ヒイロウラベニイロガワリ? Boletus sp.?

傘がドクベニタケのように真っ赤でほとんど平滑、裏の孔口面も真っ赤です。
柄は基部で太まり、表面に網目はなく、赤褐色の細かい粒点を密生します。
青変性はありますが、それほど濃い青色にならず、明るい色のままです。

孔口面が赤いイグチは、「新菌類図鑑」には3種(アメリカウラベニイロガワリ、ウラベニイロガワリ、オオウラベニイロガワリ)が
載っています。しかしこれらは傘の表面が茶色系で、傷つけると非常に濃い青色になるので違うようです。
ヨーロッパにはBoletus dupainiiというのがあって、肉眼的には似ていますが、縁シスチジアの形が
本菌ではわりと幅広の紡錘形なのに対し、B. dupainiiは細長い形をしているので、どうかなという感じです。

その後の調査で新しい情報が入りましたので、掲載します。 

孔口面が赤いイグチは「新日本菌類図鑑」に3種載っているというような説明を書きましたが、
よく調べたらもっと載っていました。このタイプのイグチは、Boletus属Luridi節に属し、
そのうちの「ヒイロウラベニイロガワリ」にきわめて近いようです。
ヒイロウラベニイロガワリは関東で産することが知られていたそうですが、
昨年、神戸でヒイロウラベニイロガワリが紹介されていましたので、どうやら西日本でも発生するようです。
疑問点があるとすれば、
・ヒイロウラベニイロガワリの柄には網目模様があることになっているが、
本種には赤色顆粒状の模様があるだけで、網目が確認できなかった。
・長沢先生にお会いしたおり、写真を見てもらったが、「わかりません」とのことだった。

採集日:2001年8月24日、
発生地:兵庫県三日月町、
発生環境:コナラ・アベマキ林内地上

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