File No.036
コガネキヌカラカサタケ
Leucocoprinus birnbaumii (Corda) Sing.
(ハラタケ目ハラタケ科)

ある日、会社内の別部署の建物を歩いていたら、その部署の事務室の方に、
「Tさん、いまちょっと時間あります?」と呼び止められた。
私の勤務先では、出張のさいのお土産にチョコレートなどを買ってくると、事務室に一箱置いて、
”みんなへのお土産”とするのがなんとなく習慣となっている。
それで、お菓子でももらえるのかと思ってついていったら、
「蛍光色の気持ち悪いきのこが生えたんで、見てもらえますか?」ということだった。
なるほど、窓際に置いてある観葉植物の植木鉢には、すでに干からびはじめた黄色のきのこがいくつも生えている。
観葉植物に何か悪い影響でもあるのではないかと心配しているのだった。

コガネキヌカラカサタケは、熱帯性の菌で、ヨーロッパや沖縄以外の日本では、自然界には生えないとされている。
温室とか植木鉢とか、園芸用の土に混じっていた胞子か菌糸が発芽あるいは成長してきのこを作るようである。
事務室においてあった植木鉢の土も、そこらの土ではなく、ホームセンターで買ってきた園芸土だとのことであった。
いったいこのきのこは、土とともにどこから運ばれてきたのだろうか。
さながら、海岸に流れ着いたヤシの実を見るような心持ちになった。

おもしろいのは、事務室のその人が、
「いかにもおいしくなさそうなきのこですよね」と言っていたことである。
実はこのきのこは、かつて、F氏によるスッポンタケの報告(muscaria Vol.62 、きのこファイルNo.024)のなかでも
少し触れられ、「見るからに不味そうなきのこ」と表現されている。
ハラタケ科といえば、マッシュルームを筆頭に、アガリクス茸・カラカサタケなどをも含む、食菌の名門(?)である。
しかも、コガネキヌカラカサタケは姿形、とくに色が美しく、いやな臭いがあるわけでもない。
それなのになぜかこのきのこは、人をして不味いと感じさせるなにものかを漂わせているようなのである。

[データ]
採集日:2000年9月26日
発生地:兵庫県三日月町(植木鉢の中)

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