十二月 日々のできごと


過去のできごと
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2002/12/31

「タイムカードを見たらネ。もう六日間も帰っていないんだヨ。あの林檎はもうくさってるかなあ」

彼方に視線を遣る同僚の新潟人O氏を後に、わたしはさっさと帰宅させていただきました。そして、第二回猪木祭りを見て「ははは」と笑って寝ました。


2002/12/30

わたしは、エレベーターがやって来るのを待っていました。突然、高らかな笑い声がドアの向こう側から聞こえてきて、わたしは怯えました。ドアが開くと同僚の新潟人O氏が、指を鳴らしながら踊っておられました。

「どうなさったのですか?」

「終わったんだヨ。全てが終わったのだヨ」

氏は何時までも笑い続けておられました。


2002/12/29




2002/12/28

同僚の新潟人O氏 今日の語録

「酒は吐くために飲むものだヨ。吐いた後の爽快感は何ものにも代えがたいものなんだネ」



2002/12/27

――ラストタンゴ・イン・パリ――

「ボクは色々と過去の事を語ってきた。だから、過去の栄光にすがっていると思われがちなんだよネ。でも、違うんだヨ。」

同僚の新潟人O氏は、仰います。

「あのたくさん友だちは、本当のところ、幻想だったんぢゃないかと思うこともあるよネ。ボクはもう何がなんだか解らないヨ」

氏は、少しだけ、声を詰まらせました。


2002/12/26

何があったのかは存ぜぬ事だったのですが、その時の同僚の新潟人O氏は、溌剌としておられるように見受けられました。

「ボクほど、未来を生きる人間はいないよネ」

氏はそう仰ると、久しぶりの青空へ晴れ晴れしく顔を向けられました。

「青空は良いネ。町並みまで青色だヨ」

少し間があって、「ほっ」と溜息をつかれた氏の小さな一言は、今でもわたしの耳にはっきりと残っています。

「…そして、こころも真っ青だネ」


2002/12/25

クリスマスが終わったら、もうこっちのものだ。

何がこっちの物なのかは、よく解りません。


2002/12/24

同僚の新潟人O氏は、沈着の色合いを濃くなさりつつありました。過去の栄光にすがってきたと告白する氏は、俯き気味に語り始めました。

「ボクはネ、逃げ出したんだヨ」

わたしが「何から逃げたのですか」と戸惑いながら申し上げると、氏は窓に映える夕焼け時の空に目を向けました。

「自分の可能性からだヨ」

再び視線を床へ固定した氏は、もはや何も仰ることはありませんでした。


2002/12/23

あそこの床屋のおやぢさんは、わたくしめの端正な顔に傷ばかり付けるので困ります。


2002/12/22

そりゃ、起きてみたら『笑点』どころか『アリーMy Love』が始まろうとしていたら、人生もここに極まったと思うものですよ。


2002/12/21

上司の埼玉人K氏が、上司の沖縄人O氏の太鼓腹を叩いていらっしゃいました。

「何をするのですか!」

涙目になられた沖縄人O氏の姿に嗜虐心を覚えられたのか、埼玉人K氏は「五月蠅い」と吐き捨てられました。

ぽ〜ん、ぽ〜んという油の詰まった鈍音が、いつまでも社内を木霊していました。


2002/12/20

その日、わたしは霞ヶ関の官庁街へ行って、写真を撮って来なければなりませんでした。同僚の新潟人O氏は、出掛けようとするわたしに、諭すような声で、仰いました。

「キミ、何か身分を証明するものを持っていった方がいいヨ。キミは、粘着爆弾魔のような顔をしているからネ」

その後、わたしは生まれて初めて本物の警視庁を見て、たいへんな興奮を覚えました。


2002/12/19

偶に、早く出社をして、心持ちのよい爽快さに包まれながら職場に入ってみれば、わたしの机の下に同僚の新潟人O氏がマグロのように転がっていました。


2002/12/18

商店街のスピーカーから流れるクリスマスソングが、けたたましく社内に流れる中で、上司の沖縄人C氏は、「ふん、ふ〜ん♪」と心持ちを弾ませているご様子でした。

その夜、氏は上井草で富野由悠季を轢き殺しそうになったそうです。


2002/12/17

わたしが、顔の造形について、その雰囲気がゲシュタポの将校のように冷たい感じがすると同僚の新潟人O氏に申し上げました。氏は、しみじみと仰います。

「キミも、たまには的を得たことを云うものだネ。そうだヨ。ボクは本当は冷たい男なのサ」

その後、続けて「くぅぅぅぅぅ、格好いい」と氏は身悶えしながら絶叫なさいました。


2002/12/16

