上下サスアーム(青線)の交点(赤の斜線)に、タイヤのトレッド面から引っ張った緑の斜線がシャシ中心軸と交わる位置です。
効果
基本的な方向性は
ロールセンター上げ=ロール/少・初期反応/多・メカニカルグリップ/少
ロールセンター下げ=ロール/多・初期反応/少・メカニカルグリップ/多
となります。
タイヤは、トレッドの面圧を上げるほど、グリップを上げることが出来ます。路面ミューの低い雪道などでは、接地面積の少ないタイヤでグリップを稼ぎますね。重量1.5kg程度のツーリングカーで24mm幅のミディアムナロータイヤが主流になっていったのも、この理由があるのです。
ロールセンターの高いマシンは、シャシの沈み込みが少ないので、アウト側のタイヤの面圧はステアリングを切った瞬間に高かまります。シャシの加重移動の量が少ないので、キビキビした特性になりますが、タイヤグリップに頼ったコーナリングになります。
充分な路面グリップが確保できる場合や、切り返しなどで初期反応の強い特性が求められるときは、ロールセンターを上げると良い結果を得ることが出来ると思います。また、重心位置が高く、転倒を起こしやすいマシンなども、シャシの沈み込みが少なくなるので、転倒には強くなります。
実車の乗用車では、乗り心地を良くするためにサスを柔らかくするので、ロールを押さえるためにロールセンターを高めに設定することが多いようです。
ロールセンターを低く設定することで、コーナーアウト側へシャシの沈み込みは大きくなり、タイヤの面圧を上げることが出来ます。高速のコーナーなどで確実なグリップを確保したいときなどに、有効な手段となります、ステアリングの切り始めに加重移動のピークが来ないので、初期反応は鈍くなりますが、サスを堅くセットすることでその鈍さをカバーします。
路面がフラットで、乗り心地など関係のないレーシングカーでは、低めのロールセンターに設定されることが多いようです。
ロールセンターは前後のサスで別々に設定するので、それぞれのロールポイントを変更することで切り始めから後半までのコーナリング全体の前後グリップバランスを調節することも出来ます。
020208