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第二話 いきなりクエスト
 キャラメイクが終わり、僕がほっぽりだされたのは、辺鄙な村。
 ミッドガルドは氷結の世界だと勝手に思っていたんだけど、緑豊かな温暖そうな景色だ。とはいうものの、やっぱりこの国は北国らしく、山の上なんかは雪で白い。

 /who Nez

 自分の居場所を確認してみる。/*locでもよかったのかもしれないけど、このときはloc(ロケーション。居場所)を調べるコマンドに「*」が入るということに気がつかず、このコマンドは使えなかったのだ。
 で、/whoの結果によると、僕が今いるのは、FortAtlaとかなんとかいうところらしい。
 村じゃなくて砦だったか。

 生まれ出る場所はある程度ランダムのようで、毎回ここに出るわけではないようだ。/whoで低レベルの人を見てみると、結構居場所が散っているから間違いないだろう。

 さて、前回も言ったように、目の前にはローグのトレーナーのNPCがいる。右の人がその人だ。写真が小さいのしかなかったのが残念。

 自分のクラスのトレーナーを右クリックすると、普通はスキル上昇画面が出るのだけど、どうやらこの人はクエストも持っているらしくて、スキル上昇画面とともに、クエスト画面まで出た。まだ一回も狩りさえしてない超初心者にクエストを依頼するほうもするほうだけど、せっかくなので快諾することにした。

 彼女の話によると、Amoraという人が困っているらしい。
 困った人を見過ごせない親切なコボルドの泥棒。シュールである。

 ともあれ、そういうことならば、と、Amoraさんを捜して砦内をうろつく。
 たった5棟しか建物のない小さな砦である。1分もせずに隣の建物でAmoraさんを発見した。

 Amoraさんの隣には、娘のMagnildさんも突っ立っている。

 ・・・屈強な肉体を誇るノースマンの女性。我が勢力唯一の人間タイプの女性だというのに、色気というものがほとんどない。否、皆無である。

 すこし僕の脳裏に、本当にミッドガルドでいいのかという不安がよぎる

 さて、Amoraさんに話を聞いてみると、隣で立っている娘のMagnildさんが病気らしい。病気を治すにはwater snake venomを集めて、砦のヒーラーに渡さなければならないと言う。しかし、Amoraさんは娘が心配で自分でwater snakeを狩りにいけないので、代わりに頼む、という話だ。

 狩り未経験の僕にはwater snakeなるモンスターがどのくらいの強さなのかわからないが、まあそのうち集まるだろう、とタカをくくって、適当にAmoraさんをあしらいつつ、依頼を引き受けた。

 ではいよいよ、レベルアップ&クエストアイテムゲットを目標に、狩りへと旅立つか!

 意気揚々と砦を出る僕の目に、ゾーン名『Gotar』の大自然と、大量のwater snakeが飛び込んできた!
 ・・・
 ・・・
 目標確認。いともあっさりと

 おもむろに、チャージ!

 何度も確認した手順で、ロックをし、こちらの射程内まで間合いを詰め、自動攻撃を開始する。

 ズシャァ!
 ズシャァ!
 ズシャァ!

 ・・・water snake死亡。

 うむ、チョロい
 一匹を倒すまでに食らうダメージ、ほぼゼロ。
 一匹を倒して得られる経験値、レベルアップに必要な量の1/10。

 オラオラですか?
 Yes Yes Yes Yes Yes

 ということで、休みなくロック>アタックを繰り返した僕は、瞬く間に10匹の蛇を血祭りに上げ、Lv2になった。

 さて、レベル上げがあまりにもさっくりと進んだので、すっかりクエストのことなど忘れていた僕だったが、はっ、とクエストのことを思い出して今までの戦利品を調べてみると、見事にwater snake venomが5個ほど貯まっていた。ちょうど他の戦利品を売りに、砦に戻る予定だったので、クエストを再び進めることにした。

 砦へ戻り、water snake venom以外の戦利品を売り払ったあとで、venomを渡すべきヒーラーのNPCを探すことにする。
 探索開始後30秒
 Amoraさんのいた家の隣の家でヒーラーKariを発見した。相変わらず狭いコミュニティーである。DAoCの全ての街がこの規模ではないことを祈ろう

 今までと同じようにKariさんに話しかけてみるが、いまいち要領を得ない。

 今回は右クリックをしてもクエストが進まないので、どうするかなー、と思って、『Hello』とか言ったりいろいろしてみるが、反応がない。
 そこで、water snake venomをKariさんにドロップしてみた。

 venomが消えた

 ・・・。
 そんなぁ!?

 なんのメッセージもない。

 いや、きっと、数が足りなかったに違いない。
 二つ目三つ目を投入する。

 返事がない。ただのしかばねのようだ

 ・・・。

 ええい!こうなったらヤケだ。全部ぶち込んだる!

 四つ目・・・反応なし。

 ラスト一個!五つ目!・・・反応・・・あり!

 五つ目のwater snake venomをKariさんに渡すと同時に、クエスト達成のメッセージと、報酬のお金と経験値が入った。

 記念すべき僕のDAoC初ミッション完了の瞬間である

 つづく。


<余談>
 余談ですが、DAoCのミッションはこんな画面で進める。↓



 この窓の、太字になっている部分をクリックして行くだけでクエストが進んでいくので、英語力が全くいらないわけではないけど、クエストはプアーイングリッシュマンの僕でも結構楽だ。
 次になにをすればいいか、というのは一通りクリックし尽くしたあとで、ジャーナルに端的に示されるし。







−登場人物−

Nez (Kobold / Rogue Lv2)


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