エレベーターの扉が開いたとき、同僚の新潟人O氏が恐ろしく滑らかな機動で、中に張り込んできました。

「三十路の癖に、体が動きますね」

「うふふ。今日は家に帰れそうなので、嬉しいのだよネ」

眩しさに余り、見ているこっちが失明しそうになるほど、氏の顔は輝いているように思われました。


2002/12/15

大いに寝て、笑点を見逃し、悔恨致しました。


2002/12/14

「前々から食べてみたかったのだヨ、セブンイレブンのハンバーグ弁当。このシンプルさが心を誘われるネ」

同僚の新潟人O氏は恐ろしく幸福な笑顔をなさってました。そのご様子をわたしがぼ〜っと眺めていることに気のつかれた氏は、一転して、不快そうに顔を崩されました。

「君の目は、どうしてそんなに人を引きつけない瞳をしているのかネ? その点、ボクの透き通る瞳なんか――」

氏の弁舌はその後一時間あまりに及びました。


2002/12/13

今日の新潟人O氏語録

「キミはボクのことを、風呂に入っていないから臭い臭い云うけどネ、いちばん不快に思うのはボク自身なんだヨ。でもね、忘れないで欲しいんだ。臭いものを何とも思わなくなったとき、ニンゲンはニンゲンぢゃなくなっちゃうんだ」


2002/12/12

Oさん、もう限界です。風呂に入ってください。


2002/12/11

同僚の新潟人O氏のサンダルから、酸味を帯びた臭気が漂う季節になりました。

「もう、洗わないといけないネ」

氏はしみじみと仰いました。


2002/12/10

韓国のお客さんを新宿に送るときのことでした。

「えむやまさん。恋人いますか?」

あはははははは。居ないのです」

クリスマス迫る新宿の夜を彩ったイルミネーションは、全ての人類を幸福な気分にするわけではなかったのです。


2002/12/9

もう、寒くて頭がおかしくなりそうですよ〜。

それで、エレベーターに乗ろうとしたら、トイレットペーパーを抱えた同僚の北海道人Kと出会いました。

彼はけたけたと笑っており、寒さで脳をやられたと考えざるを得ませんでした。


2002/12/8

窓が開け放たれ 風が吹き込む
本の頁を繰る

頬杖をついて君は読む
世界は美しくて 世界は醜い

老いぼれた本は 時々こんな夢を見る
ただの夢だ
かなうはずのない望みだ

――けれど今
かすかに聞こえた足音は?

「ある日 ドアが開き――」

未来が やって来る


榛野なな恵
『Papa told me』Epsode.82



六十五年間、人目に触れることもなかったこの論文は、時間と空間を超えて、読者であるわたしに出会うためにここで待ちつづけていたのだ。

高橋伸夫
『できる社員は「やり過ごす」』ネスコ/文藝春秋,P191



そして、このサイトは、遠い未来において見つけてくれるかも知れないあなたのために、今日も更新されるのでした。


2002/12/7

「どうせみんな忘れ去られてしまうんだヨ。それとも、ナニかねキミは。覚えてもらって欲しいのかネ」

同僚の新潟人O氏の問いかけに対して、兵庫人Mは汚れのない眼を光らせました。

「覚えて欲しいですよ」

「くだらんネ」

氏は吐き捨てるように仰いました。


2002/12/6

今日の沖縄人C氏語録

「俺をただの声優おたくだと思うなよ」


注釈:
amazonで氏の購入した旅客機関係の書籍が会社に届いたときに吐かれた言葉。



2002/12/5

仕事のため、エロゲー雑誌のカラーコピーをとっていたときに近づいてきた仕上げ部ボス○氏の顔が、何とまあイヤらしいこと。


2002/12/4

今日の新潟人O氏語録

「ボクはもう解らないことを質問したりはしないんだヨ。『君、こんなことも解らないのかね』などと云われるのは、もうたくさんなんだネ」

その向こう側では、上司の沖縄人O氏が「電卓何処だ? 電卓〜、でんたく〜〜♪」と唄っていました。


2002/12/3

朝帰りの途上で、眠たいやら心持ちが優れぬやらで、寿命の縮小する思いが感ぜられました。家に帰って、寝て、起きて、出社した気持ちの悪い昼下がりに、お仕事の為、メイド調教ゲームのシナリオを読まされました。


2002/12/2

わたしがエレベータに乗っていたとき、プロデューサーのM氏が、会社宛の回覧板を観ながら乗り込んで参りました。氏は、溜息をつきました。

「歳末助け合い募金か〜。こっちが募金されたいよ」


仕事が朝までに終わりますように。


2002/12/1

『笑点』を観て一休みです。

こん平が山田くんに座布団を全部とられたところで、「ははは」と笑いました。


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