クロック周波数とは、CPUの後ろに書いてある数字のことで、CPUがデータを
処理する速度を表した数値。
たとえば、Pentium3 800MHzというようにMHz(メガヘルツ)や
GHz(ギガヘルツ)という単位で表される。
クロック周波数は、CPU の命令実行タイミングを制御するものなので、クロック周波数が
高くなるほどパソコンの命令実行速度は向上し、処理速度も向上する。
ただし、クロック周波数が2倍になっても、処理速度が2倍になるとは限らない。
処理速度はCPUだけでなく他のデバイスも影響するので。
例1)
200MHzで動作するCPUをもつパソコンがある。このCPUは、1命令を
平均0.8クロックで実行できることが分かっている。このCPUは1秒間に
約何万命令実行できるか。
解説)
200MHzなので、1秒間に20,000万クロック。
0.8クロックで1命令を実行できるので、
200,000,000 / 0.8 = 250,000,000
よって、25,000万命令
例2)
基本動作時間(クロック時間)が3ナノ秒の処理装置で、命令の実行に
必要なクロック数とその命令の出現比率が表に示す値である場合、
この処理装置の性能は平均約何MIPSか。
┌───―──―─―──┬――――――――─┬──────┐
│ 命令の種別 │命令実行に │ 出現比率 │
│ │必要なクロック数 │ │
├────―─―──―─┼―――――――――┼──────┤
│レジスタ間演算 │ 4 │ 40% │
├─────―──――─┼──―――――――┼──────┤
│メモリ・レジスタ間演算│ 8 │ 50% │
├───────────┼──――――――─┼──────┤
│無条件分岐 │ 10 │ 10% │
└───────────┴─―――――───┴──────┘
解説)
基本動作時間(クロック時間)が3ナノ秒の処理装置ということは
1クロックに3ナノ秒かかるということ。
(1ナノとは10億分の1(10の−9乗)。
レジスタ間演算
必要なクロック数=4、出現確率=40% より
CPUがレジスタ間演算を行うには4クロック必要で、
レジスタ演算を全体の40%の割合で実行するということになる。
よって、レジスタ演算は
4 × 3 × 40 % = 4.8 ナノ秒
メモリ・レジスタ間演算
必要なクロック数=8 出現確率=50% より
同様に 8 × 3 × 50 % = 12 ナノ秒
無条件分岐
必要なクロック数=10 出現確率=10%
10 × 3 × 10 % = 3 ナノ秒
となる。
よって、このCPUの1回の平均命令実行時間は、すべて合わせて
4.8 + 12 + 3 = 19.8 ナノ秒
= 19.8 × 10^(−9) 秒 となる。
次にMIPSを求める。
MIPSは1秒間当たりの命令回数であるから
1 ÷ 19.8 × 10^(−9) = 0.0505 × 10^(9)
= 50.5 × 10^6(10の6乗=百万)
よって、50.5 MIPSとなる。
【MIPS (Million Instruction Per Second)】
コンピュータの処理速度をあらわす単位で、「1秒間当たりの命令実行数(単位は百万)」。