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スポーツカーって何だ?

 スーポーツカーとレーシングカー、共に速く走らせる為の車で、なんとなく同じ物の様に思えますが、ここには決定的な違いがあります。それはスポーツカーが純粋に運動性能を追求した乗り物なのに対し、レーシングカーとは決められた規則の中で、同じく与えられたルールの中で如何に速い車を作るかと言うことです。

 車と言う乗り物を構成する要素は様々ですが、最も大切な事は「居住性能」「運搬性能」「運動性能」の3要素にまとめられ、これに「デザイン」「アメニティ(静粛性や快適さ)」「エコロジー(経済性)」「動力性能(エンジンパワー)」「製造コスト」の要素をまとめてバランスを取りながら、車を設計して行くことになる訳です。この中で最初に上げた「居住性能」「運搬性能」「運動性能」の3要素は車のボディ、言わば骨格を決める要素で、「居住性能」を最も追求した物が「乗用車」であり、「運搬性能」を最も追求した物が「トラック」になり、「運動性能」を最も追求した物が「スポーツカー」となる訳です。ただ、このスポーツカーと言うカテゴリーも現在とても解りづらくなっていて、「スポーツカーの様な」車が数多く存在します。

 それでは、「運動性能」とは具体的にはどう言うことなのでしょうか。簡単に言ってしまえば、「走る」「曲がる」「止まる」の3要素になります。
 まず「走る」これはエンジンのパワーが関係してきますが、パワーを上げれば当然エンジンは重くなり、その大きなパワーを受け止める為にボディも強化しなければならず、それは当然重量の増加につながります。
 そして「曲がる」為に関係するのがタイヤとエンジンのレイアウトです。左右のタイヤの幅をトレッド、前後のタイヤの幅をホイールベースと呼びますが、この前後左右の比率が近いほど曲がりやすく、悪く言えば不安定になり、逆にトレッドが狭くホイールベースが長いほど曲がりにくく、よく言えば安定性のある車になります。そして重量物は前後タイヤの間に納め、最も重いエンジンは出来る限り車体の中心に持ってくる。
 最後に「止まる」これには軽さが絶対条件になります。更に言えばこの「軽さ」は「走る」「曲がる」「止まる」の全ての要素に関わってきます。重い車にいくら強力なブレーキを付けてもすぐにフェードしてしまうし、曲がるのも大変です。逆に軽ければエンジンパワーも少なくて済むし、曲がるのも止まる事も楽に出来ます。いくら空力や電子的なデバイスを駆使しても、物理の法則には逆らえないのです。

 では実車の名前を上げてスポーツカーの成り立ちを考えてみましょう。まず「曲がる」で書いたように、重たいエンジンは車体の中心近くに無ければなりません。この時点でFFとRRの車は全て落とします。すると「ポルシェ911系」も落ちることに異議のある方もいるかと思いますが、実はあの車のプロトタイプはミッドシップで作られていたのです。それが戦時中で2人しか乗れない様な贅沢な車は作れないと言う、時代の要求があのレイアウトを作り、「ボクスター」を作るまでポルシェはそのRRと言う呪縛から逃げられなかったということです。「インテグラ」「プレリュード」「三菱FTO,GTO」「レビン・トレノ」「セリカ」みんな乗用車の骨格を利用しながら「居住性能」を犠牲にし、スポーツカーのようなデザインをさせた、あえて言えば「スペシャリティカー」とでもなりますか。
 次に「フェアレディ」と「スープラ」、共にパワーもそこそこあり、シャーシレイアウトもまずまずですが、いかんせん「重すぎ」です。
 そして名車の誉れ高い「R32GTR」「R33/R34」は「乗用車にパワーのあるエンジンを付けただけ」の車なので論外ですが「R32GTR」だけは別物です。ただこの車は後で詳しく書きますが、「スポーツカー」ではなく「レーシングカー」なのです。
 では「NSX」はどうなのか?まず軽い、エンジンは車体中心にある、「走る」「曲がる」「止まる」を高次元でバランスさせている。文句なしの「スポーツカー」に思えます。ではこの車が企画・設計された時の時代背景を見てみます。時代は日本がバブルに沸く少し前、アメリカの金融経済が好調でニューヨークでは「ヤッピー」と呼ばれるヤングエグゼクテブが多くおり、ホンダはそこをターゲットに高級車「レジェンド」の横置き3.2Lエンジンを利用し、
「2人乗りの高級スペシャリティ」を作ることにしました。だから「居住性能」を良くする為にホイールベースを延ばし、ゴルフバッグを積むために大きなトランクを作りました。ところが企画が進むにつれアメリカのバブルが弾け、かわりに日本にバブルの波が押し寄せ、日本ではスポーツカーがブームになりつつありました。そこで企画を変更し、柔なボディに徹底的に補強を入れ、サーキットを走り込むことにより足周りを鍛えスポーツカーとして売り出しました。だから少しホイールベースが長く、後ろに余計なトランクを背負っています。「スペシャリティカー」出身の「スポーツカー」と言うことになりますか。でも「スポーツカー」と言う車は「志」ってのも大切だと思うんですが。
 そして「ユーノスロードスター」、軽い、シャーシレイアウト抜群、そこそこ速い。文句なしか?あります。「オープン」屋根がない。確かに気持ちいいです、いい車です。でも「運動性能」を純粋に追求するなら、屋根がないのはボディ剛性の点で決定的に不利です。もしクローズドボディで設計していればもっと大幅に軽量化できたはずです。あんな爆発的には売れなかったでしょうが。でも企画はあったんです。もう少しバブルが続いていれば、、、
 最後に「RX7」と「MR2」、軽い、シャーシレイアウト抜群、メチャ速い。文句なしです。共に発売された当初はクイックすぎて凡人には扱いが難しかった事、ボディ剛性が少し低かった事を避難されましたが、そんなことはどうでもいい事です。骨格がきちんと出来ていない車に何をやっても無駄です。ボディ剛性が低ければ上手く補強してやればいいんだし(大体に置いて、ボディ剛性は高ければいいってもんでもないんです)クイックすぎるのも、運転が上手ければ全然問題ないことです。
 こうやって書いていくとバブルの頃に発売された車ばかりで、もう10年位たとうとしてるのに今でも現役多いのは、うれしい反面、今後時代背景から見て、これ以上の「スポーツカー」はおそらく出てこないと思うと、寂しい気がします。

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