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「鑑真東渡1250周年記念大会」追記 浙江大学日本文化研究所 周建高 王 勇 |
天宝十二年(753)、唐の高僧鑑真は十二年間に五回もの失敗にくじけず、六回目の渡日に成功した。2003年11月に、鑑真の故郷揚州で、「鑑真東渡1250周年記念大会」が華やかに催された。 この大会は中国仏教協会と揚州市政府の共催によるもので、鑑真ゆかりの揚州大明寺で挙行された。中国と日本および香港・マカオ・台湾の関係者およそ千人が出席し、大会を盛り上げた。鑑真研究を精力的に進めている浙江大学日本文化研究所は協力と出席を求められたが、王勇所長をはじめ五名が日本を訪問中のため、院生の周建高さんが代表として盛会に参加し、研究発表を行なった。 大会は11月1日に鑑真記念写真展と「鑑真」記録映画の上映によって始まり、翌日の午前に大明寺で盛大な法会が営まれてのち、棲霊塔広場で開幕式が執り行なわれた。国家宗教事務局叶小文局長、中国仏教協会学誠副会長、中日友好協会文遅副会長、日本駐在上海総領事館杉本信行総領事、揚州市季建業市長らが式典で挨拶した。 鑑真の功績を讃え、仏教界における国際交流人材と研究者を育成するため、国家宗教事務局は大明寺に「鑑真学院」を創設することを決め、2日の午前に、鑑真学院の起工式が行なわれた。 同日の午後から、中日両国の研究者による学術シンポジウムが開催され、中国社会科学院世界宗教研究所の楊曽文教授、中国日本史学会の王金林名誉会長らをはじめとする国内外の研究者は鑑真東渡の背景と意義、日本文化への影響、鑑真研究の回顧と展望などについて、それぞれ最新の成果を発表。シンポジウムに提出した論文は25本に達し、周建高さんの論文「交流と文明――鑑真東渡意義の現代的闡釈」は好評を博し、『紀念鑑真東渡成功1250周年専刊』に収録された。 人類の歴史において地域間の交流および民族関係を振り返ってみれば、誰もが鑑真渡日の歴史的事件に、文明進歩に対する平和交流の重要性と貴重な価値を見出すことができよう。したがって、国際交流が未曾有の規模と速度で広まりつつある今日にあって、われわれは千二百前の鑑真に学ぶところが多いことであろう。(040318) |