九月 日々のできごと


過去のできごと
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2002/9/30

目を覚ましたら、お昼が過ぎようとしていました。ぼ〜っとしておりますと、いつの間にか『レディス4』が始まる時間になり、「高崎一郎すげえ、よくわかんないけどすげえ」と気圧されました。


2002/9/29

根っからの貧乏性であるわたしは、斯様に惰眠を貪っているばかりであると、後々、無為に過ごしてしまったことに対する後悔を大いに抱くに違いないと考え、とりあえず、床を空けて、焼き肉を食べに行きました。

「おいしいの♪」と奇声を上げながら、店内の煙に巻かれている内に、お腹を大破せしめてしまい、瞬く間に寝床へ失神する様となりました。

夢か現かわからぬ意識の中で、わたしはじぶんが何者であるか、考えていました。「多分、とっても善良な市民なんだよ♪」と云う答えを胸にして、わたしは安らかに意識を失ったのでした。


2002/9/28

眠りすぎて、腰が痛くなってしまいました。


2002/9/27

引き続き休暇中です。ずっと寝ております。


2002/9/26

忙しき日々の反動として、寝て過ごす一日と相成りました。

時々思うのですが、ひとの全人生における覚醒の時間は定数であり、質量保存的であって、短い睡眠時間は、それ相応の長い睡眠か、あるいは生存期間の短縮によって、贖われるのではないでしょうか。

と、書いている側から眠くなったきたので、もうおねんねする事に致します。

今晩は、幸福な夢が見られると良いですね。


2002/9/25

造営中の住宅地を歩き、落ちていた小枝を拾い、「ぴしぴし」と効果音をつけて振り回しておりました。不安な爆音がとどろき、空を仰ぐと、空港へ向かう旅客機が大きく旋回しようとしておりました。


2002/9/24

休みをいただき、映画館へ足を運びました。

映画をよく見るようになったのは、ここ五年くらいの習慣であると記憶しているのですが、その座席にぽつりと座って、上映が始まるのを待つ心持ちは、五年前も今も全く持って、変わらないように思います。

楽しく語らう恋人達を見ては、今わたしが過ごしつつある人生との隔絶に目眩を感じます。また、一方に目をやれば、床に転がりやすい体型をした人々が、息を潜めてパンフを見つめております。

わたしは、この人々とともに歩まねばならぬこれからの全人生について思いを寄せてみました。それはほのかな幸福であり、また、軽い絶望でした。


2002/9/23

ビデオ編集と云う物は、得てして時間がかかるがために、その場にいるひとびとの予想されうる空腹を満たすために、多量のお菓子が持ち込まれるのが常のことであります。

それで、余ったお菓子は会社に持ち帰られ、わたくしどもの腹を満たすことになるので、毎週、編集がある度に、わたしは上司の沖縄人C氏に菓子を持ち帰るようきつく申し上げるのです。

しかしながら、最近氏の持ち帰る菓子の分量に目減りが見受けられるようになりました。どうやら営業のM氏が着服しているようであり、氏の机を漁ったところ、何やら出て参りました。

氏に天誅をくわえんと、また、沖縄人O氏ほどではないにしろ、取りあえずふくよかなM氏のお腹がこれ以上膨張するのを阻止するため、わたしは「ふふふん♪」とM氏の秘蔵するお菓子たちを保護したのでした。


2002/9/22

多忙な日々も終わろうとしているのでした。遅滞した空気の中で、わたしが呆けた顔を天井にさらしていると、同僚の新潟人O氏が奇妙な動作をしながらやって参りました。

「うひぃ、音楽は素晴らしいネエエ」

と発しているところを見ると、携帯ラジオを歩行しながら視聴なさっているご様子でした。氏は破顔しながら近づいてきて、ぼや〜っとしているわたしを一瞥するや「ウフフ」と漏らし、

「キミぃ、すごい顔をしているネ」

と仰いました。


2002/9/21

『トマトと八種のヤサイ』ジュースで、机が埋まって参りました。単に、片づける閑がなかっただけだったのに、意地の悪い同僚の新潟人O氏は、

「キミは厭らしいネ、健康志向をこれみよがしに誇示してネ」

と素晴らしい笑顔で吐きたてました。


2002/9/20

今日もまた、「てへへ」と恥をかきました。


2002/9/19

暗い階段をトコトコと下りていると、下の方から「ひょろろろ〜〜」と高く奇妙な音声が聞こえて参りました。何だろうと思えば、同僚の東北人Hさんのか細い悲鳴なのでした。


2002/9/18

気が付けば秋の空になっているようで、気が付けば死に際になっているような気もしてきて、今日も今日で、意味のない動揺を感じるのでした。


2002/9/17

そこで、わたしは上司の沖縄人C氏に申し上げました

「セブンイレブンの納豆巻きは、さいこうですよねい」

でも、あれは巻くのに、いつも失敗してしまうのです。


2002/9/16

「君は納豆が好きか」

上司の沖縄人C氏が、仰いました。

大好きである事をわたしが云うと、氏は「似非九州人め」と吐き捨てました。


2002/9/15

牛丼がふって参りました

もう、何もかもが夢のやうです。


2002/9/14

風呂を


2002/9/13

疲れたびい


2002/9/12

腹が減りました。取り敢えず、同僚の北海道人Kのもとへ「腹が減ったよう、Kく〜ん♪」と気持ちの悪い嬌声をあげながら近寄ると、Kは同僚の埼玉人Hと楽しい語らいのときを過ごしているように見受けられました。

