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第六話 目指す都はJordheim!初代キャラのNezの通った道をトレースして修行を続けていたミスティックのNezzlid。
さすがに二人目ということで、それなりに効率よく修行をすることができた僕は、数時間でレベル5に達することができた。
今度こそクラスチェンジだ!
レベルが上がるやいなや、気合いを入れて[Runemaster Trainner]の前へ行く僕。さすがに完成一ヶ月をきっている今、そうそう未実装のクラスも残っていないということか、目標としていた上級職のルーンマスターはちゃんと実装されていたようで、無事にクラスチェンジを成功させた。まずは一安心だ。
さて、どうしよう。
ローグの頃に僕を殺してくれやがった、dryadあたりを狩ればまだ経験値もきそうだけど、そろそろ目先を変えたいな。
よし!
旅に出よう。
バッ、と地図を広げ・・・もとい、海外サイトのミッドガルド地図を見る僕。
右はその一部をちょっといじったもの。
ふむふむふむ・・・。
今いるのがGotarにあるFt.Atlaで・・・。
北のでかい楕円マークはなんだろう?
Jordheim。
じょるどへいむ?
じょーどへいむ?
よるどへいむ?
残念ながら僕にはこのスペルが読めないが、どうやらこいつがミッドガルドの首都に違いあるまい(想像)。
よし!目指す都はJordheimだ!
予定コースは図の黄色い線。早い話が道沿いのコースだ。真にマップの座標が正しければそのまま北上してもつけそうなもんだけど、このマップには川も山も記されてないし、それよりもなによりも、途中の村々も見ていきたいので、やはりここは道沿いだ。
そうと決まったら早速出発。
あいにく時刻は夜だけど、DAoCはEQに比べて元々かなり明るい上に、燃料切れのないランタンを全キャラが標準装備している。グレーターライトストーンなんていらないのだ。
ってことで、標準のアサインのままの「T」キーを押して、照明を点灯する。僕のまわりがボワァーと明るむ。
道沿いをひたすら走る僕。前方に時々現れる移動物体を発見してはロックをして、攻撃的なモンスターだったらそれを避けながら進んでいく。
こうして移動してみると、DAoCは敵の密度がやや薄い。というか、いる場所にはうじゃうじゃいるけど、いないところには延々といないったらいない。
しばらく進んで、dryadのいるあたりを過ぎると、エリア名がGotarからEast Svealandになる。さらに少し進むと、前方に集落が見えてきた。
・・・んー、ヘボい集落だ。
小屋とも呼べないような、屋根と柱だけの建物が二つほどあるだけの、野営地って感じの村。まさかこれが地図にある、Dvalinって街じゃないよな・・・。
訝しみながら近づくと、システムメッセージが出た。
(Realm) You have entered Dvalin.
マジっすかー。
はっきり言って、あれだけショボいと感じた僕の生まれ故郷、Ft.Atlaに比べてもこのショボさはただごとではない。EQでいうところの、ジプシーキャンプ並である。まあどうやらバインドストーン(?)とやらもないようだし、一つの街として換算するものではないのかも知れないけど。
特に見るべきものもないDvalinを10秒で通過した僕は、次なる中継点、Audlitenへ向かって走る。Audlitenこそはしっかりした街であることを祈ろう。
しばらく走っていると、川があったり、橋があったり、守衛の小屋のようなものがあったり、変な壁で囲まれた廃墟風の建物があったりする。
この、壁で囲まれた廃墟風の建物のまわりには、レベルの高そうな人々が2・3人うろついていた。いかにも怪しい。好奇心にかられた僕は、この遺跡の中をちょっと覗いてみることにした。
どーれ、キョロキョロ。
The tomte skirmisher hits your torso for 21 damage!
ザックリ。
いきなり襲われた。
しかも僕の最大HPはせいぜい80しかない。21ダメージといえば4発で死ぬ計算だ。こんなん逃げ切れるわきゃぁないのである。
二発目を食らうと同時にスプリントスキルを使って走りに走るが、もはや手遅れ。三発目を背中に食らって、HPはのこりわずか。体力低下に伴う走力低下状態になった。ノロノロと歩く僕に、とどめの一撃が入る。
ばたっ。
死んでしまった・・・。
通算二度目の死亡。このキャラで初の死亡だ。
まだレベルが低いせいか、死んでもいたくもかゆくもないとはいえ、今回の旅の目的は首都遠征だったので、スタート地点に戻されるのはやはり痛い。
それよりもなによりも、DAoCでは死者が出ると同じ国の人間全てに、『誰々が誰々に殺されましたよー』と告知されてしまうのだ。だから死ぬと結構恥ずかしい。これがなによりも痛い。
さて、死んだことでスタート地点であるFt.Atlaに強制送還されてしまった僕。また同じ道のりを進むのも億劫だし、十分に気分転換もできたので、またFt.Atla近辺でコツコツ修行でもしようかな、という気持ちになっていた。
ところがここで、いきなりTellが入った。
見知らぬ外人さん 「パーティーくまなーい?」
おおおっ。
チャンス到来である。
ここぞとばかりにパーティープレイを体験してみようと二つ返事でOKをすると、こんな返答が帰ってきた。
見知らぬ外人さん 「そんじゃ、Audlitenで待ち合わせね」
待て待て待て待て、ちょっと待て。
/whoをして僕の居場所を見なかったのか?
