アテネ五輪派遣選手・規定数特別措置
日本野球機構のホームページに出ていたことをまとめてみた。
まずは投手。
下の表の上原を例に説明する。
いちばん右、「特別措置によるレギュラーシーズン試合総数」という列を見てほしい。
140-23-2=115試合
140は、シーズンの試合数(予定)
23は、上原がアテネへ行っていた間の巨人の試合数(正確な言い方ではないが)
2は、ストライキで中止となった試合数
というわけで、特別措置によって、上原のレギュラーシーズン試合総数は115試合となった。
セリーグでアテネへ行っていない一般の選手のレギュラーシーズン試合総数(=チーム試合数)は138試合である。
さて、投手の規定投球回とは、レギュラーシーズン試合総数(=チーム試合数)と同じである。
したがって、セリーグでアテネへ行っていない一般の選手の規定投球回は138回である。
それが上原の場合、115投球回ならば規定に到達したと認められることになった。
実際のところ上原は163投球回だったので、特別措置がなくても規定投球回に到達したわけだが。
この特別措置の恩恵を受けたのは、ダイエーの和田である。
パリーグの規定投球回は133回だが、和田の実際の投球回は、128 1/3と足りなかった。
しかし、特別措置による規定投球回は112回なので、和田は規定に到達したとみなされた。
また、ウィリアムス、張の外国代表選手にもこのルールが適用された。
名前 | チーム | 一般の 規定投球回 |
この選手の 実際の投球回 |
この選手の 規定投球回 |
特別措置による レギュラーシーズン試合総数 |
上原 浩治 | 巨人 | 138 | 163 | 115 | 140-23-2=115試合 |
石井 弘寿 | ヤクルト | 138 | 52 2/3 | 117 | 140-21-2=117試合 |
三浦 大輔 | 横浜 | 138 | 144 | 117 | 140-21-2=117試合 |
岩瀬 仁紀 | 中日 | 138 | 64 1/3 | 118 | 140-20-2=118試合 |
安藤 優也 | 阪神 | 138 | 60 1/3 | 118 | 140-20-2=118試合 |
黒田 博樹 | 広島 | 138 | 147 | 116 | 140-22-2=116試合 |
小林 雅英 | ロッテ | 133 | 57 2/3 | 114 | 135-19-2=114試合 |
清水 直行 | ロッテ | 133 | 169 1/3 | 112 | 135-21-2=112試合 |
松坂 大輔 | 西武 | 133 | 146 | 110 | 135-23-2=110試合 |
岩隈 久志 | 近鉄 | 133 | 158 2/3 | 114 | 135-19-2=114試合 |
和田 毅 | ダイエー | 133 | 128 1/3 | 112 | 135-21-2=112試合 |
ウィリアムス | 阪神 | 138 | 46 2/3 | 116 | 140-22-2=116試合 |
張 誌家 | 西武 | 133 | 146 | 115 | 135-18-2=115試合 |
次は野手。
「特別措置によるレギュラーシーズン試合総数」の計算は投手と同じである。
違うのは規定打席の計算である。
規定打席は、レギュラーシーズン試合総数×3.1(小数点以下は切り捨て)。
アテネへ行っていない一般の選手の規定打席は、
セリーグ 138×3.1=427
パリーグ 133×3.1=412
である。
例えば宮本の場合390打席であり、427打席に足りていない。
しかし特別措置によって、宮本のレギュラーシーズン試合総数は116試合と決められ、
116×3.1=359打席以上であれば、規定打席に到達したと認められた。
特別措置の恩恵を受けたのは、宮本、福留、藤本、金子である。
また、城島は116試合に出場したため、フル出場したとみなされた。
名前 | チーム | 一般の 規定打席 |
この選手の 実際の打席 |
この選手の 規定打席 |
特別措置による レギュラーシーズン試合総数 |
高橋 由伸 | 巨人 | 427 | 477 | 359 | 140-22-2=116試合 |
宮本 慎也 | ヤクルト | 427 | 390 | 359 | 140-22-2=116試合 |
相川 亮二 | 横浜 | 427 | 323 | 368 | 140-19-2=119試合 |
福留 孝介 | 中日 | 427 | 404 | 365 | 140-20-2=118試合 |
藤本 敦士 | 阪神 | 427 | 419 | 365 | 140-20-2=118試合 |
木村 拓也 | 広島 | 427 | 183 | 362 | 140-21-2=117試合 |
小笠原 道大 | 日本ハム | 412 | 452 | 356 | 135-18-2=115試合 |
金子 誠 | 日本ハム | 412 | 372 | 356 | 135-18-2=115試合 |
和田 一浩 | 西武 | 412 | 473 | 353 | 135-19-2=114試合 |
中村 紀洋 | 近鉄 | 412 | 462 | 353 | 135-19-2=114試合 |
谷 佳知 | オリックス | 412 | 431 | 353 | 135-19-2=114試合 |
村松 有人 | オリックス | 412 | 503 | 356 | 135-18-2=115試合 |
城島 健司 | ダイエー | 412 | 498 | 359 | 135-17-2=116試合 |
もう少し細かい話を、日本野球機構からコピーした。
日本代表チームに参加した選手の公式戦の規定打席数および規定投球回数の算出基準となるレギュラーシーズン試合総数を、各球団の年間試合数から、日本代表チームが集合した8月4日から五輪派遣選手の指名解除公示日の前日までの各選手の所属球団の試合数を減じた以下の試合数とします。
(注)派遣選手の指名解除期間は帰国した8月27日から9月2日までの7日間。括弧内は五輪派遣選手の各球団の年間試合数から減じる試合数。(筆者注:括弧内というのは、高橋でいうところの22試合のこと)
※公式戦期間中は五輪期間中の欠場試合数を通常の欠場の扱いとし、規定打席数・投球回数に関する特別措置は両リーグ公式戦の全日程が終了した翌日以降に適用します。