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第一話 常若の都 ティル・ナ・ノーグいきなりミッドガルドを捨てて、ヒベルニアです。
別にミッドガルドには花がないからとか、ミッドガルドはクラスのバリエーションに乏しいとか、ミッドガルドは田舎臭いとか、ミッドガルドは活気がないとか、ミッドガルドはバケモノじみているとか、ミッドガルドは頭が悪そうとか、そんな理由では全然なくて、ただ単に一緒に本番をプレイするかも知れない知り合いが、
『俺、ヒベルニアがいいかも』
とかいいだしやがったので、レポートがてらのプレイなのだ。
というわけなので、キャラを作成する。
今まで、ローグ系、キャスター系をやってきたので、今度は戦士系をやってみよう。種族の方も今度は趣向を変えて、エルフだ。チビへのこだわりはあっけなく放棄する。
テーマはエレガント。
エルブンチャンピオンを目指してレイピアで戦う、ガーディアンなのだ。
キャラ作成が終わると、とんがり帽子のような屋根の木造の小屋が目の前にあり、いつも通りすぐそばに、自分のクラスのトレーナーがいる。
とりあえず決まった儀式として、トレーナーに話しかけてみよう。
トレーナー 「自分の進むべき道を探しに、
ティル・ナ・ノーグTir Nan Ogの
Riofachに会いに行きなさい」
想像通り、早速クエストをくれた。
しかしティル・ナ・ノーグへ行けとは・・・。この有名な地名から察するに、ミッドガルドで言うところのヨルドヘイム(読み方不明)に相当する、ヒベルニアの首都なのだろう。きっと。
えーと、今いるのは・・・Howthという街・・・いや、村か。ちなみにここもご多聞に漏れず、ショボい。
再び地図、もとい、海外サイトのマップ画像を見てみよう。・・・ふむふむ。ヒベルニアのマップは、こないだのミッドガルドのそれよりも大分出来がいいな。これによると、首都ティル・ナ・ノーグは、ここから北へほぼ真っ直ぐ行ったところにあるらしい。
道のりはそう険しくはなさそうだし、とっとと行くとするか。
いや、まて。まてよ。
テーマはあくまでもエレガントだ。
こんな、生まれたままの姿で上京するなどと言う土臭いマネはできない。
最低でも、それなりの武器を帯剣し、マントくらいははためかせるのがエレガントな紳士というモノであろう。
そうと決まったら、Howthの村周辺で早速狩りを開始である。
ミッドガルド時代の、Lv1〜2の頃の相手と言えば、蛇、または狼だったが、ヒベルニアはひと味違う。
左の写真を見てもらえばおわかりのように・・・
カエルである。
本当にこんなんで、生まれてすぐに狼と格闘していたミッドガルド人に勝てるのか、大いに不安だ。
まぁ、ヒベルニアにはこのほかにも、レベル1〜2の相手に適当なものとして、ミニ熊とか、半透明な小人とか、蛇もいるんだけど、生息数からしてメインはどうしてもカエルだ。
そんなわけなので、村のまわりにうごめくカエルを、ばったばったと切り倒す僕。
ところで僕のキャラは、将来素早さが重要視される突き刺し系の武器を使おうと思っていたため、ただでさえ力の弱いエルフなのに、ボーナスポイントも全部素早さへ振ってしまっているので、極端に非力だ。
だから力の強さが重要な斬る系の武器である、初期装備の剣では少し戦いがつらい。レイピアを買うまではちょっと厳しいかも知れない。早くお金が貯まるといいな。
なんて思いつつ、戦利品を拾って村へと売りに戻る。
そして売る。
平均して一品20cpで売れる。
・・・!?
す、すげー。
一品20cpなんて言う稼ぎは、ミッドガルド時代はLv5以降の話だったのだ。だいたいLv1のころは蛇やら犬やらの戦利品が一つ7cpくらいだった。なんて贅沢なんだ、ヒベルニア人。
といことで、あっという間に金を貯めて武器とマントを買い、いざティル・ナ・ノーグへむかって旅立つことにした。
出くわした骸骨相手にレイピアとその必殺技を試し撃ちしたり、途中のArdaghやTir na mBeoと言った村で、マントを染める染料を探したりしながらどんどん北上していく。
染料と言えば、染料の種類の数もハンパではない。
ミッドガルドとは品揃えが違うようだけど、そもそもミッドガルドの染料にこんなに種類はなかったような・・・。あまりDAoCの情報に詳しくないんだけど、ひょっとしたらミッドガルドはまだ未完成だったのかなぁ。
なんとなく不公平を感じながら、青く染めたマントをはためかせて進む。
どれくらい走っただろうか。
慣れない道は長く感じるものだけど、それでもそんなに長いと感じない程度の時間が経過した頃、目の前に綺麗な城が見えてきた。
こ、この重厚とか剛健とかとは完全に無関係な、イスラムのモスクのようでもあり、西洋の城のようでもある建物は・・・。
なんて、メルヘンな・・・。
メルヘンだ!ファンタジーだ!
