本選Aブロック 1組〜8組
赤色水先案名無い人 ◆RED.RgQs
氏の総括
2002年5月5日、
2chの外にある、普段は運営上の連絡等に使われるトーナメント板が、いつにない熱気に包まれた。
ラジオからは本選組み合わせが吐息まじりに次々と発表される。
その特設実況会場が、ここにに設けられたのだ。
この場にいない参加者達も、各板の選対スレで固唾を飲んで見守った。
予選を勝ち抜いた勢いで新たに闘志を燃やす者、
静かにその現実を受け入れる者、
恐るべき死の組に組込まれた事態を悲観する者、
とりあえず祭る者、
・・・その反応は実に様々であった。
しかし、本選の規模は予選を遥かに上回るであろうことだけは、漠然と予測することができた。


《本選Aブロック第一回戦》

【第01組(5/8)】
・「蹴球代表海外」 vs 「たばこ」 vs 「アナウンサー」
予選終了から3日、本選組合せ発表から2日が過ぎ、ついに始まった記念すべき本選第1組。
日付が変わった途端、本選最初の投票スレに票が殺到し、予選とは規模が違うことをまざまざと見せ付けてくれた。
アナウンサー板は、予選を上回るペースで票を伸ばすが、
2板の凄まじいまでの勢いに追いつくことは、残念なことに最後までは出来なかった。
トップは、蹴球代表海外板とたばこ板で争われる。
たばこは、とにかく勝つためにがむしゃらに他板に支援を依頼して回る。
運命のいたずらか、予想外の第1戦であり、周到な準備など事実上不可能であったための悲痛な苦肉の策であった。
蹴球代表海外はさらに過酷で、予選最終組より引き続いての本選第1組となる。
しかし、その運命を逆手に取り、予選での勢いにそのまま乗ることに成功、本選最初の覇者となる。
また、予選では達成し得たのはモ娘(狼)だけという巨大な壁であった1000と言う数字が、
本選ではこのレベルが当然であると言わんばかりに、第1組にして、いきなり叩き出された。
多くの板の応援を受けたたばこも、波に乗る蹴球代表海外に敗れたたものの、それでも900近い票を集める。

【第02組(5/9)】
・「株式」 vs 「パチスロ」 vs 「SF」
「支援」vs「同盟」vs「ネタ」とも言える第2組は、どこが勝ってもまったく不思議でない試合であった。
また、1000票超えの前日の勢いは、単なる偶然ではなく本選のスタンダードであったことを証明した。
序盤のスタートダッシュでSF板がやや遅れるも、その後のラッシュ次第ではどの板にも勝利のチャンスはある。
それを証明するかのごとく、中盤はどの板にも均等に票が入りつづける。
終盤、予選でもラストスパートに定評があったパチスロ板が、この流れに終止符を打つべく一気に動き出した。
あわや逆転かと思われたが、やや遅れて、それまでトップを走っていた株式板がラストスパートに出る。
その勢いはパチスロ板に若干劣るものの、辛くも逃げ切り、株式板が勝利を収めた。
SF板は数多くの良質な支援を武器に果敢に戦いつづけるも、無念の敗退。その敗退を惜しむ声も大きかった。
パチスロ板は泣いた。選対スレは良質のコントのような趣であったが、その裏に隠された真剣ぶりが垣間見られる。
(もっとも、これ以降も他板の支援に回るのだが、その頃には、元どおり愉快なパチスロ住人に戻る)
予選後半を盛り上げた実績のある株式板は、試合には勝ったがネタで負けたと新たな闘志を燃やす。
今後の動きに注目したい。

