「きのこ観察会in大磯」(2002年6月)
6月29日(土)に神奈川県大磯町できのこ観察会を行った。1時にJR東海道線大磯駅に集まったメンバーは5名であった。
大磯駅を出発してまもなく、湘南平へと続く坂道が始まる。最初は住宅地を登っていくのだが、急な坂が運動不足の身に
容赦なく迫ってくる。ここの住民はよほど心肺機能が優れているのだろう。
そうこうしているうちに高田公園に到着。公園の入り口で名前のわからないホウキタケの仲間とクモタケを見つけ、
きのことの出会いに心を躍らせる。ここは三浦半島から富士山、箱根、伊豆半島、さらには伊豆大島を見渡せる
展望の優れた場所であるが、あいにくの曇り空で景色はよく見えなかった。公園を過ぎると山道に入り、
クヌギやコナラの雑木林の中を登っていく。道端にはナヨタケ属などの小さなきのこがかなり観察されたが、
この辺は見なかったことにする。
やがて10cm以上はありそうなムジナタケや、15cmくらいのハラタケの仲間など、大物のきのこも姿を見せる。
秋になると大量発生するドクツルタケも出始めたようだ。例年この時期になると、テングタケ科、イグチ科、
ベニタケ科の夏きのこが発生し始めるが、今年は低温のせいか遅れているらしい。しかし暖かい大磯では
イグチこそなかったが、他の2科のきのこは見ることができた。それにしても、わずか180mほどの高さなのに、
結構きつい山である。
やっとのことで、中間地点である湘南平に到着した。ここは地元では有名な観光地で、ふだん、家族連れや
カップルでいっぱいの場所であるが、小雨混じりの天気のためか、人は少なかった。ここで少し休憩し、
進路を東にとってまた歩き始めた。途中でサマツモドキと思われるきのこや、チチタケの仲間、オサムシタケ、
ハナオチバタケの大群、その他の名前のわからないきのこに出会う。雑木林にはホタルブクロなども花を添えていた。
天気は一向に回復せず、霧まで出てきて、とても180m程度の山とは思えない風景になってきた。そうしていると、
目の前に1本の枯れ木が現れた。見ると何やらきのこがたくさん付いている。下のほうには明らかに誰かが
むしり取ったあとがある。見上げるとヒラタケらしいきのこがたくさん付いているではないか!採りたいが、
枯れ木なので木に登るわけにもいかず、ただ眺めるのみ。こんなときにはテレビショッピングで売っている
高枝切りばさみを持って来ればよかったとの声もあった。
やがて高麗山に到着。神奈川県の天然記念物にも指定されている照葉樹林帯に入った。関東ではあまり見られない
大きなスダジイの木もあった。カンゾウタケを探すが、結局見つからなかった。やがて急な下り坂に入る。
下りではふだんあまり使わない筋肉を使うらしいが、下りの連続にひざがきつくなっていく。わずか3時間ほどの
山歩きであったが、慣れていなかった身にはかなりの運動であった。山を下りてふもとの高来神社に到着。
そこからバスで平塚に移動し、「ゆるり」という居酒屋で沖縄料理に舌鼓を打ちながら、充実した一日の話を肴に、
懇親を深めた五人であった。
本日観察したきのこは以下の通り。
ヒラタケ?、サマツモドキ?、ヌメリツバタケ、ハナオチバタケ、オオホウライタケ、ドクツルタケ、テングタケ属の一種(テングツルタケ?)、
ハラタケ属の一種、ヒトヨタケ属の一種、ナヨタケ属の一種、ムジナタケ、クサハツ?、ベニタケ属の一種、チチタケ属の一種、
ホウキタケの一種、ホコリタケ属の一種、クモタケ、オサムシタケ