画像をクリックすると大きくなります(58KB)。


昭和47年製2次車16両の内装色が間違っていたので,修正しました(誤:茶→正:こげ茶)。

2000系全車両一覧
編成
番号
←真駒内 麻生→
21002200230024002500260027002800
012101
(4)S50小
2201
(4)S50小
2301
(4)S50小
2401
(4)S50小
2501
(7)S53小
2601
(7)S53小
2701
(4)S50小
2801
(4)S50小
022102
(4)S50小
2202
(4)S50小
2302
(4)S50小
2402
(4)S50小
2502
(7)S53小
2602
(7)S53小
2702
(4)S50小
2802
(4)S50小
032103
(4)S50小
2203
(4)S50小
2303
(4)S50小
2403
(4)S50小
2503
(7)S53小
2603
(7)S53小
2703
(4)S50小
2803
(4)S50小
042104
(4)S50小
2204
(4)S50小
2304
(4)S50小
2404
(4)S50小
2504
(7)S53小
2604
(7)S53小
2704
(4)S50小
2804
(4)S50小
052105
(1)S46大
2205
(5)S51小
2305
(5)S51小
2405
(5)S51小
2505
(7)S53小
2605
(7)S53小
2705
(5)S51小
2805
(1)S46大
062106
(1)S46大
2206
(5)S51小
2306
(5)S51小
2406
(5)S51小
2506
(7)S53小
2606
(7)S53小
2706
(5)S51小
2806
(1)S46大
072107
(2)S47大
2207
(2)S47大
2307
(5)S51小
2407
(5)S51小
2507
(7)S53小
2607
(7)S53小
2707
(2)S47大
2807
(2)S47大
082108
(2)S47大
2208
(2)S47大
2308
(5)S51小
2408
(5)S51小
2508
(7)S53小
2608
(7)S53小
2708
(2)S47大
2808
(2)S47大
092109
(1)S46大
2209
(6)S52小
2309
(6)S52小
2409
(6)S52小
2509
(6)S52小
2609
(6)S52小
2709
(6)S52小
2809
(1)S46大
102110
(1)S46大
2210
(6)S52小
2310
(6)S52小
2410
(6)S52小
2510
(6)S52小
2610
(6)S52小
2710
(6)S52小
2810
(1)S46大
112111
(1)S46大
2211
(6)S52小
2311
(6)S52小
2411
(6)S52小
2511
(6)S52小
2611
(6)S52小
2711
(6)S52小
2811
(1)S46大
122112
(1)S46大
2212
(9)S53小
2312
(9)S53小
2412
(9)S53小
2512
(9)S53小
2612
(9)S53小
2712
(9)S53小
2812
(1)S46大
132113
(1)S46大
2213
(1)S46大
2313
(3)S49大
2413
(3)S49大
2513
(3)S49大
2613
(3)S49大
2713
(1)S46大
2813
(1)S46大
142114
(1)S46大
2214
(2)S47大
2314
(3)S49大
2414
(3)S49大
2514
(3)S49大
2614
(3)S49大
2714
(2)S47大
2814
(1)S46大
152115
(1)S46大
2215
(2)S47大
2315
(3)S49大
2415
(3)S49大
2515
(3)S49大
2615
(3)S49大
2715
(2)S47大
2815
(1)S46大
162116
(1)S46大
2216
(1)S46大
2316
(1)S46大
2416
(1)S46大
2516
(1)S46大
2616
(1)S46大
2716
(1)S46大
2816
(1)S46大
172117
(1)S46大
2217
(1)S46大
2317
(1)S46大
2417
(1)S46大
2517
(1)S46大
2617
(1)S46大
2717
(1)S46大
2817
(1)S46大
182118
(1)S46大
2218
(2)S47大
2318
(2)S47大
2418
(1)S46大
2518
(1)S46大
2618
(2)S47大
2718
(2)S47大
2818
(1)S46大
192119
(1)S46大
2219
(1)S46大
2319
(1)S46大
2419
(1)S46大
2519
(1)S46大
2619
(1)S46大
2719
(1)S46大
2819
(1)S46大
202120
(1)S46大
2220
(1)S46大
2320
(1)S46大
2420
(T)S45大
2520
(T)S45大
2620
(1)S46大
2720
(1)S46大
2820
(1)S46大
凡例 化粧板:こげ茶
 化粧板:茶
 化粧板:黄土
 化粧板:6000系
(T),(1)〜(7),(9)試作車,1次車〜7次車,9次車
S45〜S53製造年
大・小側窓大窓車・側窓小窓車

導入年による仕様の違い
記号製造年両数先頭車中間車側窓内装色
(T)試作車S45220大窓こげ茶
(1)1次車S46544014
(2)2次車S4716412
(3)3次車S4910010
2026000系
(4)4次車S5024816小窓
(5)5次車S5112012
(6)6次車S5218018
(7)7次車S5316016黄土
(9)9次車606

注:8次車は3000系3001編成8両を指す。
データ出所:奥野和弘「札幌市営地下鉄南北線 北24条−麻生間延長開業」『鉄道ファン』,207,交友社,1978.7。


参考資料:
魚住幸雄「S.S. TRAM(空気タイヤ電車)の試験結果」『川崎技報』,42,川崎重工業,1971.7。
「札幌市交通局向 案内軌条式鉄道車両−新しいゴムタイヤ電車の誕生−」『鉄道ファン』,111,交友社,1970.8。
奥野和弘「札幌市営地下鉄南北線 北24条−麻生間延長開業」『鉄道ファン』,207,交友社,1978.7。
(財)札幌交通事業振興公社『地下鉄開業20周年記念絵はがき』1991.12。


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2007/5/20更新

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