【第03組(5/10)】
・「ラーメン」 vs 「ハングル」 vs 「数学」
驚異の大逆転が、この第3組の最大の見所であろう。
また、本選に入って、全体的に無味乾燥なパワーゲーム化しているとの指摘が一部上がっているが、
この試合においては、実は、支援と板の魅力こそが票の流れを左右したことは意外と知られていない。
トップのハングル板は支援材料も豊富で、中でも「ニホンちゃん」は、全体でも最も良質な支援の一つであろう。
その上さらに「ニホンちゃん」スレから作者のうち数名が、支援のためだけの新作まで発表した。
こうした中、ハングル板の勝利は確定かと思われたその時、試合の流れは一気に急展開を見せる。
予選得票数は僅か25票であったラーメン板に、ラーメンそのものに魅せられた浮動票が板レベルで殺到したのだ。
終盤は、ハングル板とラーメン板がしのぎを削るデッドヒートという、当初では予想もつかなかった展開となる。
最終結果はラーメン板の勝利。まさかの大逆転劇となる。ハングル板にとっては、2ch版ドーハの悲劇であった。
数学板は、やはり真面目な学問板、基本的に祭好きではないのか、残念なことに両板の前に敗退した。
なお、「ラーメン板を援護した板」と「ハングル板を援護できなかった板」とがあった。

【第04組(5/11)】
・「国内サッカー」 vs 「鉄道・電車」 vs 「楽器・作曲」
前組、そして次組とは対照的な第4組。票数も(あくまでも本選レベルではあるが)落ち着いたものであった。
板の雰囲気を表現するAAを駆使した投票、時折現れる良質のスレ支援、それぞれの思いの交錯する同盟関係、
そして、トップと2番手の票獲得争い・・・まさに、王道的な試合であった。
その分、AA投票やスレ・ネタ支援の存在が目立った。
これらは票を伸ばす効果以上に、勝負に関わらず板の存在をアピールする意味は大きい。
楽器・作曲板は今一つ元気がなく、国内サッカーと鉄道・電車の一騎討ちの様相を呈す。
最終的には兄弟板の蹴球代表海外をはじめとする強固な同盟票もあり、国内サッカーが勝者となる。
ただ、グラフだけを見ると終始国内サッカーが優勢であったように見えるが、
投票当日は全体の流れと得票数が全く見えない上、たとえ優勢がわかっていても
大逆転と言う前例がつい昨日に起こったばかりであり、全く予断は許されなかった。
観戦雑談スレを覗くと、終盤に至るまで国内サッカーが多少優勢であるとしかわからなかった。
また、試合終了直後、何らかの方法で時を越えた一票が有効となり、喝采を浴びたのもこの試合であった。

【第05組(5/12)】
・「Download」 vs 「ニュース速報」 vs 「鉄道路線・車両」
地獄。この2文字だけでこの第5組は十分表現できる。
熱くもなく、冷たくもない。ただ凄まじいまでの嵐の中で、言葉はおろか呼吸さえも止まる。そんな戦であった。
各板、特に鉄道路線板の支援は優れていたが、この死闘においては、残念ながら支援など何の意味も為さなかった。
このトーナメントへの意気込みは恐らく最強であり、それ故に深い業を背負ってしまったDownload板(以下ダウソ)と
今では見る影もないが、少し前までは住人数・情報量・厨房度など最強であったニュース速報板(以下ニュー速)とが
よりにもよって日曜日に正面から激突。この日の戦いだけで7つものスレッドを消費した。
ダウソ・ダウソ・鉄道路線・ダウソ・ニュー速・ダウソ・ニュー速・ニュー速…これが延々と繰り返される。
悪名とは言え予選でその名を轟かせ、本選でも積極的な動きを続けてきたダウソは、やはり強かった。
ニュー速は速報板らしく途中集計という反則スレスレ行為をしながらも、必死(彼ら自身認めていた)に対抗する。
しかし、ハングル板の敗北でようやく目覚めたハンデは大きく、モ娘(狼)の援護を受けてなお、追いつけない。
1000どころか、なんと2000を優に上回る驚異的な得票数でダウソが勝利に輝く。
ニュー速も敗れたとは言え、有効票だけでも1700票余りという、まさにケタ違いの戦いであった。

