《回路》
Create:2002/02/11
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【半加算回路】
   この回路は1桁の2進数の足し算だけを扱える。

      A
    + B
    ───
     XY

   と表すと、ABXYの組合せは次のようになる。

    A B X Y
    0 0 0 0  2進数の計算 0+0 = 0 を表す
    0 1 0 1  2進数の計算 0+1 = 1 を表す
    1 0 0 1  2進数の計算 1+0 = 1 を表す
    1 1 1 0  2進数の計算 1+1 =10 を表す

   これを実現する回路は次のような構造になる。

              ┌────────┐
     A──┬─────┤ 排他的論理和 │
        │     │        ├────Y
        │  ┌──┤ (EOR)  │
        │  │  └────────┘
        │  │
        │  │  ┌────────┐
        └─────┤  論理積   │
           │  │        ├────X
     B─────┴──┤ (AND)  │
              └────────┘ 


【全加算回路】

   全加算回路の足し算では「繰り上がり」を考える必要がある。
   例えば2進数で101+11を計算することを考える。

       ABCD
       ↓↓↓↓

        101
      +  11
      ─────
       1000

   となるが、各桁でどういう計算をしているかを考える。

   Dの桁は単純に半加算回路で示したような計算をするだけである。
   つまり、1+1=10だから、繰り上がりが1でこの桁に0が残る。

   Cの桁が全加算回路そのものの動きをする。つまりここでは、2つの数を
   加えているのではなく、繰り上がりを含めた3つの数を加えているのである。
   0+1+(繰り上がりの1)= 10だから
   繰り上がりが1でこの桁に0が残る。

   Bの桁も同様である。
   1+0+(繰り上がりの1)= 10だから
   繰り上がりが1でこの桁に0が残る。
 
   Aの桁も同様である。
   0+0+(繰り上がりの1)= 1だから
   繰り上がりが0でこの桁に1が残る。
 
   要するに繰り上がりを含めた3つの0または1を加える処理をしている。

   これを回路図にすると、次のようになる。

      繰り上がり      ┌───┐
      K──────────┤   ├──────────Y
                 │半加算│
         ┌───┐   │回路2│   ┌───┐
      A──┤   ├───┤   ├───┤   │
         │半加算│   └───┘   │論理和│
         │回路1│           │ OR├──X
      B──┤   ├───────────┤   │
         └───┘           └───┘

   計算そのものは、下位の桁からの繰り上がりをKとすると

           K
           A
         + B
         ───
          XY

   となる。
   このままではわかりにくいであろうから、それぞれの回路の出力も順番に
   チェックしていく。便宜的にabcと記号を付す。

       繰り上がり      ┌───┐
       K──────────┤   ├──────────Y
                  │半加算│
          ┌───┐   │回路2│   ┌───┐
       A──┤   ├─b─┤   ├─c─┤   │
          │半加算│   └───┘   │論理和│
          │回路1│           │ OR├──X
       B──┤   ├─a─────────┤   │
          └───┘           └───┘

   まず、半加算回路1については、
            A
          + B
          ───
           ab
     であるから
         A B a b
         0 0 0 0
         0 1 0 1
         1 0 0 1
         1 1 1 0

     次に、半加算回路2については、
            K
          + b
          ───
           cY

     であるから
         K b c Y
         0 0 0 0
         0 1 0 1
         1 0 0 1
         1 1 1 0
     最後にOR回路については、
         a c X
         0 0 0
         0 1 1
         1 0 1
         1 1 1
     となる。以上から、下表が成り立つ。

        K A B X Y
        0 0 0 0 0
        0 0 1 0 1
        0 1 0 0 1
        0 1 1 1 0
        1 0 0 0 1
        1 0 1 1 0
        1 1 0 1 0
        1 1 1 1 1


【フリップフロップ (flip-flop)】

   フリップフロップ(flip-flop) とは、1ビット( 0 or 1 ) の情報を保持できる
   構成の回路を言います。
   SRAMの記憶セルに使用され、二つの安定状態を持つ回路であり、順序回路の
   基本構成要素となる。

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