File No.063
オオミノクロアワタケ
Boletus griseus Frost var. fuscus Hongo
(ハラタケ目イグチ科)
聞くところによれば、関東地方では今年の夏は、乾燥続きできのこがたいへん少なかったらしい。
関西ではそれでも7月のうちはきのこの数が多く、上述の珍しいフウセンタケを見ることもできたりして、
なかなか調子がよかったのだが、8月に入ったとたん、ぱったり姿を見せなくなってしまった。
とうとう力尽きたか、と思わせるかのような発生ぶりであった。
雨を待つこと数週間、お盆を過ぎてようやく夕立が降るようになり、
ぼちぼち姿を見せ始めたのが、イグチの類である。
オオミノクロアワタケも西日本に多いらしいが、
西日本のアカマツ・コナラ林はイグチ類の宝庫であるように感じはじめている。
日本の図鑑のイグチ類の項をめくって見ていると、本郷先生の命名によるものが目につく。
つまり、ヨーロッパのような寒冷地に出るのとは別系統のイグチが多いということである。
[データ]
採集日: 2001年8月20日
発生地: 兵庫県三日月町