【第06組(5/13)】
・「ずるい女」 vs 「ネットゲーム」 vs 「批判要望」
前組のショックが大きく、あまり目立たないが、実はAブロックでは票数だけでも2番目の第06組。
その内容も、上位2板という構図は相変わらずだが、そのどちらが有利なのか全く分からない好ゲームであった。
平家みちよニューシングル発売に向け、前日から兄弟板の狼住人を中心にプロモーションに余念がないずるい女と
予選でもそうだったが、まわりのお祭騒ぎに目もくれず、ひたすら黙々と投票し続けるネットゲームとの首位争い。
(このネトゲ板の予選からの戦い方は、同盟の力もあるだろうが、特異なもので面白い)
ずるい女はモ娘兄弟や前日の流れからニュー速やハングル等、ネトゲはダウソやパチスロをはじめ多くの板から、
それぞれほぼ均等に票が集まる。
全体的にほぼ互角の戦いだが、中盤まではネトゲがやや有利。しかし、ちょうど中間地点ででずるい女が逆転。
最終的にはずるい女が勝者となるが、ネトゲ板も1000票を軽く越える善戦であった。
一方、批判要望は、夜勤氏自ら投票に赴く場面もあり、観戦者を驚かせたが、
選対スレでの主張のとおり「動かざる事山の如し」であった。批判要望の敗北は、本選の性格をよく表わしていよう。

【第07組(5/14)】
・「ジュース」 vs 「半角かな」 vs 「SM」
票数は3・4組同様、比較的マターリしたものになる。板住人の票よりも、外部の住人からの票が目立った第7組。
…というと、これまでと同じとだが、この場合は少々違った。ジュース・半角かなそれぞれ、選対スレは伸びない。
半角かなは、むしろ兄弟板の半角文字列板選対スレのほうが盛り上がって(ほとんど動画祭状態)いた。
ジュースに至っては選対スレに書きこんでいるのは、ほとんどが他板住人であった。
にもかかわらず、それぞれ票は伸び、例によって上位2板のデッドヒートが展開された。
半角かなはまだ同盟による票と言う事で理解できるが、ジュース板は同盟とはさほど関係のなさそうな票が多い。
これは、どうやら同盟や支援によるものではなく、板そのものの面白さに共感しての浮動票であったようだ。
(とある板の選対スレでは、自由投票宣告したあと、ジュースに入れたとの意見が大半を占めていた)
ジュース板は、このトーナメントを最も有効に活用出来ている板の一つかもしれない。
半角かなとジュースとの戦いはきわどい接戦であったが、最終的にはジュース板に軍配が上がる。
一方SM板は善戦したが、残念ながら上位2板に追いつくことは出来ず、敗退を喫する。
それにしても、950となった投票スレに、毎回どこからともなく現れるプ板埋め立て要員は、一体何なのだろうか?

【第08組(5/15)】
・「ニュース極東」 vs 「宝塚・四季」 vs 「料理」
前組終了後まもなく、投票所どころか、2ch全体が落ちる事態となった。
不安定ながらも幸いにして0:00には復旧したが、スタートダッシュの重要性を考えると、実に危機的状況であった。
そのスタートダッシュはニュース極東と宝塚・四季が、ほぼ同じペースで票を伸ばす。
しかし、宝塚・四季の勢いは長くは続かず、1時間後にはそのペースを落とす。
その後も宝塚・四季と料理ともに奮わず、ニュース極東が、ほぼ独走体制に入る。
(その感覚はグラフからも読み取れる。たとえ差あってもほぼ平行線であれば、拮抗しているように感じられるが、
 今回のように、その角度に差があると、実際も差があるように感じられる。)
ニュース極東はいわゆるニュース連合を結びつけた紐帯のような役割で、更にモ娘(狼)の強い援護を受けた。
また、ニュース極東の選対スレは一風変わった盛り上がりを見せている。その姿勢も好感を得たのであろうか。
ニュース極東は1000票超えで二回戦進出を果たすが、ニュース極東・宝塚四季・料理ともに穏やかで、
試合後の各選対スレの空気も和やかなものであった。


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こうして、2ちゃんねる全板人気トーナメント・本選の幕は切って落とされた。
Aブロック一回戦は大荒れだが、その分見ごたえのある試合が多かったといえる。

B〜Dブロックの一回戦、そして、その後に控える2回戦以降は、一体どのような戦いとなるのだろうか?