「仲睦まじいことですな」

とわたしが云うと、KとHはいわくありげな微笑を交わし合い、「同期ですから」と笑います。

何やらただらならぬ雰囲気を察したわたしは、「同期の桜と云ふものは、大抵、片方が散ってしまうものですよ」とよけいなことを申して、小走りにその場を離れたのでした。


2002/9/11

あへあへ〜


2002/9/10

雲一つ無い青空の様なわたくしめのこころに、多忙の荒みが感じられるようになりました。しかしながら、荒んだところで致し方なく、取り敢えず平静を装いたく、隣席で広闊に茶を啜り、己の愛郷心に身を焦がす同僚の埼玉人Sに、これを見せてみました。

Sは、一瞬、顔を蒼白にさせると、肩をふるわせ始め、ポツリと「屈辱だ」と云い、そそくさと立ち去って行くのでした。


2002/9/9

うにゃ〜ん♪(多忙中です)


2002/9/8

やや多忙です。


2002/9/7

日々につれて、同僚の新潟人O氏の口舌は熾烈さを増している様に思われます。今日など、

「君はいつも独りぼっちで、かなしい人間だよネ」

などと、唐突に仰り、哀れなわたしを動揺させるのです。ただ、氏の「独り、独り」の言葉を聞く度に、氏は一面に置いて真実をついているものの、また一面に置いては、わたしというにんげんを、非道く誤解されているような気もするのです。

「ボクはいつも陽のあたるところを歩いてきたからネ」

氏の咆哮は続いていったのですが、ふと、その顔に陰が過ぎるのをわたしは見逃しませんでした。氏を皎々と照らし続けてきた陽は、今まさに、沈まんとしているように見受けられたのです。


2002/9/6

恍惚としたご様子で、同僚の新潟人O氏は職場の真ん中で立ちつくし、ポツリと仰りました。

「美しい」

丁度、その傍らを通りかかった同僚の埼玉人Hは、眉間に皺を寄せ、怪訝そうにO氏に問いました。

「何が美しいのですか!」

O氏は空を見つめたまま、「ボクだヨ」と独り言のように仰いました。

暫しの間が過ぎた後、Hは「阿呆ですか!」と苦虫を潰したような顔をして、立ち去って行きました。


2002/9/5

食玩のおまけラムネを喰っておりました。すると、上司の沖縄人C氏が近寄ってきて、手を差し伸ばし、何やら卑しきゼスチャーを致しました。

氏の姿を見たわたしは、これ以上に氏の腹を膨らませないことを、堅く心に誓うのでした。


2002/9/4

その日は、業務の重要な節目でした。それにも関わらず、上司の沖縄人C氏はなかなか出社されず、同僚の福岡人I氏は怒りのあまり、「C氏など、太りすぎて死ねばよい」と仰いました。

やうやう、C氏はその立派な腹を揺らしながら、姿を見せられました。わたしは、そばに転がっていた長い物差しで、氏の腹をぽんっと打ち据えてみました。

「見事な腹は叩きたくなるものですよ」

わたしがそう申し上げると、氏は哀しそうな顔をされ、

「いずれ君もこうなるんだよ」

と仰いました。


2002/9/3

「ボクなら、十日くらい、おなじTシャツを着るヨ」

同僚の新潟人O氏がそう仰ったとき、わたしはその不衛生と酸性の臭気発現の可能性について、氏に問いました。

「毎日風呂に入ってるから大丈夫なんだヨ」

と氏は、はればれな顔で仰い、更に言葉を続けます。

「風呂の湯は、半年くらい入れっぱなしなんだヨ。ホラ、よくテレビでやっているよネ」

したり顔の氏であるのですが、わたしには氏が何か物事を誤解されているように思えてなりません。氏は更に仰います。

「でも、ある日蓋を開けて、ボウフラがわいていたのには驚いたネ」


2002/9/2

書類を作っている同僚の新潟人O氏は、実に楽しそうなご様子でした。しかし、わたしが書類を色とりどり原色で染めんとする氏の嫌らしき性向を指摘すると

「では、君の書類は何かネ? 君は簡素で奥床しいと思うているやうだが、ボクから見れば、荒涼として寒々しいだけだヨ」

と不機嫌そうにおっしゃいました。

やがて氏は、

「う〜ん、今夜はボクの美意識が働かないやうだネ。いんすぴれ〜しょんがわかないヨ」

と云い、帰宅の途につかれました。


2002/9/1

夕方に起きて、飯を食べて、眠たくなって失神し、気づけば一日が終わろうとしておりました。

斯様な生活を送ると、にんげんはご飯を食べるためだけに生きているような気が致してきます。


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