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青春の遣唐使

王 勇


 二〇〇五年三月に、一年間にわたる四天王寺国際仏教大学での客員教授を終え、帰国してまもなく、共同通信社文化部のIS氏が杭州に尋ねてきて、原稿依頼の打合せをした。

 「青春の遣唐使」をテーマに、八回連載というものだが、執筆の最中に中日関係が悪化し、北京や上海そして地元の杭州でも「反日」デモが勃発した。

 こんな時こそ遣唐使時代の友好交流の歴史を振り返るべく、エッセイーを書く難しさを噛みしめながら、夜を徹して書斎に閉じ込めること一度ならずあった。

 八回の連載では、阿部仲麻呂、吉備真備、藤原貞敏、弁正、羽栗兄弟、空海、智蔵、井真成を順次に取りあげている。各地の新聞掲載は五月に始まり、今は十数社に達しているという。

 末筆ながら、執筆のチャンスを与え、飴(褒めること)と鞭(締切催促)の両方をうまく使い分けて督促してくれたIS氏の友情に、深甚な謝意を捧げたい。 

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