というセリフが昔あったが、まさしくこれはそんな感じだ。どういう世界に迷い込んだのか、一瞬自分の立場を考えてしまう。ミッドガルドから来ただけに、特に。
とにかく、あの城へ入ろう。
気を取り直して城へと向かう。
城の入り口をくぐると、土肌がむき出しの、自然の洞窟のようなトンネルに繋がっていて、そのトンネルをしばらく進むと、いわゆる『ゾーン』が始まった。
今度こそ入れてくれよ。
ミッドガルドのヨルドヘイム(読み方不明)での悪夢を思い出して祈ること十数秒。
ローディングが終わると、僕は無事に入城を終え、土肌むき出しのトンネルを、『ゾーン』前の自動走行そのままに、また走り出していた。
さらにしばらく走ると、トンネルは終わって、その先には綺麗な大門と、その向こうにある瀟洒な家々が見えてきた。
なんとなく、もうこの時点で、今まで見てきた数々のヘボい村々とは全く別の雰囲気を、ひしひしと感じるようになっている。
さすがは首都!ということなのか!?
期待に胸を膨らませながら、マントを翻して走る。
そして、門を駆け抜ける。
・・・うわぁ。
そこにあったのは、今まで見てきたどの街よりもイカス、メルヘンチックな世界だったのだ。思わず探検魂をくすぐられてしまい、クエストのことを放り出して、そこら中の家を探検する僕。建物だけではなく、各種ベンダーも充実していて、武器防具から、染料、生産スキル用と思われる品まで、まさにありとあらゆるものが売られていた。
うおー。
かっこえー。
以前、ミッドガルド編の冒険記で『DAoCは街には力を入れていないようだ』みたいなことを言ったけど、『大半の村はヘボいけど、ごく一部の街は非常に格好いい』と言う評価に訂正しておこう。
さて、観光もいいけど、そろそろRiofachって人を捜さないとな。この上京の元々の目的はこれなのだ。
ファンタジー界の住宅街、といった風の街路を走って、Riofachという人物を捜す。
これがなかなか難しい。そこそこに広い上に、複雑に道が曲がりくねった街の中から、たった一人の人物を捜し出すのだ。簡単なはずはない。
街を楽しみながら探すこと十数分。ガーディアン系上級職のトレーナーが勢揃いした神殿のような建物の中に、その人物はいた。言うなればガーディアンギルド、といった感じの建物だ。
Riofachにちかづいてその肩書きを見てみると、[Hero Trainner]とある。どうやらこの人は、ガーディアンの上級職の一つ、ヒーローのトレーナーのようだ。
Riofachに話しかけると、今度は、『××××××(名前失念)と話せ』、という。
また人捜しだが、今度は簡単に見つかった。
同じ建物にいる、ブレードマスターのトレーナーが、目的の人物だったのだ。
で、予想通りこの人も、『Lasairionaを探して話せ』、と言ってきた。
これも先の例と同様、容易に発見。
三度目の正直とばかりにLasairionaに話しかけると、やっとクエスト終了のメッセージが出て、報酬がもらえた。ふう。
どうやらこのクエストは、新しく生まれたガーディアンに、将来進むべき道を示すための、いわばチュートリアルクエストだったらしい。いろいろとありがたい教訓をいただくことができた。ほとんど読んでないんだけど。トホホ。
ともあれ、やっとクエスト終了だ。
首都観光で楽しむこともできたし、まずまずの旅だったといえそうだ。
今後の修行をどうするかは、また次の機会に考えるとして、とりあえず今日はティル・ナ・ノーグで落ちるとしよう・・・。
つづく。
−登場人物−
Flie (Elf / Guardian Lv3)
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