僕は今Gotarなんだぞ。
Audlitenなんて行ったこともないっちゅーねん!
言いたいことは山ほどあったが、言ってしまうと、この降って涌いた幸運が流れていってしまう気がしたので、この外人さん一行をかなり待たせることになりそうだけど、そのまま黙々とAudlitenへの道を再び走る事にする。うくくく。
待たされる方にはいい迷惑なので、マネをしないように。
Audlitenへの道を進むと途中でアリが大量に涌いている場所があったりして、そこには狩人が何人か群がってたりもした。アリを見てみると、僕にはまだまだ強すぎる相手だったんだけど、後々のためにこういう良さげな狩り場は記憶しておくことにする。
さらに僕の旅路は続く。
アリのポイントを超え、さっき僕が殺されたあたりも通過して、かなり長い時間走り続けた後、目の前に川が、そしてそこに架かっている石橋が見えてきた。その先には村のようなモノが見える。どうやらここが、目的地のAudlitenのようだ。
予想通り、橋を越えてしばらくすると、Audlitenに入ったというシステムメッセージが出た。
さて、Audlitenの様子を見渡すと・・・
やっぱりショボい。Dvalin以上、Ft.Atla以下。EQのフィールドのショップレベル。初めショボいと感じたFt.Atlaも、壁があるというその一点だけで、相当贅沢な街だったようだ。
ACもそうだったけど、どうやらDAoCはゾーンの区切れがあまりなく、一貫した世界を構築するかわりに、街の規模が極端に削られているようだ。そんな気はしていたけど、ここに来て予感は確信に変わった。狭くてロード待ちがない分、使うには便利だけど、街の雰囲気というか、街の中にいるときの居住感はEQに遠く及ばない。
噂(?)の個人所有物件に期待するしかないかな。無理かな。
おっと、街考察をしている場合ではない。人を待たせているのだった。
狭い街だ、すぐに見つかるだろうと、街の中をうろうろして、目的の人物を捜すがどこにもいない。
まあ、ずいぶん遅れてしまったから、きっともう近くで狩りをしているんだろうな。
そう思った僕は、『遅れてごめん、今どこ?』と言った内容のメッセージを送る。すると、『川を渡ったところにいる』と言った内容の返答が帰ってきた。言われたとおり川を渡って、その辺り一帯を探すが、全く見あたらない。
それでも懸命に、何度か場所を聞きながら、30分くらい泣きそうになりながら探したが、やっぱり見つからない。
さすがにギブアップだ。
『僕にはあなた達を捜すことはできません(直訳)』、とメッセージを送り、ついにパーティーを組むことをあきらめた。トホホ。
あきらめて、さてどうしよう。
よし、ここまで来たんだから、今日の初めの目標を達成しよう!
そう、今度こそJordheimへ行くのだ!
内心パーティーが見つからなくてブルーになっていたんだけど、できるだけそのことは忘れて、Jordheimへの道を進む。
次の目的地は、VasudheimというJordheimの城下町的存在(勝手に予想)だ。
AudlitenからVasudheimまでの道は比較的安全なのか、ほとんど迂回すべき敵に会うこともなく進むことができた。というか、Ft.AtlaからAudlitenまでの道のりもそんなに危険ではなくて、夜になると涌くアンデッドが危なかっただけかも知れない。
敵の巣を不用意に覗いて殺された場合などは別にして。
ってなわけで、無事にVasudheimに到着。
今まで同様、ヘボい村だが、もう驚かない。さすがに慣れたし予想通りだ。
それよりも、Vasudheimの先に城がうっすらと見えているのだ!
これが気になる。
これは、こんなチンケな村に留まっている場合ではない。全く停止することなく、Vasudheimを完全にスルーして、Jordheimとおぼしき城へと走る。
城門へたどり着くと、そこはどうやらいわゆるEQで言う『ゾーン境界』になっているようだ。飛び込むとデータロードが始まって違うマップにとばされるのだろう。さすがは首都(想像)、別格扱いである。
いざ、飛び込む!
・・・。
・・・。
・・・。
だああああああ!!
また僕に『・・・』で行数稼ぎをさせるのか、DAoC!
そう、予想外の不幸な出来事が、また起こったのである。
Jordheimは未完成なのか、単なるエラーか、とにかく僕はJordheimに入ったとたんにクライアントクラッシュを食らい、次にログオンしたときには最後のバインドポイント、すなわち懐かしのFt.Atlaに強制送還されていたのだ。
さすがはβ・・・。
つづく。
−登場人物−
Nezzlid (Kobold / Mystic Lv6)
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