「大平合宿」(1999年10月)
去る、10月8日から11日にかけて長野県大平宿にて秋の合宿が行われました。今回は去年の台風とはうって変わって、3泊4日を
通してとてもよい天気に恵まれました。
けれども、その半面雨が少なかったためか、きのこが少なく、去年は合宿所の周辺をちょっと歩いただけでたくさんとれたハナイグチも、
あちらこちら探して半ば朽ち果てたものが数本見つかっただけ。それでも2日目には去年も散策した場所でウスヒラタケ、合宿所の
近くではホテイシメジ、ホコリタケの幼菌が採れました。ウスヒラタケはだしに使うと風味が出るので鍋に、ホテイシメジはお酒と一緒に
食べると悪酔いをする人がいるものの、その旨みは他のきのこではなかなか味わえないものがあります。そこで、有志のみがホイル
焼きにしてその風味を楽しみました。3日目には近くを流れている川にそって、上流へきのこと木の実を探しながら歩きお昼は川原で
お弁当を食べるという、これまでにないのんびりとした一日を過ごしました。また、2日目以降に合宿所の1階部分にあるお風呂を薪で
焚く試みもしました。日常ではガスの栓やお湯をひねれば簡単に入るお風呂ですが、薪でお風呂を焚くのには人が入れる温度になる
までになんと約2時間もかかります。お風呂の大きさが現代の一般家庭のものより大きいためでももあるのでしょうが、薪割りと火起こしを
担当してくれた2人はお風呂が焚けた頃には汗だくでした。その様子を見て、昔の人たちの苦労が偲ばれます。きのこの収穫は
久しぶりに少なかった今回の合宿ですが、お昼は川の水も暖かく散策日よりで、夜は天の川がいつ見てもざらざらと流れる満天の
星空を楽しむ、別の面での大平宿を満喫したぜいたくな合宿となりました。
(以下、感想文)
2年ぶりの大平宿合宿参加でした。前回参加したときは、天気が良かったけどとにかく寒かった。でも今年は気温も低すぎず、おまけに
お風呂にまで入れたので冷え性の私でも、寝る時に寒さに震えることはありませんでした(むしろ暑いくらい)。薪割りと、風呂焚きをして
いただいた皆さんに本当に感謝です。ところで、前回の合宿では「ハナイグチ」が食べられると知ったのですが、今回はスギヒラタケを
覚えまし た。合宿で毎回一種類づつ覚えて回数を重ねればいつかは自分でキノコ狩りして食せるようになるのでは?と期待しています。
今回で2度目の大平宿でしたが、あらためて自然の素晴らしさを堪能させて頂きました。特に、飯田市の水源になっている河川敷で
摂った昼食は、本当に美味でした。自然の中でのんびり昼寝なんて、何年ぶりのことだったでしょうか?
ご飯の釜炊きは、初めての挑戦でしたが、なかなか上手くできたのではないかと自画自賛しています。今回はありがとうございました。
丸2年振りにべにてんぐの会企画に参加しました。きのこの全体の発生量は少なかったとはいえ、個人的には食用イグチを2本発見し、
自分の目が衰えていないことを確認出来たのが嬉しかったです。一足早く見た冬の星座も、野に輝くススキの穂も、とてもきれいでした。
川に落としたマグカップを1時間後に数百メートル下流で回収するという離れ業をやってのけました。ステンレス製のマグカップは岩角に
ぶつかり傷だらけになっていますが、現在も元気にコーヒーや酒を注がれております。
1泊だけでしたが,大平の街並み・祖先の息吹に触れる事ができてたいへん満足しています。仕事柄,ほんの少しの電気と木のかけらで
あんなに素敵な時が送れる事に驚いています.生活水準・豊かさって何なんだ!?
新車に薪を山積みにして何度も道に迷いながらどうにかたどり着いた大平宿。例年通り、水も空気も星も綺麗な素晴らしい場所でした。
ことに、日本酒片手に見上げた星の美しさは格別です。キノコが取れなかったのだけは残念ですが。昨年は台風で濁流が轟音を立てて
いた黒川も、今年改めて見てみると、澄みきった豊富な水と白い石英砂が美しい川でした。次は真夏に来て、水遊びでもしたいものです。
重労働を課してしまった薪風呂はさすがにいい湯で、その夜はいつになくよく眠れたように思います。障子を開け放てば露天風呂の気分が
味わえるかと思ったのですが、これは当てはずれでした。ただ塗りつぶしたような四角い闇が見えるばかり。それにしても、三度の食事を
食べて風呂にはいるだけでほとんど一日が過ぎてしまう。昔の人は一体どれほど手際よく家事をこなしていたのだろう。あれを全部主婦
1人でやっていたとしたら、これはとても人間業とは思えん。そうそう、最終日にやっと現れたF氏の持ってきた干物の味は忘れられません。
早く帰った方、お気の毒様でした。ともあれ、今年は穏やかな天候に恵まれ、実に過ごしやすい合宿で、久しぶりにのんびり出来ました。
まさに命の洗濯という言葉がふさわしい週末でした。
今回の合宿でなによりも印象的だったのはこれまでに見た事のないような満天の星空と川の水の美しさ。大平宿の新たな魅力をまた
ひとつ発見できました。またぜひ来たいです。それにしても大平宿は遠いですね、道を間違えなくても。