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リアの巻き込みを押さえる

サーキット走行において、リアグリップの確保は速く走らせるための必須課題です。
リアが巻き込む(オーバーステア)と言うのは、フロントタイヤのグリップにリアタイヤのグリップが負けているために起こるわけで、単純にはフロント側にグリップの低いタイヤを着ければいいのですが、それではコーナリングスピードを上げられません。
また、メイクの違うタイヤを前後に付けると、走行中にタイヤの温度が上がったときに、グリップバランスが変化してしまうため、最近の4WDツーリングカーではそのようなセッティングはあまり行われません。
巻き込み方にも幾つかのパターンが上げられます。パターン別に対処法を考えます。

1.ステアリングを切ったときにすぐスピンしてしまう。
これはタイヤが全くグリップしていないと言うことになります。車体がロールして、アウト側のタイヤに加重を掛ける事が出来ていません。
サスを柔らかくするかタイヤのグリップを上げてみて下さい。
タイヤはグリップする物なのにスピンしてしまう場合は、サスが柔らかすぎて加重が逃げてしまっています。実車でもチューニングサスはノーマルより絶対に硬いですよね。RCでも一緒です。
また、リアデフが滑っているときやユニバの調子がおかしいときにも同様の症状が見られます。

2.高速コーナーでコーナリング中、スロットルを抜くとスピンしてしまう。
これは一定のGが掛かっているときはバランスしているのに前後方向のGが横方向に移動したときに耐えられなくなってブレイクしてしまうと言うことです。
フロントヘビーなマシンの場合は重量の重いフロント側から流れ出すのでスピンしませんが、ほとんどの4WDマシンはリアヘビーなのでリアが流れてしまいます。
リアサスを硬くすることでタイヤにしっかり加重が乗るようになり、流れ出しを抑えることが出来る場合があります。

3.180°ターンでスピンする。
180°ターンでは急激な横Gが発生し、強いロールが起こることによってグリップが抜けてしまっています。ロールを抑えるにはサスを硬くすることが有効ですが、それ以上に重要なのがリバウンドストロークです。
リバウンドストロークとは、1Gの状態で車体を地面においた場合のサスの沈み込む量のことです。路面グリップの低い場合や、路面状態の悪い場合はリバウンドストロークを多めに採ることによって、路面への追随性が良くなりますが、路面グリップの高い場合リバウンドストロークが多いと、イン側のサスのリバウンドストロークが車体を持ち上げる働きをしてしまい、グリップの抜ける状態を作ってしまいます。
しかし、リバウンドストロークが全くなくてもイン側のタイヤがグリップできず、これも巻き込みの原因になります。
路面グリップの高い場合、リアサスのリバウンドストロークは1〜2mm前後が適しているように思いますが、これは実際に走らせながら決めるしかありません。

以上が私が経験してみた結果ですが、場合によっては全く逆の方がいい場合などもあるかと思いますので、あくまで一例と言った程度に考えて自分で色々試してみて下さい。

また、セットアップ以前に、車がきっちり組み上がっていないと言うことも良くあります。左右のリバウンドストロークは適切か?デフは滑っていないか?ベアリングは渋くなっていないか?タイヤはきちんと接着されているか?
しっかりと走る車を作りましょう。

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