F1とRCカーのエアロダイナミクス
実際にRCカーを走らせてみると、空気の影響と言うのは確かに感じられるし、風洞実験でもボディのエアロダイナミクスが重要なのは周知の事実です。
最も洗練されたエアロダイナミクスを備えた車といえば、今も昔もF1をおいて他にないでしょう。
1950年代以降、マシンが機械として安定した性能をだせるようになると、流線型で車体を覆い、運動性能の向上と空気抵抗を減らす為にミッドシップの葉巻型になりました。
その後エンジン出力の増加に伴いトラクションの不足を補う事が必要になり、空気の力でタイヤ(車体)を地面に押しつける「ダウンフォース」を利用することになります。
飛行機とは逆の羽を取り付けたウイングカーの次に、
車体上面の空気を利用してダウンフォースを得ようとしたウェッジシェイプカーが登場しました。
そして77年、ロータス78から始まる、サイドポンツーンをウイングの形状して車体下面の流気を利用し、マシンを地面に押しつけようとするグランド・フェフェクトカーの時代に入っていきます。
その後、83年のフラットボトム規定によりグランド・フェフェクトカーの時代は終わりました。
現在では更にステップドボトムによって、単純なグランド・フェフェクト効果は減少しましたが、車体をトータルに空力処理することで、より洗練されたエアロダイナミクスを得ています。
車体後半のダウンフォースを上げるためには、フロント周りのデザインから手を付けていかないとダメなんですね、今のF1は。
ちなみに今のRCカーの空力のレベルは、1970年辺りの、空気を上面に跳ね上げる事だけでダウンフォースを獲得していた時代、ロータス72等のレベルにあると思います。(これはウイングの上下を流れる気流の気圧の差、「ベルヌーイの定理」を利用するリフトの原理とは根本的に違う物です)
今後、RCカーにエアロダイナミクスがどの様に取り入れられていくのかはわかりませんが、エアロパーツがどの様な効果を産みだしているのかを、簡単に考えていきたいと思います。
020215