皆さんは卒業旅行に行きましたか?
あー、学生でいられるのももう少しかァ……という専門学校最後の春休み、
あるいは就職の決まらないなかばヤケぎみの大学生最後の春休み……
あるいは、「あーあ、A子は短大、B美は専門、あたしは春からOLかぁ。今までみたいに毎日へらへら遊んでられなくなるの、ちょっと寂しい……な。(ため息)」
というような高校最後の春休み。
4月からは別々の進路を歩く友人たちと、胸がしめつけられるようなキラキラした思い出を作るためのイベント、それが卒業旅行……。
いまどきの若い者は、ハワイだのヨーロッパだの海外に出かけて現地のナイスガイとOnenight loveなんてやっちゃってるようですけど、私が学生の頃は海外に行く人間なんてまだまだ少ない時代でした。
みんな、夢と青臭い野望だけは鞄に入りきらないくらい持っていたけれど、お金はなく、卒業旅行とはいってもせいぜい箱根とか熱海の古きよきくつろげる宿に泊まるのが関の山。それでも気のあった仲間同士で、1泊2日くらいのささやかな想い出を作っていたものです。
もしくは、アレ。ユースホステル。
ユースホステル(通称ユース)という学生専用の安い相部屋の宿がありまして、学生達はそういう場所に泊まっては、夜毎ギターをかきならし、「バラが咲いた」を声高らかに歌っていたんです。いやぁ、懐かしいなー。
……とゆうのはもちろんウソで。
実際には、私が大学を卒業したころなんていうのは、まあバブルこそはじけていましたけどまだ不況もそんなに深刻ではなく、みんなテレクラのサクラのバイトして、卒業旅行なんつったら海外に行きまくってました。
え? おまえはどこへ行ったのかって??
どうせハワイかそれともヨーロッパでも行って、現地の無修正グラビア写真でも漁ったんだろうって??
いえいえ、そんな俗なことは致しませんでしたよ。
卒業旅行、伊勢です。
……はい、お伊勢参りです。
<やだー地味〜〜!
しかも、本当の目的は 秘宝館見学。
バカです、完全にバカです今考えると。
周りのギャルたちは、おニューのビキニをヴィトンのボストンバッグに詰めてサイパンとかバリとかに行っていたようですが、何しろこれまでの人生において、競泳用もしくはスクール水着以外は着たことがないワタシです。
普段は地の底のような6畳間で無駄に惰眠を貪り、起床は毎日当たり前のようにお昼過ぎ、「笑っていいとも!」でさえ週に1回見られればいいほう、というワタシです。いきなりそんなハイテンションな南の島なんて行って、燦燦とふりそそぐ太陽光線浴びたら溶けてしまうかもしれません。
(注・けして、ドラクエに熱中しすぎてバイトに行かなくなったせいで金がなかったわけでは。)
そんなこんなで、たどり着いた秘宝館。
ツレは女友達が二人。(余談ですが、この二人も未だ独身。今は仮面ライダーアギトのおっかけに夢中。類は友を呼ぶって本当ですよ……)
秘宝館て、たまに深夜TV(中部地区限定)でコマーシャルしてたり、ホテルのパンフに載ってたりするんで、なにげに「ちゃんとした施設じゃないの?」って思ってませんか?
ドライブインの隣りですよ。しかも一部プレハブって感じの(うろ覚えなんで違ってたらすいません)。
けっこう高い入場料を払って中に入ると、鹿のチンポとかゾウのチンポとかクジラのチンポとかが誇らしげ飾ってあります。
それを見ながら「女体の中」って感じに作られたトンネルに入っていくんです。
中にはもちろんいろんなエロ関連のガラクタがあります。エロエロ蝋人形とか。さらに手前にあるドアを開けると、尻を出した人形が小用のまっ最中。
「ギャー、エッチ!」というテープの音にビクッとさせられる女子大生2人と丸の内OL1人。
そしてそこを抜けると、メインイベントの 馬の交尾ショー があります。
馬の交尾ショー、それは読んで字の如く 馬を連れてきて交尾させる。
それだけです。
しかしです。
そのとき秘宝館は午後のシエスタ・タイムだったのか、閑古鳥が鳴いている状態でした。従って客は我々3人だけだったんです。
こんな少人数のためにわざわざお馬さんが射精をしてくれるのか?
不安になる我々。
結果として、ショーはちゃんとしてくれました。
職員のオヤジによると、心持ち胸はって
「一人でも客がくればやる」。
……男です。職人気質とはこのことです!
しかも、いつ客が来ても対応できるように、馬は注射で常に発情させておくんだとか。
人間て業の深い生き物ですね、お母さん。 馬のちんちん、大きかったです(まるで巨大エノキダケ)。
あと、大画面スクリーンでエロ映画(有料)も上映していて、ワタシとしてはかなり楽しめました。
エログッズのあたるクジ(有料)を無理矢理ひかされ、大当たり(売店のおばさんがそう言った。)の後背位キーホルダーもGETしたことですし。
皆さんもどうですか、秘宝館。今も健在かは謎ですが。
あ、お泊りの際には、伊勢駅徒歩5分の「某ビジネスホテル」がオススメです。
一泊4500円(当時)というリーズナブルなお値段に加え、今では懐かしい「積木くずし」的なノスタルジーを、割れた鏡や破れたカーテンに感じることが出来ますよ。
あ、お土産はもちろん「赤福」で。
旨いんですよねー、アレ。
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