File No.005
オニイグチ
Strobilomyces strobilaceus (Scop.) Berk.
ハラタケ目オニイグチ科
イグチが出てくると、夏が近いなあという感じがする。同じく夏を感じさせるきのことして、ベニタケの仲間もあるが、ことに傘の赤いベニタケは名前を突き止めるのが非常に困難で、ストレスのもとである。今回もオニイグチのすぐそばにベニタケの類が生えていたが、そちらはなかったことにさせていただいた。
[データ]
肉眼的特徴 傘はほぼ平らに開き、径3cm、表面は黒褐色で、松かさ状・大型の鱗片に覆われる。肉は厚く、白色、空気に触れると赤褐色に変色し、さらに黒灰色に変化する。管孔ははじめ灰色、古くなると黒褐色、孔口も同色。柄に湾生する。柄は4.5cm×7mm、基部はふくらみ、表面は圧着状鱗片で覆われ、黒褐色、粘性はなく、中実。
顕微鏡的特徴 胞子は楕円形で規則正しい網目を有する。大きさは(10.6±0.6) ?m×(7.7±0.7)?m。担子器は58?m×25?m。シスチジアは紡錘形で65〜80?m×18〜23?m。
発生地 兵庫県新宮町。コナラ・クリの混じる林内地上に単生。
採集日 1998年6月7日